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医師「薄毛を引き起こす」→実は『抜け毛』を悪化させる…意外とやりがちな“NGドライヤー習慣”とは?【医師が解説】

  • 2025.5.1
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

「最近、髪のハリやコシがなくなってきた…」「トップがペタンとしてセットが決まらない」――そんな悩みを抱える40代以降の方は少なくありません。

加齢とともに髪が細くなるのは自然なことですが、実は毎日のドライヤーの使い方ひとつで“髪のボリューム感”を大きく左右することをご存じでしょうか?

本記事では、美容師の現場でよく見られる「40代以降に多いNGドライヤー習慣」と、それがボリュームダウンや薄毛を引き起こす理由、そして今日からできる正しいドライヤーケアについて解説します。

なぜ40代以降は“髪のボリューム”が落ちやすくなるのか?

年齢を重ねるとともに、髪の密度や太さ、成長スピードには変化が起こります。
特に女性の場合、40代に入ると女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が徐々に減少し、髪の毛が細く・柔らかくなりやすいといわれています。

こうしたホルモンバランスの変化に加え、以下のような要因が髪のボリュームダウンに拍車をかける原因となります:

  • 毛髪の成長サイクルの短縮(髪の寿命が短くなる)
  • 頭皮の皮脂分泌量の低下(乾燥による毛根の弱化)
  • 血流の低下により、毛母細胞への栄養供給が滞る

これらに対して正しいケアを行えばボリューム感を維持しやすくなるのですが、間違ったドライヤー習慣はこれらのリスクをさらに加速させてしまうのです。

美容師が指摘!ボリュームを失いやすい「NGドライヤー習慣」とは?

髪を守るためのはずのドライヤーが、実はボリュームダウンを招く原因になっているケースは非常に多くあります。
40代以降で気をつけたいNG習慣を、代表的な例とともにご紹介します。

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

■ NG①:自然乾燥を取り入れている

「ドライヤーは熱ダメージが心配だから、半分乾かしてあとは自然乾燥で…」という方は要注意。
髪が湿ったままの状態は、キューティクルが開いたままとなり、水分とタンパク質が流出しやすくなります。
結果として、髪のハリやコシが失われ、ボリュームダウンやうねりの原因に。

■ NG②:上から一方向に強風を当て続ける

多くの人がやってしまうのが、「ドライヤーを真上から当てて一気に乾かす」という方法。
このやり方は、髪の根元が寝てしまい、トップの立ち上がりが失われるため、ペタッとした印象に仕上がります。

■ NG③:熱風だけで乾かし続ける

熱風は確かに速乾性に優れていますが、長時間当てすぎると頭皮の乾燥や過剰な温度上昇による毛根ダメージを引き起こすことも。
とくに加齢で皮脂量が減っている40代以降では、熱風による乾燥で抜け毛リスクが高まることもあるといわれています。

■ NG④:根元ではなく毛先中心に乾かしている

「毛先が濡れているから」と先にそこだけを重点的に乾かすのもNG。
実は、根元をしっかり立ち上げながら乾かすことで、髪全体のボリューム感が出やすくなるのです。

正しいドライヤー習慣が、髪の印象を変える第一歩に

髪のボリューム感は、見た目年齢を大きく左右する要素のひとつ。
40代以降の髪は、これまでと同じケアでは追いつかなくなることもあります。

ドライヤー習慣を見直すだけでも、髪の印象はぐっと変わります。今日から取り入れたい正しい乾かし方は以下の通りです:

  • 乾かす前にタオルで優しく水分を取る(ゴシゴシ拭きはNG)
  • まずは根元から乾かし、手やブラシで髪を持ち上げながら風を当てる
  • ドライヤーの風は上からではなく、角度を変えながら全体に当てる
  • 8割は熱風、最後は冷風でキューティクルを引き締める
  • 地肌が乾燥しすぎないように、頭皮用の保湿ケアも併用する

髪のハリ・コシ・立ち上がりを取り戻すには、日々の“乾かし方”の積み重ねが何よりも大切です。
「ただ乾かす」から「育てるように乾かす」へ。
年齢を重ねてもふんわりと美しい髪を保つために、今一度、ドライヤー習慣を見直してみませんか?


監修:林 瑠加
慶應義塾大学形成外科学教室に約10年間在籍し、一般形成外科、小児、再建分野を幅広く担当。慶應義塾大学大学院医学研究科では毛髪再生の研究に取り組み、医学博士を取得。2015年からは4年半、カンボジアに居住し現地での臨床にも従事した。帰国後は形成外科に加え皮膚科、美容皮膚科の経験を積み、2024年11月に品川区西五反田に「LIKKAスキンクリニック」を開業。患者様の身近なお悩みに対応すべく、保険・自由診療双方からのアプローチで診療を行っている。形成外科専門医、抗加齢医学会専門医、臨床毛髪学会評議員。