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医師「使用は避けて」→ 『白髪』が進行するリスクが高まる…意外とやりがちな“NGケア法”とは?【医師の解説】

  • 2025.5.17
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

白髪を見つけると、多くの方がすぐに「染めよう!」と思うかもしれません。白髪染めは、手軽に若々しい見た目を取り戻す方法として人気がありますが、実はその裏には思わぬ落とし穴が潜んでいるのです。

今回は、医師が解説する、白髪を隠す際に避けたい意外な行動についてお話しします。意外と見過ごされがちなポイントを知って、美しい髪を保ちましょう。

白髪染めやヘアカラーの使用には注意が必要

まず多くの人が試みるのが、市販の白髪染め商品を使って自宅で手軽にケアする方法です。

しかし、ここで注意が必要なのが、頻繁なヘアカラーの使用。

知らず知らずのうちに、髪や頭皮に大きな負担がかかってしまいます。また、頻繁に染めることで、髪が乾燥しやすくなる場合があり、これにより髪や頭皮のトラブルを引き起こす可能性があります。また、乾燥によって白髪が増える可能性も指摘されているため、悪循環に繋がる可能性も。

カラー剤や白髪染めに使われる染料には化学物質が含まれているため、自分の肌や体質に合わない場合はトラブルを引き起こすこともあります。1つの例として挙げられるのがジアミンアレルギーです。「パラフェニレンジアミン」「トルエン-2,5-ジアミン」などの「ジアミン」と呼ばれる染料が原因のアレルギーのことをこう呼んでいます。

カラーをした翌日以降も「かゆみ」や「ぶつぶつ」などが続くようならアレルギーの疑いがあります。頭皮や耳などに症状が出ることもあり、赤くなって腫れてしまう場合も。こういった症状がでた場合はすぐに医師に相談しましょう。

また、カラー剤や白髪染めには「ジアミン」以外の染料も含まれていて、ジアミン以外の染料でもアレルギーが発症する場合は往々にしてあります。アレルギーは今まで問題なく使用していても、ある日突然症状が現れる場合があるため、注意が必要です。

便利なヘアウィッグも要注意

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出典:photoAC(※画像はイメージです)

ヘアウィッグは、白髪染めなどを使用しなくても手軽に白髪を隠してくれるアイテムです。髪全体を覆うものから、部分的に装着できるものなど、さまざまな種類のものが販売されています。

しかし、頭皮は皮脂分泌が特に活発な部位のため、ヘアウィッグで頭皮を覆うことで、蒸れやすくなったり、皮脂が過剰に分泌される可能性があります。皮脂が過剰に発生してしまうと、雑菌の繁殖を促進し、頭皮の環境を悪化させる原因になることもあります。

また、つけ外しの際に髪に負担が増え、薄毛の原因となる場合もあります。

近年販売されているウィッグは通気性に優れたものも多いですが、長時間装着をしない・装着後は頭皮もウィッグも清潔な状態にしておくなどを心がけましょう。

白髪を隠さない方法も

白髪を隠そうとすると、髪や頭皮に負担を与えてしまう可能性があります。最近ではあえて白髪を隠さない「グレイヘア」が話題となっています。

白髪を活かしたヘアスタイルもたくさん提案されています。レイヤーカットを加えたり、ロングからショートにするだけでも白髪をより自然に美しくみせることができます。頭頂部の白髪が気になるなど、部分的に気になる場合は分け目を変えたりするだけでも白髪が目立ちにくくなる場合もあります。

また、アイテムの使用やヘアスタイルの変化だけでなく、日々の食生活や生活習慣をを見直し、白髪の進行を遅らせたり改善することも重要です。白髪予防に欠かせない栄養素(鉄、亜鉛、ビタミンB群、銅、チロシンなど)が不足すると、メラニン合成が滞りやすくなり、白髪が進行するリスクが高まります。対策として毎食バランスを意識し、赤身肉、魚、大豆製品、緑黄色野菜などを積極的に取り入れましょう。

白髪ケアは無理のない方法で

白髪を隠すための方法にはさまざまな選択肢がありますが、無理をしたり自己流に走ることは、髪や頭皮にとって大きなリスクを伴うことも。無理に隠すのではなく、ありのままのスタイルを取り入れる「グレイヘア」などの選択肢もあります。

これからも自分の髪とじっくり向き合い、安全で効果的な方法を取り入れていきましょう。


監修:林 瑠加
慶應義塾大学形成外科学教室に約10年間在籍し、一般形成外科、小児、再建分野を幅広く担当。慶應義塾大学大学院医学研究科では毛髪再生の研究に取り組み、医学博士を取得。2015年からは4年半、カンボジアに居住し現地での臨床にも従事した。帰国後は形成外科に加え皮膚科、美容皮膚科の経験を積み、2024年11月に品川区西五反田に「LIKKAスキンクリニック」を開業。患者様の身近なお悩みに対応すべく、保険・自由診療双方からのアプローチで診療を行っている。形成外科専門医、抗加齢医学会専門医、臨床毛髪学会評議員。