医師「なるべく避けてください」→実は『肩こり』を悪化させる…意外とやりがちな“NGな姿勢”とは？【プロが解説】

「最近、肩こりがひどい」「頭痛がなかなか治らない」――そんな悩みを抱える人が増えています。特にデスクワークやスマートフォンの使用時間が長い現代では、その原因が“姿勢のクセ”にあることが少なくありません。中でも注目されているのが、“スマホ首”とも呼ばれる「ストレートネック」という状態。これは、日常的な姿勢の乱れがきっかけで、首や肩、頭部にまで不調が波及するリスクのある現象です。今回は、スマホ首とは何か、その原因と悪化を招くNG姿勢、そして今日からできる予防対策について解説します。

“スマホ首（ストレートネック）”とは？仕組みと症状

本来、人間の首の骨（頸椎）はゆるやかな前弯カーブを描いています。この自然なカーブがあることで、頭の重さを分散し、首や肩にかかる負担を減らしているのです。

しかし、スマートフォンやパソコンなどを長時間見る習慣があると、首が前方に突き出た状態（頭部前方位）が癖になり、頸椎のカーブが失われて真っすぐになる状態＝「ストレートネック」が起こります。

この状態では、頭の重さ（約4〜6kg）が首や肩にそのままかかるため、筋肉や関節、神経に大きな負担がかかります。
その結果、以下のような症状が現れることがあります。

• 慢性的な肩こり・首こり
• 緊張型頭痛や偏頭痛の悪化
• 手のしびれや腕のだるさ
• 集中力の低下、睡眠の質の低下

特に長時間スマホを操作している人、姿勢を崩して座ることが多い人は、ストレートネック予備軍と言えるでしょう。

こんな姿勢がNG！“肩こり・頭痛”を悪化させるクセとは？

ストレートネックを引き起こす大きな要因は「姿勢のクセ」です。
以下のような動作・姿勢を日常的にしていないか、チェックしてみましょう。

■ スマホやPC画面を“顔より下”で見ている

スマホを胸元やひざの上に置いたまま覗き込むと、自然と頭が前に突き出る姿勢になるため、なるべく避けてください。
この状態が長時間続くと、首の後ろ側や肩の筋肉に大きな負担がかかります。

■ 背もたれに寄りかかり、腰が丸まったまま座る

腰が後ろに倒れると、それに伴って背中・首も丸まり、猫背＋スマホ首のダブルパンチ状態に。
特にソファや柔らかい椅子に長時間座っている人は注意が必要です。

■ 肩が内側に巻き込まれている

いわゆる「巻き肩」は、胸が縮こまり、首や肩甲骨まわりの動きが悪くなる原因に。
肩こりや頭痛の悪化だけでなく、呼吸が浅くなることで全身の疲労感も高まります。

■ 枕が高すぎる、または低すぎる

睡眠中も姿勢の影響は続いています。高すぎる枕は首の自然なカーブを損ない、起床時の首のこりや頭痛の一因になります。

これらのクセは無意識に行われがちなものばかりですが、毎日少しずつ積み重なることで慢性的な不調へとつながるのです。

スマホ首は“現代病”のひとつ。意識的にリセットを

スマホやパソコンの使用が欠かせない現代では、誰もがスマホ首になるリスクを抱えています。
しかし、姿勢を見直すだけで、肩こり・頭痛・眼精疲労といった不調を予防・改善することは可能です。

今日から始められる対策として、以下の習慣をおすすめします。

• スマホやPCは目の高さに近づけて操作する
• 1時間に1回は立ち上がって軽くストレッチを行う
• 座るときは骨盤を立て、背筋を伸ばす意識をもつ
• 肩や首をやさしく回し、筋肉をほぐす
• 就寝時は自分に合った高さの枕を選ぶ

また、どうしても症状が改善しない場合は、整体やストレッチ専門の施設で姿勢評価を受けるのも有効です。

姿勢は習慣でつくられます。だからこそ、意識して整えることで、身体は必ず応えてくれます。
まずは、スマホを持つ位置と座る姿勢から見直してみませんか？

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監修者：浅草橋西口クリニックMo 頴川 博芸

静岡県沼津市出身。日本大学医学部中退、東海大学医学部卒業、順天堂大学大学院医学研究科修了。順天堂大学医学部附属静岡病院で初期臨床研修修了後、順天堂大学医学部附属順天堂医院、越谷市立病院、順天堂大学医学部附属練馬病院などを経て現在は浅草橋西口クリニックMo院長、順天堂大学医学部附属順天堂医院食道・胃外科非常勤助手。資格は日本専門医機構外科専門医、日本温泉気候物理医学会温泉療法医、日本医師会認定産業医など。趣味は旅行。