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プロ「なるべく避けるべき」→『親の介護』で悲惨な事態に…後悔する前に押さえておくべき“3つのポイント”とは?【プロが解説】

  • 2025.6.1
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

親の介護が必要になったとき、多くの人がまず考えるのは「施設に入れる」という選択肢ではないでしょうか。しかし、その判断、どのようなな視点からなされているのでしょうか「とりあえず施設に入れる」という安易な決断は、後々大きな後悔を招く可能性があります。ここでは、『親の介護』で悲惨な事態に陥らないためになるべく避けるべき“3つの落とし穴”をご紹介します。

落とし穴1:「雰囲気だけで決断しない」

施設見学に行くと、どうしても施設の雰囲気に目が行きがちです。

きれいで清潔な外観、お洒落なカフェテリア、スタッフの明るい笑顔を見ると、ついつい「ここなら大丈夫だろう」と思ってしまうかもしれません。

しかし、外見だけでその施設の本当の価値や、親に合っているかどうかを判断してよいのでしょうか?
注意すべき点は、スタッフの介護スキルや親への対応、日々の食事内容、そして緊急時の対応策など多岐にわたります。これらを細かくチェックすることが重要です。

一度の訪問だけでなく、可能であれば複数回見学し、他の入居者の家族などからの話やレビューも参考にしましょう。施設は親が長時間過ごす場所ですので、慎重に選ぶことが大切です。

落とし穴2:「費用の見積もり誤りで資金不足」

次に考えるべきは費用についてです。「少し高いけど、ここなら安心して親を任せられるかな…」と思っていませんか。

しかし、長期的な視野で見ると、料金をしっかり理解しておかないと後々大変なことになりかねません。

入居初期費用のほかに、月々の費用、医療ケアが必要となった際の追加費用など、想定外の支出が多々あります。家族の経済状況をしっかりと確認し、長期的な資金計画を立てることが不可欠です。

経済的に余裕を持たせ、突然の支出にも対応できる準備をしておきましょう。

落とし穴3:「本人の気持ちを見落とすリスク」

最後に、親自身の気持ちについてです。これはある意味最も重要な点といってもよいかもしれません。介護をする側の都合だけで施設を決めてしまうと、本人の生活の質がかえって下がる可能性があります。

「親も理解してくれるだろう」といった思い込みは危険です。可能な限り親との話し合いを重ね、不安を解消し、施設での生活に納得してもらうことが大切です。

施設での生活に慣れる前に、特に高齢者は環境変化に敏感ですから、ストレスを抱えないよう配慮しましょう。

慎重な選択が後悔しない未来を作る

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

親を施設に預けるという選択肢は決して悪いわけではありませんが、早々に決断するのは危険が伴います。

先程ご紹介した「施設の雰囲気だけで選んでしまうこと」「費用の見積もりを誤ること」そして「本人の気持ちを無視すること」、この3つの落とし穴に注意が必要です。

大切な家族のためにも、施設入居を検討する場合は十分な情報と時間をかけ、慎重に検討するプロセスを忘れないでください。考え抜かれた選択が、家族みんなの安心と幸せに繋がるのです。これらの情報が、みなさんの大切な決断に少しでもお役に立てば幸いです。


監修者:寺崎芳紀(株式会社アースソリューション 代表取締役)
東京都生まれ。明治大学政治経済学部卒業。大手介護事業会社にて数多くの介護事業所開発や運営に携わる。2007年より現職。経営コンサルタントとして医療機関・介護事業所運営のコンサルティングサービス等を行い、現在に至る。