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白髪の進行『早い人』『遅い人』驚くべき違いとは?!→実は悪化させているかも…“意外なNG行動”とは?【医師が解説】

  • 2025.4.30
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

「白髪が目立ってきたな…」と気づいたのはいつですか?
その“最初の白髪”に、どんな対処をしたかが、実は将来の髪の状態を大きく分ける分岐点だったかもしれません。

白髪は年齢とともに増えるのが一般的ですが、医学的には生活習慣やストレスの管理によって進行スピードを遅らせることが可能とされています。
一方で、「何もしない」「間違ったケアを続けている」と、一気に白髪が増えて止まらなくなる人も少なくありません。

本記事では、“白髪を早く止める人”と“悪化する人”の違いを、医学的な根拠とともに解説します。

白髪は「兆候が出たタイミング」で止められるかが分かれ道

白髪は、毛根にある色素細胞「メラノサイト」がメラニン色素を作れなくなったときに発生します。
このメラノサイトは加齢とともに自然に機能が低下しますが、実は一時的なストレスや栄養不足でも活動が鈍くなることがわかっています

つまり、「白髪が出始めたタイミング」は、メラノサイトがまだ完全に失われていない“可逆的な状態”である可能性があるということ。
この段階で適切な生活習慣やケアを始めることで、白髪の進行を遅らせたり、一部の白髪が元に戻る例も報告されています。

実際、国内外の研究でも、ビタミンB12や鉄、銅、チロシンなどの栄養素を補うことで白髪の発生が緩やかになったケースが存在します。

一方で、このタイミングを見過ごして「何もしないまま放置する」と、メラノサイトの機能が完全に消失し、その毛根からは二度と色素のある髪が生えなくなる可能性が高まるのです。

“止められる人”と“悪化する人”の行動の違いとは?

では、白髪を早く止められる人と悪化する人では、どんな生活習慣の違いがあるのでしょうか?
以下に、医療的観点から指摘されている“分かれ道”となる行動の違いをまとめます。

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

■ ① 食生活の違い

【止められる人】:鉄分、亜鉛、銅、ビタミンB群、タンパク質をバランスよく摂っている
【悪化する人】:加工食品中心、偏食、極端なダイエットなどで栄養が不足しがち

栄養はメラノサイトの機能を支える土台です。ミネラル不足や慢性的な栄養失調は、白髪を進行させる大きな要因になります。

■ ② 睡眠と生活リズムの違い

【止められる人】:毎日一定の睡眠時間を確保し、深夜0時前には就寝
【悪化する人】:夜更かしや不規則な生活が習慣化、慢性的な睡眠不足状態

成長ホルモンやメラトニンは、睡眠中に分泌され、毛母細胞や色素細胞の修復を担う重要なホルモン
その分泌が乱れると、白髪が増えるリスクが高まります。

■ ③ ストレスの受け止め方

【止められる人】:適度な運動や趣味でストレスを発散、深呼吸・入浴でリラックス習慣がある
【悪化する人】:緊張状態が続き、自律神経が常に交感神経優位に。ストレスを抱え込みやすい

ストレスがかかると、交感神経が過剰に働き、毛細血管が収縮。頭皮の血流が低下して毛根への栄養供給が滞るため、白髪の発生が促進されます。

「気づいた今」が、白髪ケアを始める最適なタイミング

白髪は自然現象ではありますが、“出始めの対応”によって、将来の髪の印象は大きく変わります。

「白髪はもう止められない」とあきらめるのではなく、生活リズム・栄養・ストレス管理など、自分で整えられる範囲からの対策が、白髪の進行を緩やかにし、時に改善させる可能性もあるのです。

最後に、今日からできる白髪対策を簡単にまとめます:

  • 食事に亜鉛・鉄・ビタミンB12・チロシンを取り入れる
  • 睡眠は6〜7時間、なるべく23時までに就寝
  • ストレスを感じたら深呼吸・散歩・軽運動などでこまめにリセット
  • 過度なヘアダメージ(頻繁なブリーチや熱ダメージ)は避ける

白髪は、体が発する“内側からのサイン”でもあります。
「そのうち染めればいい」と先送りにせず、「今できること」に目を向けることで、未来の自分の髪と印象を守ることができるのです。


監修:林 瑠加
慶應義塾大学形成外科学教室に約10年間在籍し、一般形成外科、小児、再建分野を幅広く担当。慶應義塾大学大学院医学研究科では毛髪再生の研究に取り組み、医学博士を取得。2015年からは4年半、カンボジアに居住し現地での臨床にも従事した。帰国後は形成外科に加え皮膚科、美容皮膚科の経験を積み、2024年11月に品川区西五反田に「LIKKAスキンクリニック」を開業。患者様の身近なお悩みに対応すべく、保険・自由診療双方からのアプローチで診療を行っている。形成外科専門医、抗加齢医学会専門医、臨床毛髪学会評議員。