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43年前、日本中をトリコにした“異星からの使者” スピルバーグが描いた“さびしさと家族愛”の衝撃

  • 2025.4.23
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(C)SANKEI

1982年、日本にも“星から来た友達”が降りてきた

「43年前の冬、どんな映画が記憶に残っているだろう?」

1982年といえば、日本では松田聖子や中森明菜らがアイドル黄金時代を築いていた時代。そんな中、ハリウッドからやって来た1本のSFファンタジーが、子どもから大人までの心を揺さぶる。

それが――『E.T.』

スティーヴン・スピルバーグ監督によるこの作品は、1982年12月4日に日本で公開され、“家族映画の金字塔”として今も語り継がれている。

少年と宇宙人――言葉を超えた“心の交信”に世界が泣いた

『E.T.』の物語は、地球に置き去りにされた宇宙人“E.T.”と、彼をかくまう少年エリオットとの交流を描いたもの。特撮や宇宙バトルではなく、“ひとりぼっちの存在同士が心でつながる”という温かなテーマが、当時の映画ファンに大きな衝撃を与えた。

エリオットとE.T.は言葉よりも“まなざし”や“仕草”で心を通わせ、共に過ごすうちに互いの孤独が癒されていく。そして名シーン、「E.T. phone home(E.T.、おうちに電話する)」のひと言は、SF映画の中に“家族”と“帰る場所”の大切さを持ち込んだ象徴的なセリフとして、世界中の心に刻まれた。

なぜ『E.T.』はここまでヒットしたのか?

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(C)SANKEI

最大の要因は、スピルバーグ監督がSFというジャンルに“人間の心の機微”を織り込んだこと。高度なCGやアクションではなく、誰もが共感できる“孤独”と“愛情”を描いたことが、普遍的な感動を生んだ。

公開当時、全米・日本ともに歴代興行収入記録を更新。アメリカではスター・ウォーズを抜く勢いで大ヒットし、当時の歴代興行収入1位に。日本でも100億円を超える大ヒットを記録し、当時の洋画歴代1位を記録した。

また、E.T.のビジュアルに対する“かわいさ”と“気味悪さ”の絶妙なバランスも人気の理由のひとつ。不完全だからこそ愛おしく、異質だからこそ守ってあげたくなる。そんなE.T.の存在は、まさに80年代を象徴する“優しさの象徴”だった。

自転車と空、月と友情――永遠に語り継がれる名シーンたち

『E.T.』といえば、エリオットがE.T.を自転車の前カゴに乗せて、満月の空を飛ぶ名場面。このシーンは映画史に残るアイコニックな映像として、今でもポスターやグッズに使われ続けている。

無重力の空間、少年の希望、月の輝き――それらすべてが重なり合った瞬間に流れるジョン・ウィリアムズの音楽が、さらに感情を高ぶらせた。“家に帰りたい”というシンプルな願いを、壮大なイメージで描いた奇跡のシーンとして、今も世界中のファンを魅了している。

43年経った今、E.T.が教えてくれること

2025年の今、映画の技術も、社会の価値観も大きく変わった。それでも『E.T.』は、「見た目が違っても、心はつながる」という、誰もが大切にすべきメッセージを変わらずに伝えてくれる。

人と人、違う存在と向き合い、理解し合うこと。そして“帰る場所”があるという安心感。E.T.のまなざしは、今もどこかで迷子になっている私たちに向けられているのかもしれない。

『E.T.』――それは、43年前に宇宙からやって来た、“さびしさとやさしさ”の化身。今も私たちの心を照らし続ける、永遠の映画である。


※この記事は執筆時点の情報です。