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47年前、日本のアニメ界に革命を起こした“傑作” 宇宙を駆け抜けた“永遠の旅”が色褪せない理由

  • 2025.4.17
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(C)SANKEI

1978年、日本の夜空を走る“銀河鉄道”に夢を乗せた日

「47年前の今頃、どんなアニメに心を奪われていたか覚えてる?」

1978年といえば、アニメでは『宇宙海賊キャプテンハーロック』や『未来少年コナン』が放送され、
音楽ではピンク・レディーや山口百恵が時代の寵児として君臨。
そんな熱気の中、日本の子どもたちの目を釘付けにしたアニメがあった。

『銀河鉄道999』――1978年9月14日、フジテレビ系列で放送スタート。
永遠の命を求めて宇宙を旅する少年と、謎めいた美女メーテルが織りなす“哲学的SF冒険譚”は、単なるアニメを超えて多くの人の価値観を揺さぶった。

宇宙を走る蒸気機関車――その幻想的な設定が胸を打つ

『銀河鉄道999』は、松本零士原作のSF漫画をもとにアニメ化された作品。
主人公・星野鉄郎は、極貧に耐えながら女手一つで鉄郎を育ててきた母を亡くし、“永遠の命”を与えるという機械の身体を手に入れるため、銀河鉄道999号に乗って宇宙を巡る旅に出る。

パートナーは、金髪に黒いロングコートの謎の美女・メーテル。

そして舞台は、宇宙を走る蒸気機関車という、どこか郷愁を感じさせる斬新な設定。
一話一惑星の構成で、訪れる星ごとに異なる文明や価値観、人生の悲喜こもごもが描かれ、視聴者に「生きるとは」「人間とは」を問いかけ続けた。

なぜ子どもたちは“鉄郎の旅”に惹かれたのか?

当時、アニメといえばヒーローやロボットものが主流だった。
そんな中で『銀河鉄道999』は、ひとりの少年の心の成長を軸にした物語で、多くの視聴者にとって「自分の旅」そのものだった。

毎回出会う人々や星の風景は、どれも美しく、時に残酷で、常に“選択”を迫る。
鉄郎が出す答えは決して正解ではなく、それでも彼は前に進む。

その姿に、多くの少年少女が勇気づけられ、人生の“指針”をもらったという声も多い。

そして、どこか儚げなメーテルの微笑みと別れ際の「さようなら鉄郎...」の台詞が、旅の余韻をより深くしていた。

主題歌・劇場版——“時代を超える名場面”を生んだ

1979年公開の劇場版『銀河鉄道999』では、ゴダイゴが歌う主題歌『銀河鉄道999』がヒット、そして物語の中で様々な謎が明かされる。
原作やテレビ版とは異なる展開を迎えながらも、鉄郎の旅の終着点として多くの観客に感動を与え、
その後のアニメ映画のあり方にも大きな影響を残した。

なぜ『銀河鉄道999』は今も語り継がれるのか?

それは、この物語が“大人になってからこそ、深く刺さるテーマ”を描いているからだ。

人間の命と機械の身体、永遠の命の意味、別れと再会、そして“本当に生きるとは何か”。

子どもの頃に見た999は“冒険の物語”だったかもしれない。
でも、大人になった今見返すと、それは“人生そのもの”であることに気づく。

だからこそ、時代を超えて何度もアニメ化・劇場化され、世代を超えて語り継がれている。

『銀河鉄道999』――それは、47年前に出発したまま、今も私たちの心を走り続ける“人生という名の旅”である。


※この記事は執筆時点の情報です。