医師「なるべく避けてください」→ かえって『歯の黄ばみ』を悪化させる…意外とやりがちな“NG習慣”とは？【医師が解説】

「歯の色が気になる」「なんとなく顔が老けた気がする」そんな違和感、実は“歯の黄ばみ”が原因かもしれません。

白くて清潔感のある歯は、顔全体の印象を若々しく見せる一方、黄ばんだ歯は見た目年齢を一気に引き上げてしまうことがあります。
実際、歯科医の間では「歯の色が変わるだけで見た目年齢が5歳以上変わって見える」と言われるほど、歯の白さは美容面でも重要なポイントです。

この記事では、歯の黄ばみが起こるメカニズムと、それを悪化させる“意外な習慣”、さらに今日から始められる予防・改善策を詳しく解説します。

歯が黄ばむ原因とは？着色と加齢の2つのメカニズム

歯が黄ばむ原因には、大きく分けて2種類あります。

■ 外因性の着色（ステイン）

外因性とは、食べ物や飲み物、タバコなどの外的要因によって歯の表面に色素が沈着するものです。
特に着色しやすいものとして知られるのが以下の食品や嗜好品です。

• コーヒー・紅茶・赤ワイン
• カレー・ミートソース・チョコレート
• 喫煙（タール成分による着色）

これらの色素は、歯の表面にある「ペリクル」と呼ばれる薄い膜に付着しやすく、そのまま放置すると歯の表層に沈着して黄ばみの原因になります。

■ 内因性の変色（加齢や生活習慣によるもの）

もうひとつは、加齢や生活習慣によって歯の内側（象牙質）の色が濃くなることで、歯全体が黄ばんで見えるという現象です。
年齢を重ねるとエナメル質（表層）が徐々にすり減り、内側の黄色っぽい象牙質が透けて見えるようになるため、定期的にホワイトニングなどのケアをしないと、年齢とともに黄ばみは進行します。

意外とやっている？黄ばみを悪化させるNG習慣

歯の黄ばみを加速させる原因は、コーヒーやタバコだけではありません。
日常生活にひそむ“意外な習慣”にも注意が必要です。

■ NG習慣1：歯を強く磨きすぎる

「黄ばみを落としたい」と思って強くブラッシングするのは逆効果なので、なるべく避けてください。
歯の表面を覆うエナメル質を削ってしまい、象牙質の色が透けやすくなることで、かえって黄ばみが目立つようになります。

■ NG習慣2：歯みがき直後のうがいのしすぎ

フッ素配合の歯みがき粉を使っても、その後に何度も強くうがいをすると、有効成分が流れ落ちてしまうことがあります。
歯の再石灰化がうまく働かず、着色が残りやすくなる原因にもなります。

■ NG習慣3：間食の頻度が多い

食事や間食のたびに口内が酸性に傾くと、エナメル質が溶けやすくなり、着色物質が沈着しやすい環境になります。
甘いものや酸っぱいものをこまめに口にする習慣がある人は、歯の着色が進行しやすい傾向にあります。

■ NG習慣4：マウスウォッシュの使いすぎ

抗菌力の高いマウスウォッシュには、長期使用で歯に色素沈着を起こす成分（クロルヘキシジンや塩化セチルピリジニウムなど）が含まれていることがあります。

殺菌目的で使う際は、成分や使用頻度にも気をつけることが大切です。

歯の白さは“見た目年齢”を左右する。毎日の意識が未来の印象を変える

歯の黄ばみは、「ちょっとした生活習慣の積み重ね」で着実に進行します。
しかも、一度沈着した着色や象牙質の変色は、自然には戻りにくいため、早めの対策が重要です。

今日から始めたい黄ばみ予防のポイントは以下のとおりです。

• コーヒーやワインを飲んだ後は水で口をゆすぐ
• 歯みがきは力を入れすぎず、やさしく時間をかけて行う
• フッ素配合の歯みがき粉は、うがいを1回だけにとどめる
• 間食は時間を決めて、だらだら食べを避ける
• 歯科での定期クリーニングやホワイトニングを検討する

歯が白いだけで顔全体が明るく見え、「清潔感」や「若々しさ」の印象もアップします。
反対に、どれだけ肌や髪を整えていても、歯の黄ばみひとつで老けて見えることも。

「見た目年齢が5歳変わる」と言われる歯の色、まずは今日の習慣から見直してみませんか？

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監修者：まつむら⻭科クリニック 院⻑ 松村賢（まつむら・けん）

「いつまでもおいしく食べる」をモットーに、2015（平成27）年に地元である宮城県大崎市に「まつむら歯科クリニック」を開院。歯周病治療などの予防歯科を中心とし、保険診療・審美歯科・ホワイトニング・インプラント・義歯（入れ歯）・摂食嚥下リハビリテーション・訪問診療など、幅広い診療を行っている。
<経歴>
奥羽大学⻭学部卒業(医師免許取得)
東北大学大学院⻭学研究科博士課程修了(⻭学博士)
仙台市内⻭科クリニック 分院⻑
まつむら⻭科クリニック開院