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29年前、日本中が心奪われた“春風のようなラブソング” J-POP黄金期に一世を風靡した“伝説の名曲”

  • 2025.5.13
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(C)SANKEI

J-POP黄金期に一世を風靡した“伝説の名曲”

「29年前の今頃、どんな歌が春風のように流れていたか覚えてる?」

1996年。音楽チャートにはMr.Children、安室奈美恵、globeらが並び、J-POPはまさに黄金時代。ドラマでは『ロングバケーション』が高視聴率を記録し、映画『スワロウテイル』が話題をさらっていた。そして、そんな時代の空気にそっと寄り添うように生まれた名曲がある。

スピッツ『チェリー』。1996年4月10日に発売されたこの楽曲は長く愛され続け、今では“春の定番ソング”とも言われる存在となった。

日本中が心奪われた“春風のようなラブソング”

『チェリー』が他のラブソングと一線を画しているのは、その“素朴さ”と“透明感”にある。

愛してるの響きだけで 強くなれる気がしたよ

というサビの一節は、誰もが一度は口ずさんだことがあるだろう。派手な言葉ではない。でも、まっすぐで温かい。スピッツが紡ぐメロディーと草野マサムネの優しい声が重なると、日常の一瞬が、かけがえのない思い出として輝き出す。

その歌詞には、未来を夢見ていたあの頃の“青さ”や“照れくささ”、そしてほんの少しの“切なさ”がそっと描かれている。

“スピッツらしさ”が詰まったサウンド

スピッツは、“ロックバンド”でありながら、決して熱く叫ばず、どこまでも柔らかく、どこか遠くを見つめているような楽曲を多く生み出してきた。

『チェリー』もまた、シンプルなバンドサウンドの中に、繊細なギターリフと柔らかなリズムが溶け合い、聴く人の心にスッと染み込むような仕上がりだ。J-POP全盛期の中で、スピッツは落ち着きのある曲調が多く、この曲も例外ではない。だからこそ、この曲は“長く聴き続けられる名曲”となったのだろう。

なぜ『チェリー』は色褪せないのか?

1990年代に青春を送った世代にとって、この曲は“あの頃の空気”をそのまま封じ込めた宝箱のような存在だ。そして今、Z世代の若者たちにも、スピッツの音楽は新鮮に響いている。

SNSでの再発見や、サブスクでのリスニングなどを通して、『チェリー』は再び広がりを見せている。時代が変わっても、人が恋をして、不安を感じながらも前に進もうとする気持ちは変わらない。だからこそ、この曲は“普遍のラブソング”として、これからも愛され続けるのだろう。

“あの頃”を思い出すたび、ふと口ずさみたくなる。『チェリー』は、そんな一曲だ。


※この記事は執筆時点の情報です。