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歯科医「かえって目立ちます」→『歯の黄ばみ』が悪化する…日常的にやっている“NG習慣”とは?【専門医が解説】

  • 2025.5.13
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

「昔はもっと白かった気がする」「最近、写真に写る自分の歯が黄ばんで見える」そんな“歯の色の変化”に気づいたことはありませんか?

歯の色は第一印象を大きく左右する重要な要素。実際、白く整った歯は清潔感や若々しさを演出する一方で、黄ばんだ歯は見た目年齢を引き上げるとまで言われています。
そしてこの黄ばみ、加齢だけが原因と思われがちですが、日常の何気ない習慣が進行を早めていることも少なくありません。

今回は歯科医の視点から、「歯の黄ばみを悪化させる意外な生活習慣」と、その対策について解説します。

歯が黄ばむ原因は?加齢だけではない2つのタイプ

歯の黄ばみは、大きく分けて「外因性の着色(ステイン)」と「内因性の変色」の2種類に分けられます。

■ 外因性の着色(ステイン)

コーヒー、紅茶、赤ワイン、カレー、チョコレートなど、色の濃い飲食物に含まれる色素が、歯の表面の「ペリクル」というたんぱく質の膜に沈着することによって起こります。
また、喫煙によるタールの付着も代表的な外因性着色の原因です。

■ 内因性の変色

加齢や遺伝、薬剤(抗生物質など)によって、歯の内側(象牙質)の色が変化することで起こる変色です。
加齢とともにエナメル質(歯の表面)が薄くなると、内側の象牙質の黄色っぽい色が透けて見えるようになります。

これらに加えて、実は「やってしまいがちな生活習慣」や「間違ったケア」も、歯の黄ばみを助長する原因になることがあるのです。

歯の黄ばみを悪化させる“やりがちなNG習慣”とは?

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出典:photoAC(※画像はイメージです)

以下は、歯科医が指摘する「歯の黄ばみを進行させてしまう代表的な習慣」です。
気づかずに続けているものがないか、チェックしてみましょう。

1. ゴシゴシ強く歯を磨いている

「黄ばみが気になるから」といって力強くブラッシングをしてしまうと、エナメル質を傷つけて削り取ってしまうことがあります。
これにより歯の表面が荒れ、着色しやすくなるだけでなく、象牙質の色が透けやすくなって黄ばみが目立つようになります。力を入れずに、小刻みに優しく磨くのが基本。毛先の柔らかい歯ブラシを使い、1回3分以上かけて丁寧に磨きましょう。

2. 口の中が乾燥している(唾液の減少)

唾液には自浄作用があり、食べ物の色素や汚れを洗い流す役割があります。
しかし、水分摂取が少なかったり、口呼吸の癖があると口の中が乾きやすくなり、色素が沈着しやすい環境ができてしまいます。

水をこまめに飲む、口を閉じて鼻で呼吸する、ガムを噛むなど、唾液の分泌を促す習慣を取り入れましょう。

3. ホワイトニング効果をうたう研磨剤入りの歯磨き粉を長期間使用

「歯を白くしたいから」と研磨剤入りの歯磨き粉を選んでいる人も多いですが、毎日使うとエナメル質を削りすぎる可能性があります。
また、研磨により表面が荒れると、かえってステインがつきやすくなることも。週に数回の使用にとどめ、普段は低研磨・フッ素配合の歯磨き粉を選ぶと安心です。

【まとめ】「気づかないうちに黄ばみを進めている」習慣を見直そう

歯の黄ばみは加齢だけでなく、日々の生活習慣やセルフケアの方法によっても進行スピードが変わります。
何気ない行動が積み重なり、将来的に歯の色の印象を大きく左右することも。

今日から見直したいチェックリスト:

  • 力任せに歯を磨いていないか?
  • 着色しやすい食べ物や飲み物の後にうがいをしているか?
  • 口呼吸や水分不足で口が乾いていないか?
  • 歯磨き粉の種類を目的に合わせて選んでいるか?
  • 歯科でのクリーニングや定期検診を受けているか?

見た目の若々しさや清潔感は、「歯の色」にも表れます。
毎日の習慣を少し変えるだけで、自然な白さを保ちやすくなり、自信のある笑顔にもつながります。

歯の健康は見た目以上に、内側のケアが大切です。
「今やっているケア、本当に合ってる?」――そう問いかけてみることが、黄ばみ予防の第一歩です。


監修者:まつむら⻭科クリニック 院⻑ 松村賢(まつむら・けん)

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「いつまでもおいしく食べる」をモットーに、2015(平成27)年に地元である宮城県大崎市に「まつむら歯科クリニック」を開院。歯周病治療などの予防歯科を中心とし、保険診療・審美歯科・ホワイトニング・インプラント・義歯(入れ歯)・摂食嚥下リハビリテーション・訪問診療など、幅広い診療を行っている。
<経歴>
奥羽大学歯学部卒業(医師免許取得)
東北大学大学院歯学研究科博士課程修了(⻭学博士)
仙台市内歯科クリニック 分院⻑
まつむら歯科クリニック開院