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医師「白髪を引き起こす」→実は『白髪=老化』間違いだった?!見落としがちな“意外な原因”とは?【医師が解説】

  • 2025.4.29
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

「白髪が目立ってきたのは、年のせいだから仕方ない」そんなふうに思っていませんか?

確かに、白髪は加齢に伴う自然現象のひとつです。しかし最近では、30代や20代などの比較的若い世代で白髪に悩む人が増加しており、単なる老化とは別のメカニズムで生じる“ストレス性白髪”が注目されています

本記事では、白髪ができる仕組みや、ストレスがどのように髪に影響を及ぼすのか、そして予防・改善のために意識すべき生活習慣について、事実に基づいて解説します。

白髪の原因=老化だけではない?ストレスの影響に要注意

白髪は、毛根部分にある「メラノサイト(色素細胞)」の働きが低下することで起こります。メラノサイトは、黒や茶色の色素(メラニン)を生成し、髪の毛に色をつける役割を果たしています。

加齢によりメラノサイトの機能が衰えるのは自然な現象ですが、年齢以外の要因によってメラノサイトが急激にダメージを受けることもあるのです。

とくに注目されているのが、慢性的なストレスや精神的ショックが白髪を引き起こすメカニズムです。
ハーバード大学などの研究チームは2020年、動物実験により強いストレスが交感神経を活性化させ、メラノサイト幹細胞を枯渇させることを明らかにしました。

このような「ストレス型白髪」は、過労・不安・睡眠不足などによっても起こり、若年層にも広がりつつある白髪の一因と考えられています。

こんな人は要注意?ストレス型白髪の特徴と生活習慣

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

ストレスによって生じる白髪は、以下のような特徴があるとされています:

  • 急に数本だけ白髪が生えてくる(局所的)
  • 年齢の割に早いタイミングで白髪が目立ち始めた
  • 生活が不規則で、慢性的な睡眠不足や疲労を感じている
  • 仕事・人間関係・育児などで長期間ストレスを感じている

これらに心当たりがある場合、白髪の原因が老化ではなく自律神経の乱れやホルモンバランスの影響による可能性があります。

また、ストレスが加わると体内では「活性酸素」が発生しやすくなり、細胞や組織に酸化ダメージを与えます。
これは皮膚や内臓だけでなく、毛根や色素幹細胞にも悪影響を及ぼすため、ストレスと白髪の関係は単なる気のせいではないのです。

その一方で、生活習慣を見直すことで、ストレス型白髪の進行を抑えたり、改善できる可能性もあります。

“白髪=年齢”ではない。体と心のケアが予防の鍵に

白髪の原因は、必ずしも「年齢」のせいだけではありません。
近年では、ストレスや生活習慣の乱れが引き金となって起こる“白髪体質”が広がっていることがわかっています。

白髪の進行を抑えるためには、以下のような生活の見直しが効果的とされています:

  • 質の良い睡眠を確保する(毎日6〜7時間以上)
  • バランスの取れた食事を摂る(亜鉛・ビタミンB群・タンパク質を意識)
  • 適度な運動で血行を促進する(ウォーキング・ストレッチなど)
  • 呼吸法や入浴などで自律神経を整える
  • スマホやPCの使用を控えて、就寝前はリラックス時間をつくる

また、「急に白髪が増えた」「地肌や抜け毛にも変化がある」といった場合には、内科・皮膚科などでの相談も検討してみてください。

白髪は体からのひとつのサイン。
見た目の変化に一喜一憂するのではなく、心と体の状態を見直すきっかけにすることが、結果的に健康的な髪と生活につながります。


監修:林 瑠加
慶應義塾大学形成外科学教室に約10年間在籍し、一般形成外科、小児、再建分野を幅広く担当。慶應義塾大学大学院医学研究科では毛髪再生の研究に取り組み、医学博士を取得。2015年からは4年半、カンボジアに居住し現地での臨床にも従事した。帰国後は形成外科に加え皮膚科、美容皮膚科の経験を積み、2024年11月に品川区西五反田に「LIKKAスキンクリニック」を開業。患者様の身近なお悩みに対応すべく、保険・自由診療双方からのアプローチで診療を行っている。形成外科専門医、抗加齢医学会専門医、臨床毛髪学会評議員。