年齢とともに気になりはじめる「シワ」や「たるみ」。それを防ごうと、念入りなスキンケアをしている人も多いはずです。でも、そのケア、実は逆効果になっていませんか?実は“シワやたるみが目立ちやすい人”には共通するNG習慣があるのです。今回は、肌悩みを深刻化させる要因になりやすいスキンケアの落とし穴と、見直すべきポイントをお届けします。
良かれと思ったケアが“肌を傷める”原因に
シワやたるみを防ごうとして、毎日のスキンケアを一生懸命頑張っている人ほど、やりがちなNG習慣があります。そのひとつが「強くこする・叩くようにスキンケアをする」ことです。コットンでゴシゴシ拭き取ったり、化粧水をパンパンと叩き込んだり…。これらの行動は一見「浸透が良くなりそう」と思いがちですが、実は肌の表面(角質層)を傷つけ、バリア機能を低下させる原因になるので極力避けてください。
肌のバリア機能が弱まると、水分が蒸発しやすくなり、乾燥を引き起こします。そして乾燥は、シワやたるみの大きな原因。とくに目元や口元など皮膚の薄い部分はダメージを受けやすく、「しっかりケアしているのに乾燥が気になる」「逆にシワが増えた気がする」という人は、スキンケアの“やり方”に問題があるかもしれません。
また、過剰な洗顔も注意が必要です。洗浄力の強いクレンジングや洗顔料を使って、何度も洗いすぎていると、必要な皮脂まで落としてしまい、肌のうるおいバランスが崩れます。結果、肌は乾燥しやすくなり、ハリや弾力を失ってしまうのです。
たるみを加速させる“無意識のクセ”
スキンケアだけでなく、日常の習慣にもたるみを引き起こす落とし穴があります。たとえば、鏡を見るたびに顔を下からのぞき込むような姿勢をとっていませんか?スマホを見る時間が長く、下を向いた状態が続くのも要注意。こうした姿勢が続くと、顔の筋肉が正しく使われず、フェイスラインが緩んで“たるみ顔”になりやすくなるのです。
さらに、保湿アイテムの“重ねすぎ”にも要注意。乳液、美容液、クリーム…とあれこれ重ねて安心していても、重すぎるスキンケアはかえって肌に負担となり、毛穴詰まりやむくみを引き起こすこともあります。むくみが慢性化すれば、肌のハリはどんどん失われていきます。
また、見落としがちなのが紫外線対策の油断。室内にいる時間が長い人や、曇りの日は日焼け止めを塗らないという人も少なくありませんが、紫外線はガラスを通して肌に届きます。UVAは肌の深部にまで届き、コラーゲンやエラスチンをじわじわと破壊して、シワやたるみを引き起こします。日焼け止めは“外出時だけ”ではなく、毎日の基本として取り入れる必要があります。
やり方を変えれば、肌はちゃんと応えてくれる
「高い化粧品を使ってるのに、なぜかシワが増えた気がする…」そんなときは、製品の質よりも“使い方”に目を向けてみてください。
大切なのは、「やさしく、シンプルに」ケアをすること。摩擦を避ける、洗いすぎない、必要な保湿だけを丁寧に行う。そして、日々の姿勢や紫外線対策を怠らない。こうした小さな積み重ねが、未来の肌に大きな違いをもたらします。
肌は、正しいケアをすればきちんと応えてくれます。今日からスキンケアの“量”よりも“質”を見直して、無意識のNG習慣を手放していきましょう。
監修者:PRIDE CLINIC 院長 久野 賀子(https://pride-clinic.com/)
2017年東京医科歯科大学医学部医学科 卒業。
日大板橋病院にて初期研修終了後、湘南美容クリニックに入職し、5年半勤務。
新宿本院皮膚科医局長として通常の勤務だけでなく、新人医師の指導、VIP対応、トラブル対応に従事。
2024年11月新宿二丁目にPRIDE CLINICオープン。