1. トップ
  2. 医師「なるべく避けてください」→ 実は『歯の黄ばみ』を悪化させる…日常で注意すべき“NG習慣”とは?【歯科医が解説】

医師「なるべく避けてください」→ 実は『歯の黄ばみ』を悪化させる…日常で注意すべき“NG習慣”とは?【歯科医が解説】

  • 2025.4.20
undefined
出典元:photoAC(※画像はイメージです)

「最近、なんだか歯の黄ばみが気になる…」そんな悩みを抱える人が増えています。特にマスクを外す機会が増えた今、「人前で歯を見せるのが恥ずかしい」と感じるケースも少なくありません。一般的に、コーヒーや紅茶、赤ワインなどが歯の着色の原因として知られていますが、実はそれ以外にも日常生活の中に“意外なリスク”が潜んでいることをご存じでしょうか?本記事では、歯の黄ばみを引き起こす要因とその予防法について詳しく解説します。

コーヒー・紅茶だけじゃない?“色素沈着”を招く飲食物とは

歯の表面に沈着する汚れは「ステイン」と呼ばれ、色の濃い飲食物に含まれるポリフェノールやタンニンなどの色素が原因となって付着します。

よく知られているのは、以下のような飲み物や食品です。

  • コーヒー/紅茶/緑茶:タンニンを多く含み、長期間摂取することで歯の表面に黄ばみを残す。
  • 赤ワイン:ポリフェノールが豊富で、エナメル質のざらつきに色素が入り込みやすい。
  • カレー:ウコン(ターメリック)に含まれる黄色の成分が強力に着色。
  • ケチャップやソース類:トマトや果実酢の酸性度と濃い色素が沈着の原因に。
undefined
出典元:photoAC(※画像はイメージです)

これらの食品は、単に「色が濃い」だけでなく、歯の表面をわずかに荒らす酸性成分を含んでいる点でも注意が必要です。表面がザラつくことで、色素が定着しやすくなるのです。

また、近年では「スムージー」や「栄養補助飲料」など、健康志向のドリンクにも着色リスクがあるものがあるため、「体に良い=歯にも優しい」とは限らない点に注意しましょう。

生活習慣や加齢も影響…“内側から黄ばむ”ケースも

歯の黄ばみには、表面的な着色以外に、内側からの変色(内因性変色)もあります。代表的な要因は以下の通りです。

■ 加齢による象牙質の変化
年齢を重ねると、歯の表面のエナメル質が徐々に薄くなり、その内側にある黄色っぽい象牙質の色が透けて見えるようになります。これにより、歯全体が黄色く見えるのです。

■ 喫煙習慣
タバコに含まれるタールやニコチンは着色の大きな原因であり、継続的に喫煙していると歯の表面に黒ずみや黄ばみが蓄積されていくのでなるべく避けてください。

■ 口腔ケアの不十分さ
歯磨きが不十分だと、プラークや歯石が蓄積し、これが茶色や黄色に変色していくことがあります。特に、歯と歯の間や歯の裏側は磨き残しが起きやすく、着色の温床になりがちです。

■ 一部の薬剤の副作用
特定の抗生物質(テトラサイクリン系など)を幼少期に服用した場合、歯の形成時に色素が沈着して変色することもあります。このタイプの黄ばみは通常のホワイトニングでは落としにくく、専門的な処置が必要です。

“予防+正しいケア”で、歯本来の白さをキープしよう

歯の黄ばみは、飲食物の選び方だけでなく、生活習慣や加齢など、さまざまな要因が複雑に絡み合って起こります
完全に避けることは難しくても、日々のケアを見直すことで着色のリスクを軽減することは可能です。

黄ばみを防ぐためにできることとしては、

  • 着色性の高い飲食後は早めにうがいまたは歯磨き
  • 歯ブラシだけでなく、デンタルフロスや歯間ブラシも併用
  • 3〜6ヶ月ごとの定期的な歯科検診やクリーニング
  • 必要に応じて、自宅用のホワイトニングケアを取り入れる

といった方法があります。

見た目だけでなく、黄ばみは口腔内の健康状態を表すサインでもあります。
鏡で自分の歯を見たときに「ちょっと黄ばんでるかも」と感じたら、それは生活習慣やケア方法を見直すタイミングかもしれません。


監修者:まつむら⻭科クリニック 院⻑ 松村賢(まつむら・けん)

undefined

「いつまでもおいしく食べる」をモットーに、2015(平成27)年に地元である宮城県大崎市に「まつむら歯科クリニック」を開院。歯周病治療などの予防歯科を中心とし、保険診療・審美歯科・ホワイトニング・インプラント・義歯(入れ歯)・摂食嚥下リハビリテーション・訪問診療など、幅広い診療を行っている。
<経歴>
奥羽大学⻭学部卒業(医師免許取得)
東北大学大学院⻭学研究科博士課程修了(⻭学博士)
仙台市内⻭科クリニック 分院⻑
まつむら⻭科クリニック開院