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更年期が『軽い人』『長引く人』驚くべき違いって?!→悪化する人がやりがち…NG習慣とは?【医師が解説】

  • 2025.5.6
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

「イライラする」「なんとなく体が重い」「疲れが抜けにくい」――40代以降の女性に多くみられるこうした不調。もしかすると、それは“更年期”に関係しているかもしれません。

更年期とは、女性ホルモンのひとつであるエストロゲンが急激に減少することで、心身にさまざまな不調が現れる時期のこと。
多くの人が経験するものですが、実は生活習慣次第でそのつらさが“軽くなる”人と“長引く”人に分かれることがわかっています。

今回は、更年期の不調を長引かせる「やりがちなNG習慣」と、その理由、今日からできる具体的な対策について医師の視点から解説します。

更年期の不調とは?ホルモンバランスの変化がカギに

更年期は一般的に、閉経を挟んだ前後5年ずつの計10年間(およそ45歳~55歳)を指します。
この時期には、卵巣の機能が徐々に低下し、エストロゲンの分泌量が急激に減少します。

エストロゲンは、女性の健康を支える重要なホルモン。
自律神経や血流、骨の代謝、コレステロールの調整、皮膚や粘膜のうるおいなど、多くの機能に関わっているため、その変動によって以下のような症状が起こりやすくなります。

  • のぼせ、ほてり(ホットフラッシュ)
  • 発汗や動悸
  • 疲労感、だるさ
  • イライラや気分の落ち込み
  • 不眠、集中力の低下
  • 関節痛、筋肉のこわばり

しかしこれらの不調は、「年齢のせいだから仕方ない」と放置したり、知らず知らずのうちに悪化させてしまう習慣を続けていることで、症状が長引いてしまうケースも少なくありません。

更年期の不調を悪化させる“やりがちなNG習慣”とは?

では、更年期の不調を長引かせる原因となるNG習慣には、どのようなものがあるのでしょうか。
医師が注意を呼びかける、代表的な生活習慣を3つご紹介します。

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

■ 1. 睡眠時間を後回しにしている

更年期の不調には、自律神経の乱れが大きく関係しています。
この自律神経を整えるために欠かせないのが「質の良い睡眠」。
ところが、仕事や家事に追われ、「眠れなくても大丈夫」「ちょっとの睡眠でも我慢すればいい」と後回しにしてしまう人が多いのです。

睡眠不足が続くと、交感神経が優位な状態が長引き、ほてり・動悸・情緒不安定などの症状が悪化しやすくなります。

毎日6~7時間は睡眠を確保することが理想。就寝1時間前はスマホやテレビを控え、リラックスできる環境をつくりましょう。

■ 2. 運動不足・体を動かさない生活

疲れやすさやだるさから、「更年期は安静にしていたほうがいい」と思い込み、体を動かさない生活になってしまうことも、かえって逆効果です。

運動不足は血流の悪化、代謝の低下、自律神経の乱れを招きやすく、筋力や骨密度の低下、うつ症状の悪化につながることもあります。ウォーキングやストレッチなど、無理のない範囲で体を動かす習慣をつけましょう。
週3回、1回20~30分の軽い有酸素運動が効果的です。

■ 3. 甘いもの・カフェイン・アルコールに頼る

イライラや不安感から、甘いお菓子やコーヒー、お酒に手が伸びることもあります。
一時的に気分が和らぐように思えますが、これらは血糖値やホルモンのバランスに影響を与えやすく、かえって不調を招くリスクがあります。

特にカフェインやアルコールは睡眠の質を低下させ、自律神経の切り替えを乱す原因にもなります。甘いものやカフェインの摂取量は控えめに。代わりに、ハーブティーやナッツ・フルーツなど、体にやさしい選択肢を取り入れましょう。

更年期の不調は「自分で整える習慣」で軽くできる

更年期の不調は誰にでも起こりうる自然な変化ですが、生活習慣次第で軽くすることも、長引かせることもできます。
「年齢のせいだから」とあきらめず、毎日の行動を見直すことで、心と体のバランスを整えることができるのです。

更年期を乗り切るための見直しチェックリスト:

  • 毎晩6~7時間の睡眠をとっている
  • スマホやテレビを控えてリラックスしてから就寝している
  • 軽い運動を週に数回取り入れている
  • 甘いもの・カフェイン・アルコールの摂取は控えめにしている
  • ストレスをためこまず、自分の時間を意識して確保している

体にやさしいリズムをつくることが、更年期を健やかに乗り越えるカギです。
できることからひとつずつ。今日から生活を整えて、軽やかな毎日を取り戻しましょう。


監修者:浅草橋西口クリニックMo 頴川 博芸

静岡県沼津市出身。日本大学医学部中退、東海大学医学部卒業、順天堂大学大学院医学研究科修了。順天堂大学医学部附属静岡病院で初期臨床研修修了後、順天堂大学医学部附属順天堂医院、越谷市立病院、順天堂大学医学部附属練馬病院などを経て現在は浅草橋西口クリニックMo院長、順天堂大学医学部附属順天堂医院食道・胃外科非常勤助手。資格は日本専門医機構外科専門医、日本温泉気候物理医学会温泉療法医、日本医師会認定産業医など。趣味は旅行。