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医師「なるべく食べるのを避けて」→知らぬ間に『白髪』が悪化する…注意すべき“意外なNG食事”とは?【医師が解説】

  • 2025.4.27
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

「最近、白髪が増えた気がする」「染めても追いつかないほど伸びる」
そんな白髪の悩み、年齢のせいと諦めていませんか?

もちろん、加齢による白髪は自然な変化のひとつですが、実は生活習慣、とくに“食事”が白髪を加速させる大きな要因であることが近年の研究で明らかになっています。
知らず知らずのうちに、白髪を増やしやすい“食生活”になっているかもしれません。

この記事では、白髪のメカニズムをふまえたうえで、白髪を招きやすい食事の傾向と、改善に役立つ栄養素について解説します。

そもそも、白髪はなぜ生える?加齢以外の原因とは

髪の毛の色は、毛根にある「メラノサイト」という色素細胞が作るメラニン色素によって決まります。
このメラノサイトの働きが低下すると、メラニンが生成されなくなり、髪は本来の色を失って「白髪」として生えてくるのです。

加齢によってメラノサイトの機能が自然に衰えるのは避けられませんが、それ以外にも以下のような要因で白髪の進行が早まることがあります

  • 栄養不足(特にビタミン・ミネラル)
  • 強いストレスや自律神経の乱れ
  • 血流の低下・代謝機能の低下
  • 睡眠不足や生活リズムの乱れ

なかでも食生活は、日々の積み重ねで白髪のリスクを静かに高めていく“見えにくい要因”でありながら、見直すことで改善の余地が大きい項目でもあります。

実は白髪を増やす?避けたい“NG食習慣”と改善のヒント

栄養バランスの乱れた食事は、髪の健康にとって大きな負担になります。

以下のような食習慣には注意が必要です。

■ ① インスタント食品・スナック菓子などの“酸化ストレス食品”

加工食品に含まれる酸化防止剤やトランス脂肪酸は、体内で活性酸素を発生させ、細胞を傷つけるリスクがあるとされています。
これはメラノサイトにも影響を及ぼし、色素細胞の老化を促進する可能性が指摘されています。

■ ② 鉄・亜鉛不足を招く食事

メラニンの生成には、チロシンというアミノ酸と、それを代謝するための酵素(チロシナーゼ)が必要です。
この酵素の働きをサポートするのが、鉄や亜鉛、銅などのミネラル。これらが不足すると、色素の合成がうまくいかず、白髪が進行しやすくなります。
特に偏食気味の人や、ダイエットで肉・魚を避けがちな人は要注意です。

■ ③ 高糖質・高脂質の“血糖スパイク食”

甘いものや白米・パンなどを中心とした高糖質な食生活は、血糖値の乱高下(血糖スパイク)を招きやすく、これが細胞の酸化や炎症に繋がると考えられています。
結果的に、髪の成長サイクルが乱れたり、毛根の老化を進めてしまうリスクがあるため、なるべく食べるのを避けてください。

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

白髪対策は“栄養の見直し”から始めよう

白髪は年齢だけの問題ではなく、日々の食事がつくる「体の内側の状態」が強く関係しています
そのため、「白髪が増えてきた」と感じたら、染める前に食生活を整えることが“根本的な対策”になるのです。

では、白髪予防・改善のために積極的に取り入れたい栄養素は何でしょうか?

  • チロシン(アミノ酸):大豆製品、魚類、乳製品
  • 亜鉛:牡蠣、赤身の肉、ナッツ類
  • 鉄分:レバー、赤身肉、ほうれん草、ひじき
  • ビタミンB群:豚肉、卵、玄米
  • ビタミンE・C(抗酸化作用):ナッツ類、緑黄色野菜、果物全般
  • 良質なタンパク質:魚、卵、大豆など

バランスよく栄養を摂ることで、メラノサイトの機能維持や血流改善が期待できます。
さらに、十分な睡眠・ストレスコントロール・軽い運動も合わせて実践することで、白髪予防の効果はより高まります。

「染めるだけ」の白髪対策ではなく、「体の内側から整える」意識へ。
今日の食事が、未来の髪の美しさを左右するといっても過言ではありません。


監修:林 瑠加
慶應義塾大学形成外科学教室に約10年間在籍し、一般形成外科、小児、再建分野を幅広く担当。慶應義塾大学大学院医学研究科では毛髪再生の研究に取り組み、医学博士を取得。2015年からは4年半、カンボジアに居住し現地での臨床にも従事した。帰国後は形成外科に加え皮膚科、美容皮膚科の経験を積み、2024年11月に品川区西五反田に「LIKKAスキンクリニック」を開業。患者様の身近なお悩みに対応すべく、保険・自由診療双方からのアプローチで診療を行っている。形成外科専門医、抗加齢医学会専門医、臨床毛髪学会評議員。