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医師「絶対に避けてください」→むしろ『肩こり』を悪化させている…やってはいけない“3つのNG習慣”とは?【医師が解説】

  • 2025.5.1
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

「スマホやパソコンを長く使っていたら、首が前に出てしまっている気がする」
「ストレッチをしているのに、首の痛みや肩こりが改善しない」――そんな人が増えています。

近年急増しているのが、“ストレートネック”と呼ばれる現代病とも言える姿勢の乱れです。
本来、ゆるやかなカーブを描くはずの頸椎(けいつい/首の骨)が、まっすぐに伸びてしまうことで、頭の重みが首や肩に過剰な負担をかけてしまう状態です。

改善のためにストレッチをしている人も多いですが、やり方を間違えると逆効果になることも少なくありません。
この記事では、ストレートネックの基本知識と、無理なく改善に導くための“本当に効く3ステップ”を解説します。

そもそもストレートネックとは?首と背中にかかる負担とは

ストレートネックとは、頸椎本来の前弯(自然なカーブ)が失われ、首がまっすぐ、または前方に突き出た姿勢になる状態を指します。
医学的には「頸椎の生理的前弯の消失」とされ、特にデスクワークやスマートフォンの使用が多い人に多く見られる症状です。

頭の重さは約4~6キログラムといわれていますが、頭が前に出れば出るほど、その重さを首と肩で支える力が必要になり、負担が大きくなります。
たとえば、頭が前に15度傾くだけで、首には約12キログラムの負荷がかかるとする研究報告もあります。

この状態が続くと以下のような不調が現れやすくなります。

  • 首や肩の慢性的なこりや痛み
  • 頭痛、眼精疲労、耳鳴り
  • 背中の張り、巻き肩、猫背の進行
  • 自律神経の乱れ、寝つきの悪さ

こうした背景から、「ただストレッチをすればいい」と考えるのではなく、本質的に姿勢を整えるアプローチが必要になるのです。

そのストレッチ、逆効果?やってはいけないNG習慣とは

ストレートネックを治そうとして、首を強く後ろに反らせるストレッチをしていませんか?
この行為は、筋肉や椎間板に無理な力がかかるため、むしろ痛みや症状を悪化させるリスクがあります。

以下は、ストレートネックの改善において避けたいNG習慣です。

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

■ NG1:首だけを反らすストレッチ

頭を後ろに倒すことで一時的に首が伸びた気になりますが、深層の筋肉が伸びきらないうえ、関節に過剰な負担がかかるため注意が必要です。

■ NG2:長時間のスマホ使用(いわゆる“スマホ首”)

スマートフォンを下を向いて見る姿勢が癖になると、首の前弯カーブが失われていくので絶対に避けてください。画面を見る位置を目線に近づけることが大切です。

■ NG3:枕が高すぎる・低すぎる

就寝中の首の角度も重要です。高すぎる枕は首を圧迫し、朝起きたときの首こり・肩こりの原因になります。

このようなNG習慣を避けつつ、正しいアプローチを行うことが、ストレートネック改善の基本になります。

ストレートネック改善に効く“本当に必要な3ステップ”

ストレートネックを改善するには、「姿勢の意識」「筋肉の調整」「正しい生活習慣」の3方向から取り組むことが効果的です。以下の3ステップで、日々の体の使い方を見直しましょう。

【ステップ1】胸と肩を開くストレッチを取り入れる

首よりもまず重要なのが、巻き肩や猫背を改善すること
胸の筋肉(大胸筋)や肩前部が縮こまっていると、首が自然に前へ出てしまいます。

【おすすめストレッチ】

  1. 両手を後ろで組み、胸を張る
  2. 肩甲骨を寄せるように意識し、20秒キープ
  3. これを1日3セット行う

【ステップ2】深層筋(インナーマッスル)を鍛える

首を支える深層筋(頸部の前面にある筋肉)を鍛えることで、頭の位置を安定させる効果があります。

【簡単エクササイズ】

  1. 仰向けで寝て、あごを軽く引く
  2. 後頭部を浮かさないようにしながら、首の前側に力を入れる
  3. 5秒キープして休む(10回×1日2セット)

【ステップ3】日常生活で「首を前に出さない」意識を持つ

スマートフォンやパソコンの位置を目線の高さに上げる、背もたれを使わず椅子に深く腰かけるなど、頭が肩の真上に乗る姿勢を意識しましょう。

あわせて、枕の高さや寝る姿勢も見直すことで、就寝中の姿勢崩れも防ぐことができます。

ストレートネックは、ただ首をほぐすだけでは根本改善につながりません。
身体全体のバランスと生活習慣を見直すことが、本当に効く改善法です。

「首が痛い」と感じたそのときが、姿勢改善を始めるチャンス。無理なく3ステップを続けて、正しい位置に頭を戻していきましょう。


監修者:浅草橋西口クリニックMo 頴川 博芸

静岡県沼津市出身。日本大学医学部中退、東海大学医学部卒業、順天堂大学大学院医学研究科修了。順天堂大学医学部附属静岡病院で初期臨床研修修了後、順天堂大学医学部附属順天堂医院、越谷市立病院、順天堂大学医学部附属練馬病院などを経て現在は浅草橋西口クリニックMo院長、順天堂大学医学部附属順天堂医院食道・胃外科非常勤助手。資格は日本専門医機構外科専門医、日本温泉気候物理医学会温泉療法医、日本医師会認定産業医など。趣味は旅行。