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27年前、日本中の目を奪った“カリスマ的歌姫” 華やかさの裏にある“孤独”に誰もが共感した“時代の象徴”

  • 2025.5.14
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(C)SANKEI

27年前、日本中の目を奪った“カリスマ的歌姫”

「27年前の今頃、どんな音楽が流れていたか覚えてる?」

1998年、J-POPは頂点の熱狂に包まれていた。GLAY、L'Arc〜en〜Ciel、宇多田ヒカルがチャートを席巻し、ドラマ『GTO』や前年に公開された映画『タイタニック』が人々を夢中にさせた年。その中に、まだ広く知られていなかった19歳の少女が、自分の言葉を歌にして放ったデビュー作がある。

浜崎あゆみ『poker face』——1998年4月8日リリース。

華やかさの裏にある“孤独”に誰もが共感した“時代の象徴”

『poker face』は、浜崎あゆみの記念すべきデビューシングル。女優やモデル業を経た彼女が、自らの言葉を歌詞にし、初めて「自分」と向き合った作品でもある。

この曲が描くのは、笑顔の裏に隠された孤独や不安、そして“自分を偽らない強さ”。感情を押し殺して生きる若者たちの心に、そっと寄り添うような詞とメロディは、派手さよりも静かなインパクトを持っていた。

当時のチャートでの順位は目立つものではなかったが、その後の浜崎あゆみの姿を思えば、このデビュー曲はすでに“異質な輝き”を放っていたのかもしれない。

なぜ浜崎あゆみは“時代の声”になり得たのか?

1990年代後半、J-POPはCDセールスが最盛期を迎え、量とスピードが重視される時代になっていた。しかし一方で、“自分の言葉で語るアーティスト”への関心も高まりつつあった。浜崎あゆみは、その潮流を敏感に捉えていた存在だ。

楽曲ごとに綴られる詞はすべて自身の体験や思考が元になっており、自己表現の強さが際立っていた。語りすぎず、でも本音を隠さない——そのバランスが、特に同世代の女性たちから熱い共感を呼ぶこととなる。

そして翌年リリースの『A Song for ××』で一気に大ブレイクし、時代の顔へと躍り出ていく。

“孤高のポップアイコン”が築いた道

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(C)SANKEI

浜崎あゆみのキャリアは、“カリスマ性”と“リアル”の間で揺れながらも、常に一貫して「自分の言葉」で勝負してきた。

ビジュアル面でもファッションでも注目されたが、それはあくまで表現手段の一部であり、本質は“彼女自身の物語を語る”ということにあった。派手に見えて、実は繊細。そのギャップが、多くのファンの目を奪い、惹きつけ続けた理由の一つだろう。

27年経っても響き続ける“声なき声”

浜崎あゆみのデビューから、もう27年。

『poker face』に込められた不器用な決意、笑顔の奥にある本当の気持ち——それらは今なお、令和のリスナーにも届きうる普遍性を持っている。

デビュー曲としては異例の静けさをたたえたこの1曲こそ、浜崎あゆみというアーティストの原点であり、“声にならない声”を代弁してきた彼女のすべての始まりだったのかもしれない。


※この記事は執筆時点の情報です。