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20年前、日本中が涙した“平成の昭和映画” 視聴率20%超で社会現象化した“特別な名作”

  • 2025.5.30

「20年前、どんな映画が心に残っていたか覚えてる?」

2005年に公開された映画『ALWAYS 三丁目の夕日』は、多くの人の心に深く刻まれる“原風景”を描いた作品だった。舞台は昭和33年、東京の下町。東京タワーが建設途中の街並みに、ちゃぶ台や手回し式の洗濯機、自転車に乗る子どもたちーー

その一つひとつが、まるで古いアルバムをめくるように懐かしく、温かい。特別な事件は起こらない。けれど、町工場の頑固親父と不器用な新人少年の物語、女の子を預かることになった若夫婦の奮闘、作家志望の青年と駄菓子屋の娘の交流ーー

それぞれの小さな日常が、優しく交差してゆく。「こういう時代があったんだ」「なんだか懐かしいね」ーー

そんな気持ちにさせられた人は、きっと一人や二人ではないだろう。

20年前、日本中が涙した“平成の昭和映画”

この作品が高く評価されたのは、単に“ノスタルジック”なだけではなかった。CG技術によって再現された昭和の街並みは、どこかファンタジーのようでありながらも、確かなリアリティがある。美術、衣装、小道具の細部にまでこだわり抜いたことで、“記憶の中の昭和”がリアルに息を吹き返したのだ。

そして何よりも胸を打つのは、登場人物たちの“生き方”である。貧しくても、誰かを想いながら生きている。失敗しても、明日を信じて前を向く。

涙がこぼれるのは、誰かの優しさに触れた時。懐かしさに泣くのではなく、“こうありたい”と願う人の心が映し出されていたからこそ、多くの人が感情を揺さぶられた。

昭和を体現したキャスト陣、視聴率20%超で社会現象化した“特別な名作”

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(C)SANKEI

キャストもこの作品の魅力を語る上で欠かせない。

堤真一演じる鈴木オートの頑固だけど情に厚い親父像。吉岡秀隆演じる茶川先生の、不器用で真っ直ぐな優しさ。

小雪、堀北真希、薬師丸ひろ子らも含め、昭和という時代をまるごと体現したかのような演技陣の力が、この映画をより豊かにした。原作は西岸良平の漫画『三丁目の夕日』。それを山崎貴監督が実写映画化し、映画は大ヒットを記録。日本アカデミー賞では作品賞を含む12部門で受賞し、“泣ける映画”の代表格として語り継がれる存在となった。

また堀北真希はこの作品で、第29回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞しており、自身の女優としてのキャリアにおける大きな転機となった。以降、彼女はドラマや映画での主演を次々と務め、若手実力派女優として注目を集める存在となっていった。

2006年12月1日には、金曜ロードショーで、テレビ初放送され、22.5%の高視聴率を記録している。また2007年11月2日にも、続編公開前の特番として、同時間帯に2回目の放送を行い、こちらも20.8%という高視聴率をマークした。

人を想う気持ちは、時代を超えて残る

平成も、令和も、時代はどんどん移り変わる。便利になって、スピードが上がって、人との距離も変わっていく。

でも、『ALWAYS 三丁目の夕日』は教えてくれた。

人を想う気持ち、誰かのために笑うこと、小さな幸せを大切にすること。それはどんな時代にも変わらないし、変えてはいけないものなのだと。スクリーンの中で微笑む人たちを見ながら、ふと自分の“大切なもの”に気づかされる。

この映画は、そんな“原点に立ち返らせてくれる力”を持った、特別な一本だ。


※この記事は執筆時点の情報です。