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『白髪は抜くと増える』ってホント?!→医師が教える、“驚きの真相”と正しいケア法とは【医師が解説】

  • 2025.5.5
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

白髪を見つけると抜きたくなるのは自然なことかもしれません。
しかし、医学的には“白髪を抜く”ことは推奨されておらず、むしろリスクを伴う行為であることがわかっています。

この記事では、専門家の知見をもとに「白髪を抜くことで起こるリスク」とその理由、そして代わりにできる正しい白髪ケアについて詳しく解説します。

白髪を「抜く」と何が起きるのか?毛根と頭皮へのダメージ

髪の毛は、毛根にある毛母細胞とメラノサイト(色素細胞)が連携しながら成長・色付けされます。
白髪は、このメラノサイトの働きが弱まり、メラニン色素が作られなくなることで発生します。

一度白髪になった毛は、基本的には黒髪には戻りません。
しかし、問題は「白髪を抜く」という行為そのものにあります。
以下のような毛根および頭皮への悪影響が指摘されています。

■ 毛根や毛包の損傷

無理に毛を引き抜くと、毛根やその周囲の「毛包」という組織にダメージが加わります。
これが繰り返されると、毛が生えてこなくなったり、細くなってしまうこともあるのです。

■ 炎症・色素沈着

抜いた毛穴に炎症が起きると、かさぶたができたり、色素沈着による黒ずみが残るケースもあります。
特に前髪や分け目など、目立つ部分での繰り返しは避けるべきです。

■ 毛穴の変形

引き抜いた刺激によって毛穴の形が変わると、次に生えてくる毛がうねったり、埋没毛(埋もれ毛)になって炎症を起こすことも。

これらの問題はすぐには表れにくいため、「少しくらいなら大丈夫」と思って繰り返してしまう人が多いのが現実です。

よくある誤解と、「抜く」以外の正しい白髪ケア方法

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

■ 「抜くと白髪が増える」はウソ?

「白髪を抜くと増える」とよく言われますが、これは正確には間違いです。
白髪が増えるのは、メラノサイトの働きが全体的に低下するためであり、抜いたから白髪が“感染”するように増えるわけではありません。

とはいえ、前述のように抜くことで毛根にダメージを与えれば、その部分の毛が生えにくくなる、地肌が目立つようになるなど、別の問題を引き起こすことになります。

■ 白髪は「切る」または「染める」が基本

白髪を見つけたら、抜くのではなく根元からハサミで切るのが最も安全です。
また、白髪が増えてきた場合は、リタッチ(根元のみのカラー)やトリートメントタイプの白髪染めを活用することで、頭皮に負担をかけずにケアが可能です。

■ 頭皮ケアで白髪の進行を緩やかに

白髪の完全な予防は難しいものの、頭皮の血流を改善し、酸化ストレスを軽減することで進行を遅らせる可能性があると考えられています。
頭皮マッサージや適度な運動、バランスの良い食事、質の良い睡眠は、メラノサイトの健康維持にもつながります。

白髪は「抜く」より「守る」ケアを。毛根へのダメージは将来の後悔につながるかも

白髪を抜くという行為は一見無害に思えるかもしれませんが、毛根や頭皮にとっては小さなトラブルの元になりかねない危険な習慣です。

髪の健康は、地肌と毛根の健康があってこそ。
白髪に気づいたときこそ、「抜く」のではなく「いたわる」ケアへ切り替えることが、未来の髪を守る第一歩になります。

今日からできる白髪との向き合い方

  • 白髪は絶対に抜かず、根元から切る
  • 白髪染めは頭皮に負担の少ない方法を選ぶ
  • 頭皮マッサージで血流を促進
  • ビタミン・ミネラル・タンパク質をしっかり摂取
  • 睡眠・ストレス管理を意識して生活を整える

白髪は“老化”のサインであると同時に、“ケアの質”を見直すサインでもあります。
焦らず丁寧に、髪と頭皮をいたわる生活を始めてみましょう。


監修者:浅草橋西口クリニックMo 頴川 博芸

静岡県沼津市出身。日本大学医学部中退、東海大学医学部卒業、順天堂大学大学院医学研究科修了。順天堂大学医学部附属静岡病院で初期臨床研修修了後、順天堂大学医学部附属順天堂医院、越谷市立病院、順天堂大学医学部附属練馬病院などを経て現在は浅草橋西口クリニックMo院長、順天堂大学医学部附属順天堂医院食道・胃外科非常勤助手。資格は日本専門医機構外科専門医、日本温泉気候物理医学会温泉療法医、日本医師会認定産業医など。趣味は旅行。