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医師「なるべく避けてください」→実は『肌荒れ』を悪化させている…日焼け止めの“間違ったNG使用方法”とは?【医師が解説】

  • 2025.4.22
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

「肌のために日焼け止めを毎日使っているのに、なぜか肌荒れがひどくなった」「日焼け止めを塗っているのに、乾燥や赤みが出る」そんな経験はありませんか?

紫外線対策の基本とされる日焼け止めですが、使い方を間違えると逆に肌トラブルを招くことがあります。
皮膚科でも、日焼け止めによるかぶれ・乾燥・ニキビなどの相談は決して少なくないのが現実です。

この記事では、日焼け止めによる肌荒れの意外な原因と、正しく使うためのポイントについて、皮膚科学的に正確な情報をもとに解説します。

肌荒れの原因は“成分”だけじゃない?見落とされがちな落とし穴

日焼け止めによる肌トラブルというと、「成分が肌に合わなかった」と考える人が多いかもしれません。
確かに、紫外線吸収剤や香料、保存料(防腐剤)などが刺激となり、アレルギー反応や接触皮膚炎を引き起こすことはあります。

しかし、実際には“成分そのもの”よりも「使い方」に問題があるケースが多いのです。たとえば、以下のような使用習慣は、知らず知らずのうちに肌を傷めている可能性があるのでなるべく避けてください。

■ NG①:落とし方が不十分・または落としすぎ

ウォータープルーフタイプの日焼け止めは落ちにくいため、しっかりクレンジングが必要ですが、洗浄力の強いクレンジングや何度も擦るような洗顔は角層を削ってバリア機能を低下させてしまいます。
反対に、落としきれずに肌に残った成分が毛穴を詰まらせたり、炎症の原因になることも。

■ NG②:保湿せずに直接塗っている

日焼け止めを朝のスキンケアの一部と考え、「保湿をせずにいきなり塗る」人も多いですが、乾燥肌の人がこれを行うと、日中の肌のつっぱりや粉ふき、かゆみが出ることがあります。
特にアルコールや紫外線吸収剤を含む日焼け止めは、乾燥を助長する可能性があるため、事前の保湿は非常に重要です。

■ NG③:塗り直しが不十分・重ねすぎ

「日焼けが気になるから」と頻繁に重ね塗りをしていると、皮膚に厚く塗膜が残り、毛穴をふさぎやすくなることがあります。
また、汗や皮脂で流れやすいのに一度塗っただけで放置している人も多く、結果的に紫外線ダメージと物理的刺激が重なり、肌荒れに。

このように、正しく使わなければ、日焼け止めは“肌を守るアイテム”から“刺激源”へと変わってしまうのです。

肌を守りながら使うために知っておきたい“日焼け止めの正しい使い方”

肌トラブルを回避しながら紫外線から守るには、以下のようなポイントを意識することが大切です。

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

■ ① 日焼け止めは「肌状態に合わせて」選ぶ

乾燥肌や敏感肌の人は、紫外線吸収剤不使用(ノンケミカル)と表示のある「紫外線散乱剤」タイプを選ぶと、肌への刺激を抑えられます。
加えて、乾燥肌の人には「保湿成分配合」の日焼け止めを選ぶことも重要です。ヒアルロン酸やセラミド、グリセリンなどの保湿成分が含まれていると、乾燥による肌荒れを防ぎやすくなります。
また、SPF・PAが高ければ良いわけではなく、使用するシーンに合った強さを選ぶことも重要です(例:日常使いならSPF30程度で十分)。

■ ② スキンケアで肌を整えてから塗布する

洗顔後は化粧水・乳液・クリームなどでしっかり保湿してから日焼け止めを塗るようにしましょう。
乾いた肌に直接塗ると刺激が強く感じやすくなるため、スキンケア後、肌がしっとりした状態で使用するのがベストです。

■ ③ 適量をムラなく塗る・こまめに塗り直す

適量の目安は、顔全体でパール粒2個分程度。摩擦を避け、指の腹でやさしく伸ばすように塗るのがポイントです。
汗をかいた後や長時間外出する場合は、2~3時間おきにこまめに塗り直すことを心がけましょう。

■ ④ 洗浄は「落としすぎない」やさしい方法で

クレンジングを使う場合でも、摩擦の少ないジェルやミルクタイプを選び、肌をこすらず優しく落とすようにします。
必要以上に皮脂を取りすぎると、バリア機能が低下して、乾燥や炎症を招きやすくなるため要注意です。

“正しい使い方”ができてこそ、日焼け止めは肌を守るアイテムになる

紫外線はシミやシワ、皮膚がんのリスクを高める要因であり、日焼け止めはスキンケアに欠かせない重要な存在です。
しかし、その使い方を間違えると、本来防げるはずの肌荒れを引き起こしてしまうこともあるのです。

肌のためにと塗っている日焼け止めが、逆に肌を傷つけてしまわないよう、以下の3つのポイントを改めて意識しましょう:

  • 肌質に合った保湿力のある日焼け止めを選ぶ
  • スキンケア後、適量をやさしく塗布する
  • 正しい方法で落とし、肌への負担を最小限にする

“日焼け止めを正しく使う”ことは、一時的な肌トラブルの予防だけでなく、未来の肌の健康を守ることにもつながります。
紫外線が強くなるこれからの季節、自分の肌に合った日焼け止め習慣を、今こそ見直してみてはいかがでしょうか。


監修者:PRIDE CLINIC 院長 久野 賀子(https://pride-clinic.com/)

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2017年東京医科歯科大学医学部医学科 卒業。
日大板橋病院にて初期研修終了後、湘南美容クリニックに入職し、5年半勤務。
新宿本院皮膚科医局長として通常の勤務だけでなく、新人医師の指導、VIP対応、トラブル対応に従事。
2024年11月新宿二丁目にPRIDE CLINICオープン。