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管理栄養士「やめてください」→実は『血糖値』を急上昇させる…危険な“NG朝食メニュー”とは?【プロが解説】

  • 2025.5.20
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

「朝は時間がないから、つい手軽なもので済ませてしまう」「朝食は甘いものじゃないと食欲がわかない」——そんな習慣が、実は健康を大きく損なっているかもしれません。
特に注意したいのが“血糖値の急上昇”。血糖値が急激に上がると、その後に急激に下がる「血糖値スパイク」が起き、イライラや眠気、集中力の低下、さらには将来的な生活習慣病のリスクにもつながります。
今回は、朝に食べてはいけない、“血糖値を急上昇させる危険な朝食メニュー”について解説します。

要注意!「パン+甘い飲み物」の朝食セット

一見、手軽で忙しい朝にぴったりな「食パン+ジャム+カフェオレ」や「菓子パン+フルーツジュース」の朝食。

しかし、この組み合わせこそが、血糖値を一気に引き上げる“最悪のパターン”だと言われています。

まず、白いパンや菓子パンは“精製された炭水化物”の代表格。消化吸収が早く、食後すぐに血糖値を跳ね上げる性質があります。そこに、ジャムやチョコクリームなどの“糖分”をプラスすれば、さらに血糖値の上昇スピードは加速。
さらに追い打ちをかけるのが、砂糖入りのカフェオレや果汁100%ジュースなどの“液体糖分”です。これらは噛む必要がない分、体内に急速に吸収され、ブドウ糖が一気に血中に流れ込みます。

「なんとなくおしゃれ」「朝から甘くて癒される」と感じる人も多いかもしれませんが、実はこれ、血糖値の面では“乱高下を引き起こす危険な組み合わせ”。
特に朝は、前日の食事から時間が空いている状態。空腹時にこうした高糖質のメニューをとると、血糖値の上昇もその分、激しくなるので絶対にやめてください。

「ヨーグルト+フルーツ」も実は落とし穴?

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

「健康に良さそう」と思われがちな“ヨーグルト+バナナ”や“フルーツグラノーラ”も、実は血糖値の急上昇を招きやすいメニューです。

市販のフルーツヨーグルトや加糖ヨーグルトには、意外と多くの砂糖が含まれており、無自覚のまま“スイーツ級の糖分”を朝から摂取しているケースもあります。さらに、バナナやマンゴーなど糖度の高いフルーツを一緒に食べると、血糖値は一気に上昇。
フルーツグラノーラも、オーツや穀物が健康的なイメージを与えますが、実際にはシロップや砂糖でコーティングされた加工品が多く、甘味が強い分、血糖値を急上昇させる要因になります。

特に注意したいのは、「ヘルシーそうだから」と毎朝これを習慣にしてしまうこと。体重はキープできていても、内臓や血管にとっては負担がかかっているかもしれません。

もしヨーグルトを取り入れたい場合は、無糖タイプを選び、トッピングは糖質の少ないナッツやシナモン、ベリー類に置き換えるのがおすすめです。フルーツも1種類に絞り、量は控えめにすることで、血糖値の乱高下を防ぐことができます。

朝こそ「血糖値を安定させる食事」が一日を左右する

血糖値の急上昇を繰り返していると、インスリンの分泌が乱れ、やがて糖尿病や脂質異常症といった生活習慣病のリスクが高まります。また、食後に強い眠気やだるさを感じる「血糖値スパイク」は、仕事の集中力や判断力にも影響を及ぼします。

だからこそ、朝食には「血糖値を穏やかに上げるメニュー」を意識することが大切です。具体的には、

  • 全粒粉パンや玄米などの低GI食品
  • たんぱく質を含む卵や豆腐、納豆
  • 野菜たっぷりの味噌汁やスープ

などを組み合わせることで、血糖値の急上昇を防ぎ、安定した一日をスタートできます。

朝は一日の“始まりのスイッチ”。習慣を少し変えるだけで、体のリズムやパフォーマンスが大きく変わってきます。「なんとなく朝がしんどい」「午前中に眠くなる」と感じている方は、一度“朝食の中身”を見直してみてはいかがでしょうか。


監修者:西島 理衣(管理栄養士)
千葉柏駅前胃と大腸肛門の内視鏡日帰り手術クリニック健診プラザ所属の管理栄養士。子どもから大人までの食育と栄養指導に携わり、「薬だけに頼らない健康づくり」をサポート。日常生活で実践しやすい食事アドバイスを得意としています。食事から始める健康づくりを、千葉柏駅前健診プラザでお手伝いします。