1. トップ
  2. 医師「慢性的な疲労の原因に」→実は『腰痛』を悪化させている…見落としがちな“意外な生活習慣”とは?【医師が解説】

医師「慢性的な疲労の原因に」→実は『腰痛』を悪化させている…見落としがちな“意外な生活習慣”とは?【医師が解説】

  • 2025.4.21
undefined
出典元:photoAC(※画像はイメージです)

「長時間立っていると腰がつらい」「姿勢を正しているはずなのに腰が痛くなる」――そんな不調を抱える大人が増えています。運動不足やデスクワークの影響かと思いきや、実は原因が“反り腰”という姿勢の歪みにある可能性も。反り腰は見た目では気づきにくく、自覚しづらいのが特徴。知らないうちに体のあちこちへ負担をかけ、腰痛や肩こり、ぽっこりお腹など、複数の不調の引き金になっていることがあります。この記事では、反り腰の特徴や原因、見分け方、そして今日からできる改善方法までを解説します。

「反り腰」とは?見えない姿勢の崩れが不調を招く

反り腰とは、骨盤が前に傾き、腰椎(背骨の腰の部分)が過剰に前方へ湾曲した状態のことを指します。
見た目は「胸を張って姿勢が良いように見える」こともありますが、実際には腰に不自然な反りが生じ、背中・腰・下半身に余計な負荷がかかっているのです。

通常、背骨は緩やかなS字カーブを描いており、重力や衝撃を吸収する構造になっています。
しかし反り腰になると、腰の反りが強くなり、骨盤・背骨のバランスが崩れるため、以下のような不調が起こりやすくなります。

  • 腰の張り・痛み、慢性的な腰痛
  • 下腹が前に突き出て見える(ぽっこりお腹)
  • 太もも前側のハリや疲労感
  • 猫背や肩こりとの併発
  • 呼吸が浅くなることでの疲労感や集中力低下

反り腰は「立っているだけなのに腰がつらい」という人に特に多く、体幹のバランスが崩れることで日常的な不調につながりやすいのです。

反り腰の原因とセルフチェック方法

反り腰の主な原因には、以下のような生活習慣や身体の癖があります。

■ 筋力のアンバランス

腹筋やお尻(大臀筋)、ももの裏側(ハムストリングス)など、骨盤を正しい位置に保つ筋肉の衰えにより、骨盤が前に倒れやすくなります。
同時に、太ももの前側や腰の筋肉が過剰に緊張することで、姿勢が固定されやすくなります。

■ 長時間の座り姿勢・反り腰癖

デスクワークやスマホ操作など、骨盤が後傾した状態(猫背)と前傾(反り腰)を繰り返す生活が続くことで、筋肉の癖として定着していきます。

undefined
出典元:photoAC(※画像はイメージです)

■ ヒールや厚底靴の着用習慣

ヒールのある靴は、骨盤が前傾しやすく、重心が前に偏るため、反り腰を助長する一因になります。

【簡単セルフチェック】壁を使った反り腰チェック

  1. 壁に背中をつけて立ちます(かかと・お尻・背中を壁に付ける)
  2. 腰と壁の間に手を入れてみます
  3. 手のひらがスカスカに入る(手が2枚以上分入る)場合、反り腰の可能性大です

反り腰の人は、骨盤の前傾が固定化しているため、ストレッチや体幹トレーニングによって骨盤の角度と筋肉バランスを整えることが重要です。

“姿勢のクセ”を整えることで、体は軽くなる

反り腰は、見た目の良し悪し以上に、腰痛・体のだるさ・慢性的な疲労の原因になる「見えない歪み」です。
放っておくと筋肉のバランスがどんどん崩れ、肩こり・膝痛・下半身太りなど全身に影響が及ぶこともあります

日常の中で次のような意識・習慣を取り入れることが、反り腰改善につながります:

  • 座るときは骨盤を立て、腰が反りすぎないよう意識する
  • もも裏(ハムストリング)やお尻の筋肉をストレッチする
  • お腹(腹横筋)やお尻(大臀筋)の筋トレを取り入れる
  • 長時間立つときは片足に重心をかけすぎない
  • ヒールの高い靴は連日避けるようにする

正しい姿勢は、日々の積み重ねで身につきます。
「なんとなく腰がつらい」「姿勢を正しても疲れる」という人こそ、反り腰という“見えない歪み”に目を向けることが、不調解消の第一歩になります。


監修者:浅草橋西口クリニックMo 頴川 博芸

静岡県沼津市出身。日本大学医学部中退、東海大学医学部卒業、順天堂大学大学院医学研究科修了。順天堂大学医学部附属静岡病院で初期臨床研修修了後、順天堂大学医学部附属順天堂医院、越谷市立病院、順天堂大学医学部附属練馬病院などを経て現在は浅草橋西口クリニックMo院長、順天堂大学医学部附属順天堂医院食道・胃外科非常勤助手。資格は日本専門医機構外科専門医、日本温泉気候物理医学会温泉療法医、日本医師会認定産業医など。趣味は旅行。