医師「放っておくと悪化する」→中高年に増える『尿もれ』の悩み…５分で改善できる“意外な対策”とは？【医師が解説】

2025.4.15

尿もれは多くの人が抱える悩みの一つですが、その悩みを持つ人の数は予想以上に多いことをご存じでしょうか。実は、その原因や対策についてあまり知られていないことが多いのが現実です。特に、女性に多いとされていますが、男性でも症状を感じている人は少なくありません。今回は、尿もれが起こる意外な理由と、今すぐできる対策について解説します。

尿もれが起こる意外な理由

尿もれの原因は様々で、思いもよらないところに隠れていることがあります。ここでは、意外に知られていない尿もれの原因と、それに対する有効な対策について詳しく見ていきましょう。

1. 骨盤底筋の脆弱化
尿もれの最も一般的な原因の一つが、骨盤底筋の脆弱化です。特に、出産を経験した女性や加齢による筋力低下が原因で、膀胱を支える骨盤底筋群が弱くなると、尿をきちんとコントロールできなくなります。しかし、この原因は実は多くの人が見落としがちです。骨盤底筋群は、日常的に意識して鍛えることが少ないため、弱まりやすい部分です。骨盤底筋を鍛えれば、尿漏れの予防や改善が期待できるため、筋力を意識的に高めることが重要です。

2. 生活習慣の乱れ
また、生活習慣も尿もれに大きな影響を与える原因となります。例えば、過剰な体重や便秘、長時間座ったままの姿勢など、膀胱に負担をかける生活をしていると、尿漏れを引き起こしやすくなります。体重が増えることで骨盤にかかる圧力が増し、膀胱に余計な負担がかかるのです。さらに、便秘が続くと、腸の中に溜まった便が膀胱を圧迫し、尿漏れの原因となることもあります。このように、生活習慣の改善は尿もれの予防において非常に重要な役割を果たします。

今すぐできる尿もれ対策

生活習慣や骨盤底筋の脆弱化などが原因となる尿もれ。しかし、これらは意識的に改善できる部分が多くあります。次に、尿もれを改善するための具体的な対策について見ていきましょう。

1. 骨盤底筋トレーニング
骨盤底筋群を鍛えることで、尿もれを改善することができます。最も効果的な方法の一つが、ケーゲル体操です。これは、排尿中に尿を止める動作を繰り返すことで、骨盤底筋を強化する方法です。1回のエクササイズで10秒間力を入れて、10回繰り返すことを1セットとして、1日3セット行うのが理想です。ケーゲル体操は、どこでも簡単にできるため、日常生活に取り入れやすく、効果を実感しやすい方法です。

2. 生活習慣の見直しと体重管理
体重の管理も尿もれ改善には欠かせません。過剰な体重は膀胱にかかる負担を増やし、尿漏れを悪化させる要因になります。バランスの取れた食事と適度な運動を心がけ、体重を適正に保つことが重要です。また、便秘を解消するために食物繊維を多く含む食事を摂り、便通をスムーズにすることも大切です。定期的な運動を行うことで、骨盤底筋群を自然に鍛えることもできるため、ウォーキングやストレッチも効果的です。

尿もれは、放っておくと悪化する可能性がありますが、早期に対策を講じることで改善できることが多いです。

生活習慣の見直しや簡単なトレーニングを取り入れるだけで、症状の軽減が期待できます。

まとめ

尿もれは、多くの女性が悩んでいる問題であり、その原因は骨盤底筋群の脆弱化や生活習慣にあります。

しかし、これらの原因を改善するためにできることは多くあります。まず、骨盤底筋を鍛えるためのケーゲル体操を取り入れることが有効です。さらに、生活習慣を見直し、体重管理や便秘解消に努めることで、尿もれを予防・改善することが可能です。

尿もれを軽視せず、早期に対策を講じることで、快適な生活を取り戻すことができます。日々の生活に取り入れることで、尿もれの症状を和らげるための第一歩を踏み出しましょう。

監修者：腎・泌尿器科おおねクリニック大嶺卓司