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医師「歯周病につながりやすくなる」→実は“ジュース”だけじゃない! 飲みすぎると危険な“NG飲み物”とは?【医師解説】

  • 2025.5.26
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

普段何気なく飲んでいるその飲み物が、実はあなたの歯や歯茎に悪影響を与えているかもしれないと聞いたら、驚かれる方も多いのではないでしょうか。実は、健康を意識する人々が一日に何度も口にしている「ある飲み物」が、歯や歯茎にとってリスクを伴う場合があるのです。

この記事では、医師が指摘するその意外な飲み物と関連するリスクについて詳しく解説していきます。

ジュースだけじゃない!気をつけたほうがいい飲み物は? 

最近の健康志向ブームで人気がある飲み物、それは「スポーツドリンク」です。

運動後の水分補給や日常のちょっとした一休みにもぴったりのこのドリンク。しかし、スポーツドリンクに含まれる酸性の成分が、歯や歯茎を支える歯周組織に影響を与えることがあるのです。

酸性の飲み物を頻繁に摂取すると、口内のpHが低下し、酸蝕歯(さんしょくし)と呼ばれる状態を引き起こすことがあります。

これにより、歯のエナメル質が弱まり、虫歯や歯周病につながりやすくなるといわれています。歯茎に直接ダメージを与える事は少ないですが、間接的に歯茎まで影響が及ぶことから、歯茎の健康維持には注意が必要です。

背景には何があるのか? 知っておくべき酸の影響

何故、こうした食品が歯茎に影響を与えるのでしょうか?

その理由の一つに、スポーツドリンクや炭酸飲料に含まれる「クエン酸」などの成分によるものがあります。これらの酸は飲料に爽やかさをもたらしてくれるのですが、その代償として口内の酸性度を高めることがあります。

クエン酸は、レモンや梅干しに含まれる酸っぱい成分として、ご存知の方も多いはず。クエン酸は代謝を良くしたり、疲労物質の乳酸を分解したり、ミネラルの吸収をサポートする働きもあるといわれています。しかし、歯にとって「酸」が思わぬ影響を及ぼしてしまう場合があります。

普段は唾液が酸を洗い流し中和していますが、強い酸に長時間・または繰り返し触れていることで、歯の表面のエナメル質が溶けて薄くなったり、やわらかくなったりする状態になることが。それが酸蝕歯です。

上手にスポーツドリンクと付き合う方法とまとめ

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出典:photoAC(※画像はイメージです)

では、どうやったらスポーツドリンクを賢く楽しむことができるのでしょうか?

それは、飲むタイミングと量を意識することです。運動後に一気に摂取して水分補給をするために飲む際は問題ありませんが、常時少しずつ飲み続けることは避けましょう。また、飲んだ後には口を水ですすぐ、または歯を磨くことで、酸による影響を和らげることが可能です。

さらに、こうした飲み物に頼らず、普段から水やお茶などの低酸性飲料を選ぶことも口内の健康維持には効果的です。また、フッ素配合の歯磨き粉を使用することで、歯を強化するという方法もあります。

歯や歯茎の健康は、見過ごされがちですが、私たちが快適に食事をしたり話をしたりするために非常に重要です。毎日のちょっとした選択で、歯や歯茎の健康リスクを大きく下げることができます。これを機に、一度あなたの飲み物選びを見直してみてはいかがでしょうか?


監修者:まつむら⻭科クリニック 院⻑ 松村賢(まつむら・けん)

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「いつまでもおいしく食べる」をモットーに、2015(平成27)年に地元である宮城県大崎市に「まつむら歯科クリニック」を開院。歯周病治療などの予防歯科を中心とし、保険診療・審美歯科・ホワイトニング・インプラント・義歯(入れ歯)・摂食嚥下リハビリテーション・訪問診療など、幅広い診療を行っている。
<経歴>
奥羽大学⻭学部卒(医師免許取得)
東北大学大学院⻭学研究科博士課程修了(歯学博士)
仙台市内⻭科クリニック 分院⻑
まつむら⻭科クリニック開院