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医師「最悪の場合は髪が生えてこなくなる」→間違った『白髪ケア』で手遅れに…避けたい“NG対処法”とは?【医師が解説】

  • 2025.5.2
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「最近、前髪や分け目に白髪が…」「1〜2本見つけては抜いてしまう」そんな“白髪の出始め”の時期、多くの人がやりがちな間違いがあることをご存じでしょうか?
この初期段階こそ、今後の白髪の増え方や髪全体の印象を左右する大事なタイミング。白髪ケアの知識不足や誤った対処によって、後になって「もっと早く知っておけばよかった」と後悔する声も少なくありません。この記事では、白髪が出始めた時期に絶対に避けたいNGヘアケアと、正しい付き合い方について、専門知識と実例に基づいて解説します。

白髪を「抜く」「放置する」はどちらもNG

白髪が出始めたとき、つい無意識でやってしまいがちなのが“抜く”という行為。
確かに1本2本なら気になる気持ちもわかりますが、白髪を抜くのは髪と頭皮にとって大きなダメージになります。

■ 抜くことで毛根が傷つき、炎症や薄毛の原因に

毛髪を無理に引き抜くと、毛根やその周囲の毛包組織が傷つきます。これが繰り返されると、炎症を起こしたり、最悪の場合は髪が生えてこなくなることも
特に白髪が集中しやすい分け目・前髪・もみあげなどは薄毛リスクも高い部位です。

■ 放置しすぎると、全体の“印象年齢”が急上昇

また、白髪を放置していると、たとえ本数が少なくても“清潔感がない”印象につながってしまうリスクがあります。
特に前髪や顔まわりの白髪は、見た目年齢に直結しやすく、たった数本でも老けて見える原因になりがちです。

「抜かず・放置せず」――白髪が出始めたタイミングでは、まずこの原則を意識することが重要です。

白髪ケアを間違えると「髪全体が傷む」リスクも

白髪を隠すために急いで染めたり、強い薬剤で無理にカバーしようとすることも、実は“手遅れ”の引き金になることがあります。

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

■ 市販の白髪染めを繰り返すことで髪がパサつく

ドラッグストアなどで手に入るセルフ白髪染めは手軽ですが、強めのアルカリ剤や酸化染料が含まれることが多く、髪や頭皮への負担が大きいのが特徴です。
とくに白髪が出始めの段階で頻繁に染め続けると、本来の健康な黒髪までも傷み、全体がパサつきやすくなるケースも。

■ カラートリートメントを過信しすぎるのも要注意

最近人気の“カラートリートメント”は髪への負担が少ない反面、白髪に色が入りにくく、色落ちも早いというデメリットがあります。
週に何度も使ううちに髪表面がコーティングされ、美容室でのカラーがムラになるケースもあるため、併用のタイミングには注意が必要です。

■ スタイリング剤の影響で白髪が目立つことも

ワックスやヘアスプレーが白髪に付着すると、光を反射して白髪だけが浮きやすくなることも。
白髪が出てきたら、整髪料の使い方や種類にも気をつける必要があります。

このように、白髪初期の“なんとなく”の対処が、髪全体のダメージや色ムラ・質感の悪化を招く原因となるのです。

“白髪が出てきたらどうするか”が、将来の髪の印象を左右する

白髪の出始めは、「まだ数本だから」と見過ごされがちですが、このタイミングこそ、髪全体の健康と美しさを保つための大切な分岐点です。

以下のような習慣を意識することで、“手遅れ”を防ぐ白髪ケアが可能になります:

  • 白髪は抜かず、根元でカットするか適切に染める
  • 染める場合は美容師に相談し、自分の髪質・量に合った薬剤を使う
  • 白髪を含めた「全体の髪の印象」を意識してケアを選ぶ
  • 生活習慣(睡眠・食事・ストレス管理)も見直すことで進行を防ぐ

髪は年齢とともに変化していくもの。
その変化を正しく受け止め、“白髪とうまく付き合う”ことが、若々しい印象を長く保つための秘訣です。

見つけたときの“ひと手間”が、数年後の髪を大きく左右するかもしれません。
白髪が出始めた今こそ、自分に合ったケアを見直してみませんか?


監修:林 瑠加
慶應義塾大学形成外科学教室に約10年間在籍し、一般形成外科、小児、再建分野を幅広く担当。慶應義塾大学大学院医学研究科では毛髪再生の研究に取り組み、医学博士を取得。2015年からは4年半、カンボジアに居住し現地での臨床にも従事した。帰国後は形成外科に加え皮膚科、美容皮膚科の経験を積み、2024年11月に品川区西五反田に「LIKKAスキンクリニック」を開業。患者様の身近なお悩みに対応すべく、保険・自由診療双方からのアプローチで診療を行っている。形成外科専門医、抗加齢医学会専門医、臨床毛髪学会評議員。