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工夫して10秒で計算してみて!「88×99」→暗算できる?

  • 2025.4.27
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今回は、二桁どうしの掛け算にチャレンジです。一桁の掛け算はすぐ答えられても、二桁の掛け算は筆算を使わないと厳しいという人は多いのではないでしょうか。

しかし、今回の問題は工夫次第で短い制限時間内でも暗算ができるかもしれません。ぜひ、挑戦してみてください。

問題

次の計算を暗算でしなさい。
88×99

※制限時間は10秒です。

解答

正解は、「8712」です。

制限時間内に答えられたでしょうか?

「こんなややこしい答え、とても暗算で出せない」と思った人は、ぜひ次の「ポイント」で解説している工夫を読んでみてください。

ポイント

今回の問題のポイントは、「99を100にして計算すること」です。

掛け算を簡単にしたいとき、切りの悪い数を切りのよい10の倍数にするという工夫は非常によく使われます。これは10の倍数の掛け算がとても簡単に計算できるからです。

例えば■(整数)×100の形をした式は、■の後ろに00を付けるだけですね。

例:
21×100=2100

では、今回の問題に戻って、式の中の99を100にしてみましょう。

88×99→88×100=8800

「88×100=8800」の計算はとても簡単ですね。とはいえ、「88×99」と「88×100」は同じ式ではありません。では、「88×100」をうまく使いつつ、式の意味を変えないようにするにはどうすればよいのでしょうか。

ここで、掛け算の意味を具体的なイメージでとらえてみましょう。例えば「88×99」は88円のものを99個買ったときの合計金額、「88×100」は88円のものを100個買ったときの合計金額と考えます。買った個数が1つ多いのですから、「88×100」は「88×99」よりも商品1個分、つまり88だけ答えが大きくなるはずです。

ということは、「88×100」から88を引けば、「88×99」と答えが一致しますね。

この考え方を式で表すと、次のようになります。

  88×99
=88×100−88
=8800−88

計算が簡単な「88×100」を使いつつ、元の式と意味が変わらないように式を変形できました。

最後に8800から88を引きますが、このときも切りの悪い88を「切りのよい100」に変えて計算すると楽です。

8800−88
→8800−100

さて、この変形でも、式の形を変えつつ、意味は変えないようにすることを考えましょう。88の代わりに100を引くということは、100と88の差である12だけ多く引いていることになります。つまり、式の意味を変えないようにするには、100を引いた後、引きすぎた12を足せばよいわけです。

具体的には、次のように計算します。

  8800−88
=8800−100+12
=8700+12
=8712

8800から100を引くのも、計算後の8700に12を足すのも簡単ですね。

このように計算していけば、できるだけ楽をしつつ、答えの8712にたどり着けます。

まとめ

今回の問題では、二桁どうしの掛け算を簡単に計算するための工夫について紹介しました。

「ポイント」で詳しく説明した計算過程をまとめると、次のようになります。

  88×99
=88×100−88  ←簡単に計算できる「88×100」を作る(式の意味が変わらないように88を引く)
=8800−88
=8800−100+12  ←簡単に計算できる「8800−100」を作る(引きすぎた12を足す)
=8700+12
=8712

このように、10の倍数(今回は100)をうまく使えるように式を変形していくと、計算が簡単になります。

計算の工夫の仕方には、他にもさまざまなパターンがあります。引き続き別の暗算問題にも挑戦していってくださいね。

※当メディアでご紹介する数学関連記事においては、複数の解法をもつものもございます。あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。



文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。


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