1. トップ
  2. 医師「老化が通常より早まる」→ 実は『ストレートネック』を悪化させる…意外な“4つのNG習慣”とは?【医師が解説】

医師「老化が通常より早まる」→ 実は『ストレートネック』を悪化させる…意外な“4つのNG習慣”とは?【医師が解説】

  • 2025.4.28
undefined
出典元:photoAC(※画像はイメージです)

「肩こりがひどい」「首が痛くて動かしづらい」「頭痛やめまいが続く」――
こうした症状の背景に、首のカーブが失われた“ストレートネック”が潜んでいるケースが近年増えています。
ストレートネックとは、本来カーブを描くはずの頸椎(首の骨)がまっすぐになってしまった状態のことで、スマートフォンやパソコンの長時間使用などによる悪姿勢が主な原因です。
放置すると首の筋肉や椎間板、関節に過剰な負担がかかり、首の老化が通常より早まる可能性があると指摘されています。

今回は、ストレートネックを悪化させやすい“NG習慣”と、それを防ぐために今日からできる正しいケアについて、整形外科的な観点から解説します。

ストレートネックとは?首の自然なカーブが失われるメカニズム

人間の首は、緩やかに前にカーブした「生理的前弯(ぜんわん)」と呼ばれる形状をしています。このカーブがあることで、頭の重さ(約4〜6キログラム)を分散し、首や肩にかかる負担を和らげています。

しかし、長時間のスマホ操作や、うつむいた姿勢での作業が続くと、頸椎の前弯が徐々に失われ、首がまっすぐに近い状態(ストレートネック)になってしまうのです。

この状態が続くことで、

  • 首や肩の筋肉が常に緊張し、慢性的なこりや痛みが起きる
  • 頭の重みが首にダイレクトにかかり、椎間板が圧迫される
  • 頸椎の関節がすり減りやすくなり、「変形性頸椎症」など加齢性の疾患を早める
  • 神経の圧迫による手足のしびれや自律神経の乱れが出現することもある

といった症状につながる恐れがあります。

整形外科医が警鐘!ストレートネックを悪化させるNG習慣とは?

ストレートネックを進行させてしまう日常的なNG習慣には、以下のようなものがあります。

undefined
出典元:photoAC(※画像はイメージです)

■ 長時間のうつむき姿勢(スマホ・読書・編み物など)

スマートフォンを顔より下で操作することで、首が常に前傾する状態が続きます。この姿勢では、頭が肩より前に突き出てしまい、首の筋肉が酷使されるため、頸椎への負担が大きくなります。

■ 猫背・巻き肩姿勢でのデスクワーク

背中が丸まり、肩が内側に入った姿勢では、頭が自然と前に出やすくなります。このとき首は重さを支えるために頑張り続けており、次第に本来のカーブが失われていきます。

■ 高すぎる枕で寝ている

睡眠時に首が前に折れ曲がった状態になると、頸椎が長時間不自然な角度に保たれ、回復するどころか疲労を蓄積してしまうことになります。起床時の首のこりや頭痛の原因になることもあります。

■ ストレッチ不足・筋力低下

首を支える筋肉(特に背中や体幹)を使う機会が少ないと、姿勢が崩れやすく、結果的にストレートネックを招きやすくなります。筋肉の柔軟性が落ちることで、より姿勢が固定化される悪循環も。

これらの習慣は、気づかないうちに毎日繰り返していることが多いため、「少しずつ姿勢が崩れていく」ことがストレートネックを助長しているのです。

“首の老化”を防ぐには、生活習慣と姿勢の見直しから

ストレートネックは、加齢によって自然に起こるものではありません。
多くは日常生活の中のクセや習慣によって発生し、それが頸椎の老化を早める引き金となっているのです。

今日からできる予防・改善のポイントは以下の通りです:

  • スマホはなるべく目の高さで操作し、うつむき時間を減らす
  • パソコンのモニターは目線の高さに調整する(台やスタンドを活用)
  • 猫背を防ぐため、椅子に深く腰かけて骨盤を立てる意識を持つ
  • 枕は首のカーブを自然に支える高さのものを選ぶ(仰向け時に首が水平になるのが理想)
  • 胸を開くストレッチや、肩甲骨を動かす運動を1日5分でも継続する

特にデスクワークやスマホを日常的に使う人ほど、「姿勢のクセ」によってストレートネックのリスクが高まります
首まわりの違和感や慢性的なこりがある場合は、まずは普段の姿勢や使用環境を見直すことが、何よりも大切です。

「その姿勢、首を老化させていませんか?」
今のうちに気づいて整えることが、5年後・10年後の首の健康を守ることにつながります。


監修者:浅草橋西口クリニックMo 頴川 博芸

静岡県沼津市出身。日本大学医学部中退、東海大学医学部卒業、順天堂大学大学院医学研究科修了。順天堂大学医学部附属静岡病院で初期臨床研修修了後、順天堂大学医学部附属順天堂医院、越谷市立病院、順天堂大学医学部附属練馬病院などを経て現在は浅草橋西口クリニックMo院長、順天堂大学医学部附属順天堂医院食道・胃外科非常勤助手。資格は日本専門医機構外科専門医、日本温泉気候物理医学会温泉療法医、日本医師会認定産業医など。趣味は旅行。