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31年前、日本中が涙した“壊れやすい希望の歌” 140万枚超を売り上げた“青春を閉じ込めた名曲”

  • 2025.6.8

「31年前、こんなにも切なくて優しい歌が、あなたの青春にも流れていなかった?」

1994年、スピッツの『空も飛べるはず』はシングルとしてリリースされ、1996年にドラマ『白線流し』の主題歌として起用されたことをきっかけに、脚光を浴び、一躍“スピッツの代表曲”となる。

淡くて、切なくて、どこか懐かしいーー。この曲が放つ空気感は、まさに“90年代の青春そのもの”だった。この曲は最終的に140万枚を超える売り上げを記録し、“語り継がれる名曲”として日本中に深く刻まれた。

恋と夢と、壊れやすい希望を抱えたまま

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(C)SANKEI

スピッツのボーカル・草野マサムネの優しい声に乗せて歌われるのは、青春期の淡い恋心や、小さな願い、壊れそうな心を抱えながらも前に進もうとする姿。

“空を飛ぶ”という非現実的なモチーフは、実はとても現実的な“心の願望”を表している。

大人になることへの不安。過ぎ去っていく日々の儚さ。でも、その中でも「飛べるはず」と信じた、あの頃の気持ち。それが、この曲の中には静かに、でも力強く息づいている。まさに“壊れやすい希望の歌”として、多くの人の心にそっと触れたのだ。

『白線流し』で再発見された“共鳴力”

1996年、フジテレビ系で放送された青春ドラマ『白線流し』。長野の高校を舞台にしたこの作品で、主題歌として起用された『空も飛べるはず』は、まさにドラマのテーマそのものだった。

仲間との別れ、将来への不安、揺れる気持ち。画面の向こうの彼らの姿に、視聴者は自分自身を重ねた。

ドラマ内で流れるこの曲に、涙を流した人も少なくないだろう。“日本中が涙した”名曲として、当時の空気を強く彩っていた。

日本中が涙した“空に届くラブソング”

リリースから31年。それでもこの曲が愛され続けているのは、懐かしいからだけではない。

音数の少ないシンプルなアレンジ、派手さのないメロディ、そしてまっすぐな歌詞。そこに詰まっているのは、“誰の心にもある青春”そのものだ。

人生の中で、誰もが一度は「飛びたい」と願ったことがあるのではないだろうか。それが叶わなかったとしても、「飛べるはずだった」と思えた時間が、確かにそこにあった。

”届かぬ願い”が輝いていた“青春の全てを閉じ込めた名曲”

『空も飛べるはず』は、ただのラブソングではない。それは、過ぎ去ってしまった大切な時間や感情を、そっと包み込んでくれるような一曲だ。

今この曲を聴き返すと、不思議と胸がぎゅっとなる。忙しさにかまけて忘れていた“本当に大切だったもの”が、ふいに心に蘇る。飛べるはずだった“あの頃の自分”が見えてくる。

この曲は、そんな魔力に満ち溢れている。“青春の全てを閉じ込めた名曲”は、今後も多くの人の心で響き続けていくだろう。


※この記事は執筆時点の情報です。