1. トップ
  2. 医師「意識的に減らして」→実は『更年期』症状を悪化させる…意外な“飲み物のNG習慣”とは?【医師が解説】

医師「意識的に減らして」→実は『更年期』症状を悪化させる…意外な“飲み物のNG習慣”とは?【医師が解説】

  • 2025.5.8
undefined
出典:photoAC(※画像はイメージです)

40代後半から50代前半にかけて多くの女性が直面する「更年期」。加齢とともに卵巣の機能が低下し、女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が減少することで、自律神経の乱れやホットフラッシュ、めまい、イライラ、倦怠感など、さまざまな不調が現れます。こうした体調の変化に戸惑いながらも、仕事や家事、育児など、日常生活をこなす女性は少なくありません。

「年齢的に仕方がない」と我慢を重ねる一方で、実は無意識のうちに“更年期症状を悪化させる習慣”を続けてしまっている可能性があるのです。
専門医の見解をもとに、更年期の不調を悪化させかねない“意外な生活習慣”について解説します。

更年期の不調を悪化させる「カフェイン過多」

更年期の不調を抱える人にとって、日常的な「コーヒー」や「エナジードリンク」の摂取が症状を悪化させる可能性があることをご存知でしょうか。

カフェインは交感神経を刺激し、眠気を覚ます作用がありますが、更年期に特有の“自律神経の乱れ”をさらに悪化させてしまうリスクがあるのです。

また、ホットフラッシュ(突然のほてりや発汗)や不眠、動悸などの症状を抱えている女性が、気分転換や眠気覚ましとしてカフェインを多く摂取してしまうと、かえって症状を強めてしまうケースもあります。

「1日3杯以上のコーヒーを飲んでいる」「夜遅くにもカフェイン入りの飲料を飲んでしまう」という方は、意識的に減らすことが体調改善の一歩になるかもしれません。

意外と見落としがちな「冷えの悪化」

undefined
出典:photoAC(※画像はイメージです)

更年期の体調管理において見落とされがちなのが「冷え」の存在です。

年齢とともに筋肉量が減少し、基礎代謝が落ちることで、女性は冷えやすくなります。

たとえば、真夏でも冷たい飲み物を頻繁に摂取している、シャワーだけで済ませている、エアコンの効いた部屋で長時間過ごしている――こうした習慣が知らず知らずのうちに体を冷やし、更年期特有の「関節痛」「頭痛」「しびれ感」を強めている可能性があります。

冷え対策としては、なるべく湯船に浸かる、常温以上の飲み物を心がける、足首やお腹を冷やさないといった基本的なケアが有効です。

無意識の生活習慣こそ見直しを

更年期は女性にとって避けて通れない時期ですが、「どう乗り切るか」はその人の生活習慣によって大きく変わります。カフェインの過剰摂取や冷えの放置といった“意外な落とし穴”は、多くの女性が陥りがちなポイントです。

自分の習慣を振り返ってみて、「知らず知らずに症状を悪化させていないか」を見直すことが、つらい不調をやわらげる近道になります。

症状がつらい場合は、婦人科や女性外来のある医療機関を受診し、ホルモン補充療法(HRT)や漢方、生活指導などを受けるのも有効です。「我慢するしかない」と思い込まず、医療の力も借りながら、心と体を整えていきましょう。


監修:浅草橋西口クリニックMo 頴川 博芸

静岡県沼津市出身。日本大学医学部中退、東海大学医学部卒業、順天堂大学大学院医学研究科修了。順天堂大学医学部附属静岡病院で初期臨床研修修了後、順天堂大学医学部附属順天堂医院、越谷市立病院、順天堂大学医学部附属練馬病院などを経て現在は浅草橋西口クリニックMo院長、順天堂大学医学部附属順天堂医院食道・胃外科非常勤助手。資格は日本専門医機構外科専門医、日本温泉気候物理医学会温泉療法医、日本医師会認定産業医など。趣味は旅行。