医師「もしやってたら今すぐやめて」→ 『更年期太り』を悪化させる…確実に太りやすくなる“NG生活習慣”とは？【医師が解説】

「気づいたらお腹まわりに脂肪がついてきた」「若い頃と同じ量を食べているのに体重が増える」――
40代以降の女性に多くみられるこうした悩み。それは“更年期太り”かもしれません。

更年期に入るとホルモンバランスが大きく変化し、これまでと同じ生活をしていても太りやすく・痩せにくい体質に変わっていくとされています。
しかもこの時期の体重増加は、見た目だけでなく、将来の生活習慣病や内臓脂肪型肥満のリスクにも直結するため、早めの対策が重要です。

今回は、専門医の視点から「更年期太りを悪化させる意外な生活習慣」と、その背景にある体の変化、そして今日から見直したいポイントについて解説します。

なぜ更年期は太りやすくなるのか？ホルモンと代謝の関係

更年期は、卵巣の機能が低下し、女性ホルモン（エストロゲン）の分泌が急激に減少する時期です。
エストロゲンには、脂肪の代謝を助けたり、筋肉の減少を防いだりする働きがあるため、このホルモンが減ることで脂肪がたまりやすくなるといわれています。

また、エストロゲンの低下によって以下のような変化が起こります。

• 基礎代謝が落ち、1日の消費カロリーが減る
• 内臓脂肪がつきやすくなり、見た目の変化が目立つ
• 自律神経が乱れ、食欲や睡眠のリズムに影響する
• 筋肉量が減少し、脂肪が燃えにくくなる

これらの変化は誰にでも起こりうるものですが、それに気づかず以前と同じ生活を続けていると、あっという間に体重が増加してしまうことになります。

更年期太りを招く“NG生活習慣”とは？

では、実際に更年期太りを悪化させる生活習慣にはどのようなものがあるのでしょうか。
以下は専門医が警告する、特に注意すべき3つのNG習慣です。

■ 1.「今まで通り」に食べる・動かない

「食べる量は変えていないのに太る」
この感覚を持つ人は多いですが、実はここに落とし穴があります。
加齢とともに基礎代謝は下がるため、以前と同じ食事量・運動量では確実に太りやすくなるのです。

【見直しポイント】
炭水化物や脂質の量を控えめにし、タンパク質や食物繊維を意識的に増やす。
1日20分でも良いので、ウォーキングやストレッチなどの運動習慣を取り入れましょう。

■ 2. 夜遅くの食事・間食の習慣

忙しさやストレスから、「夕食が21時以降になる」「寝る前に甘いものをつまむ」など、夜遅くの飲食が常態化している人も多いのではないでしょうか。

夜はエネルギー消費が少ないうえ、脂肪を蓄積しやすい時間帯。
特に更年期は血糖値や脂質代謝が乱れやすく夜遅くの飲食は体重増加に直結するので、もしやってたら今すぐやめてください。

【見直しポイント】
夕食はできれば就寝の3時間前までに。どうしても遅くなる日は、量を軽めにするなどの工夫をしましょう。

■ 3. ストレスを「食」で解消している

更年期はホルモンの影響によりイライラや不安感が出やすくなります。
その解消法として「甘いもの」「ジャンクフード」など、高カロリーな“ごほうび食”に走ってしまう人は要注意。

一時的に気分は上がりますが、血糖値の乱高下により食欲がコントロールできなくなる可能性があります。

【見直しポイント】
ストレスは「運動」「深呼吸」「人と話す」など、食べ物以外の方法で発散できる手段を見つけましょう。

更年期太りは「気づいたときが対策のチャンス」

更年期太りは、体の変化を無視して“以前と同じ生活”を続けてしまうことで進行していきます。
しかし、生活習慣を少しずつ見直すことで、無理なく体型をキープすることも十分可能です。

今日から始めたい見直しチェックリスト：

• 1日3食、栄養バランスの取れた食事を心がけている
• 夕食は就寝の3時間前までに済ませている
• 毎日20～30分の運動を取り入れている
• ストレスの対処法が「食べる」以外にもある
• 自分の体型・体調の変化に気づく習慣がある

更年期は人生の大きな節目でもありますが、体を見直すチャンスでもある時期です。
年齢のせいにせず、自分の体と丁寧に向き合うことで、心も体も軽やかな毎日を目指しましょう。

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監修者：浅草橋西口クリニックMo 頴川 博芸

静岡県沼津市出身。日本大学医学部中退、東海大学医学部卒業、順天堂大学大学院医学研究科修了。順天堂大学医学部附属静岡病院で初期臨床研修修了後、順天堂大学医学部附属順天堂医院、越谷市立病院、順天堂大学医学部附属練馬病院などを経て現在は浅草橋西口クリニックMo院長、順天堂大学医学部附属順天堂医院食道・胃外科非常勤助手。資格は日本専門医機構外科専門医、日本温泉気候物理医学会温泉療法医、日本医師会認定産業医など。趣味は旅行。