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医師「最終的に歯を失う」→放置すると“歯が抜け落ちる”かも…今すぐ見直すべき“意外な生活習慣”とは?【歯科医が解説】

  • 2025.4.21
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

「入れ歯は高齢者のもの」――そんなイメージを持っていませんか?実は、40代・50代の現役世代でも“歯を失うリスク”は十分に存在します。むしろこの年代から、歯の喪失が始まるケースは少なくないのです。令和4年の厚生労働省「歯科疾患実態調査」によると、40代の時点で歯を失っている人は平均1本以上。さらに50代になると、平均で3本近くの歯を喪失しているというデータもあります。今回は、歯を失う主な原因と40代からできる予防策について、公的機関や歯科医師会が発信する情報をもとに詳しく解説します。

歯を失う最大の原因は「歯周病」

日本人が歯を失う原因として多いのは、歯周病です。

歯周病は、歯と歯ぐきの境目にたまったプラーク(歯垢)に含まれる細菌が原因で起こります。初期は歯ぐきの腫れや出血から始まりますが、進行すると歯を支える骨(歯槽骨)が溶け、最終的に歯が抜け落ちる可能性もあります。

しかも、歯周病は「サイレントディジーズ(静かなる病気)」と呼ばれるほど自覚症状が少ないのが特徴。気づいたときにはかなり進行しているケースも珍しくありません。

加えて、糖尿病や喫煙、ストレスなども歯周病の進行を加速させる要因になります。40代はこれらのリスク因子が増える時期でもあるため、要注意です。

意外と多い? 40代・50代で“部分入れ歯”を使用する人たち

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

「入れ歯」と聞くと、総入れ歯を思い浮かべがちですが、実際には部分的に歯を失った場合にも入れ歯が使われています。特に、奥歯を失った場合は咀嚼機能への影響が大きく、見た目以上に生活の質に直結するのです。

また、歯を1本失っただけでも、その両隣の歯が傾いたり、噛み合わせがずれたりといった「二次的なトラブル」が起きやすくなります。
これが連鎖的に広がり、最終的に歯を失うきっかけになることも。

つまり、「1本くらい失っても大丈夫」と放置するのではなく、早い段階で歯科医に相談し、適切な補綴(ほてつ)治療を受けることが重要です。

“将来の自分の歯”を守るために、今できる3つのこと

40代・50代は、見た目や健康を意識し始める大切な年代です。将来の入れ歯を回避するために、今からできる基本的な予防策を押さえておきましょう。

① 定期的な歯科健診を受ける
半年に1回の定期健診を推奨しています。歯周病は自覚症状が乏しいため、専門家によるチェックが不可欠です。

② 毎日のセルフケアを見直す
歯ブラシだけでなく、デンタルフロスや歯間ブラシの併用が効果的。プラークの約6割は歯と歯の間にたまるとされており、歯間ケアの習慣化がカギになります。

③ 生活習慣を整える
喫煙、糖質過多、睡眠不足、ストレスなどは歯周病のリスクを高めます。全身の健康管理が、結果的に口腔内の健康にもつながるのです。

歯を1本でも多く残すことは、見た目だけでなく「しっかり噛める」「会話を楽しめる」といった生活の質の向上にもつながります
「まだ大丈夫」と思っていても、40代以降は歯の健康が大きく変化する時期。将来の自分のために、今こそ口腔ケアを見直してみませんか?


監修者:まつむら⻭科クリニック 院⻑ 松村賢(まつむら・けん)

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「いつまでもおいしく食べる」をモットーに、2015(平成27)年に地元である宮城県大崎市に「まつむら歯科クリニック」を開院。歯周病治療などの予防歯科を中心とし、保険診療・審美歯科・ホワイトニング・インプラント・義歯(入れ歯)・摂食嚥下リハビリテーション・訪問診療など、幅広い診療を行っている。
<経歴>
奥羽大学⻭学部卒業(医師免許取得)
東北大学大学院⻭学研究科博士課程修了(⻭学博士)
仙台市内⻭科クリニック 分院⻑
まつむら⻭科クリニック開院