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「酔った男性客が突然助手席に乗り込んで…」現役20代女性タクシー運転手が忘れたい“小さな密室空間”での戦慄体験

  • 2025.5.21
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東海地方で乗務している20代の女性タクシードライバー・Aさん

タクシードライバー歴3年となる彼女が日々いろんなお客様と出会う中で、“忘れたくても忘れられない出来事”があったといいます。

今回は深夜帯の勤務に慣れてきた頃に体験した、今でも思い出すゾッとしたエピソードを語ってくれました。

客「あんたも無理だろうなー」からの「なんで着いてるんだ!?」

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ChatGPTにてTRILL作成(イメージ)

深夜の勤務にようやく慣れてきた頃です。居酒屋の前から乗ってきた酔った男性客がいました。

私が「どちらまで行かれますか?」と尋ねると、その男性客は「家に帰るんだけどよー。俺の家わかりにくいからさ、今までの運転手で家まで着けた人いないんだよなー」と言いました。

とはいえ、ナビで検索できれば大丈夫だろうと思った私は「ナビで住所検索してもですか?」と聞くと「住所は◯◯◯◯(番地を含め)だけど、あんたも無理だろうなー」と繰り返すばかり。

ナビに住所を入力すると確認ができたので、私は「近くまで来たら確認しながら向かいますね」と伝えて出発しました。

その後もずっと「俺の家はわかりにくい」と話し続けていましたが、しばらくすると眠ってしまいました

そして、ナビに従って運転していたところ、それらしい家の前に到着。

「お客様、住所のお家の前に着いたのですがこのお家で間違いないですか?」と声をかけると、男性は飛び起きて「着いたのか!?なんで家に着いてるんだ!?」と驚いていました。

たしかに地図上では入り口が少しわかりにくい位置でしたが、ナビを使えば迷うことはありませんでした。

「今までの運転手がどうしてたどり着けなかったのか?」と、逆に不思議に思いました。

助手席に乗り込み…思わず走った“戦慄”

「では料金は…」と伝えようとした時のこと。

自分でタクシーに乗ったことを覚えていなかったのか、タクシーという認識をしていないのか男性は何も言わずに左後部座席のドアを開けて勝手に降りてしまいました

慌てて私も「お客さん!料金はいただきたいんですが!」と声をかけると、「うっせーなー、払えばいいんだろ、いくらだよ」と言って、今度は突然助手席に乗り込んできたのです

その時の私と男性客との距離が近すぎて、「何かされるのではないか…」と恐怖を覚えました

結果的にはちゃんと料金を支払っていただけましたが、運転席と助手席の間に防犯ボードがなかったら…と思うと、今でもゾッとします。

「乗客との距離」をどう保つか

今回のAさんのような体験は女性ドライバーに限らず、深夜勤務をするすべてのタクシードライバーにとって他人事ではありません。とくに助手席側からの急な接触や行動は、運転手にとって大きな恐怖の原因になります。

防犯ボードの設置や、乗客を後部座席へ案内する習慣、ドライブレコーダーの活用など“安心の距離感”を保つ工夫は今後ますます必要になるでしょう。

何事もなかったからこそ語れるエピソードですが、その裏にはタクシーという小さな密室空間に潜むリスクと、それに向き合うドライバーの冷静な対応力があることを忘れてはいけませんね。



《取材協力》
現役女性タクシードライバー・Aさん
東海地方で2022年から昼勤のタクシードライバーとして勤務。夫もタクシードライバー。タクシードライバーとしてのモットーは「その場にあった接客を」。好きな道路は国道1号線。

※サムネイルおよび記事内の画像はイメージです。