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医師「絶対に避けてください」→実は放置すると危険かも…『肩や首の凝り』に潜む “意外な落とし穴”とは?【医師が解説】

  • 2025.4.22
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

「肩こりや首のこりがひどい」「頭が重くて集中できない」こうした症状に悩んでいても、「疲れているだけ」と思っていませんか?

実はその不調、ストレートネックが原因かもしれません。

スマートフォンやパソコンの長時間使用により、首の自然なカーブが失われた「ストレートネック」は、現代人に急増している姿勢トラブルのひとつです。一見、首や肩の問題に思えますが、“首が凝っているだけ”と放置するのは絶対に避けてください。思わぬ不調につながる恐れがあります。

この記事では、ストレートネックの基礎知識と、体全体に及ぶ意外な影響、そして予防と改善に向けた実践的な対策を解説します。

ストレートネックとは?首の構造と姿勢の乱れによる負荷

首の骨(頸椎)は、通常前方に向かってゆるやかにカーブしており、このカーブによって頭の重み(約5〜6キログラム)がうまく分散され、首や肩の筋肉への負担が軽減されます。

しかし、スマートフォンを長時間見下ろす姿勢や、パソコン作業中の猫背・うつむき姿勢が続くと、このカーブが失われて頸椎がまっすぐな状態(ストレートネック)になってしまいます。

この状態になると、首や肩の筋肉が緊張しやすくなり、血行不良や神経への圧迫が起こりやすくなります。その結果として、

  • 慢性的な肩こり・首こり
  • 頭痛、後頭部の重だるさ
  • 手や腕のしびれ
  • 首の可動域の低下、違和感

といった局所的な症状が現れるようになります。

しかし問題はそれだけにとどまりません。ストレートネックによる負荷や神経への影響が、体全体の機能にも影響を及ぼす可能性があるのです。

ストレートネックが招く“意外な不調”とは?

ストレートネックが慢性化すると、頸椎周囲の神経や血管、自律神経の働きにまで影響が及び、一見首とは関係なさそうな不調を引き起こすことがあります。

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

■ 自律神経の乱れ

首の周辺には自律神経が集中しており、頸椎のゆがみや筋肉の緊張によってそのバランスが崩れると、以下のような症状が現れやすくなります。

  • 動悸、息苦しさ
  • 倦怠感、無気力
  • 睡眠の質の低下(浅い眠り・中途覚醒)
  • 冷え、ほてり

■ めまい・ふらつき・耳鳴り

首の筋肉が硬くなることで血流が悪化し、脳や内耳に十分な血液が届かなくなると、平衡感覚が乱れることがあります。
これにより、慢性的なめまいやふらつき、耳鳴りを感じる人もいます。

■ 消化不良・便秘

自律神経の乱れは、消化器系にも影響を及ぼします。副交感神経が働きにくくなることで胃腸の働きが弱まり、便秘や胃もたれ、食欲不振などが起きることも。

■ 呼吸が浅くなる

前かがみ姿勢が習慣化すると胸郭が圧迫され、自然と呼吸が浅くなります。酸素が十分に取り込めなくなり、疲労感や集中力低下にもつながるとされています。

これらの症状は、他の病気とも共通するため見逃されがちですが、原因が首の姿勢にある場合は「首を整える」ことで改善する可能性があるのです。

「首だけの問題」ではない。ストレートネックは全身の不調の引き金に

ストレートネックは、ただの肩こりや姿勢の問題ではなく、全身に悪影響を及ぼしかねない“身体の土台のゆがみ”です。
とくに、日常的にスマホやパソコンを使う人は、知らず知らずのうちに首への負担が蓄積されている可能性があります。

今日からできるセルフケアのポイントは以下の通りです:

  • スマホは目線の高さに持ち上げる(下を向かない)
  • パソコン画面の上端が目線の高さになるよう調整する
  • 枕は高すぎず、首のカーブを自然に保てる高さに見直す
  • 1時間に1回は画面から目を離し、首をゆっくり回す
  • 肩甲骨を寄せるストレッチや、胸を開く姿勢を意識する

首のカーブは、全身の健康を支える大切な構造のひとつ。
「少し首が疲れているだけ」と放置せず、早めの対応が“全身の快適さ”につながることを覚えておきましょう。


監修者:浅草橋西口クリニックMo 頴川 博芸

静岡県沼津市出身。日本大学医学部中退、東海大学医学部卒業、順天堂大学大学院医学研究科修了。順天堂大学医学部附属静岡病院で初期臨床研修修了後、順天堂大学医学部附属順天堂医院、越谷市立病院、順天堂大学医学部附属練馬病院などを経て現在は浅草橋西口クリニックMo院長、順天堂大学医学部附属順天堂医院食道・胃外科非常勤助手。資格は日本専門医機構外科専門医、日本温泉気候物理医学会温泉療法医、日本医師会認定産業医など。趣味は旅行。