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医師「健康な人には現れない」→ 実は『爪の縦スジ』は病気のサイン?!…意外と注意すべき“6つの異変”とは?【医師が解説】

  • 2025.4.18
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

ネイルのデザインを楽しんだり、手元のケアをしたりする中で、ふと「なんだか爪の形が前と違うかも?」と気づいたことはありませんか?実は、爪の形や状態は、体の内側のコンディションを映し出すのような存在です。体調の変化やホルモンバランスの乱れが、爪にさまざまなサインとして現れることがあります。健康な人には現れないと言われるように、見た目の変化は見逃せないチェックポイント。今回は、爪からわかる体の不調や、ホルモンバランスの乱れとの意外な関係についてご紹介します。

爪の形の変化は、ホルモンや栄養のアンバランスが原因かも

健康な爪は、ほどよく光沢があり、表面がなめらかで弧を描いたような自然なカーブがあるのが特徴です。しかし、「平らになってきた」「反り返っている」「丸みがなくなってきた」といった形の変化が見られる場合、それは体の内側で何かが起きているサインかもしれません。

たとえば、爪が反り返ってスプーンのようになる「スプーンネイル」は、鉄分不足のサインとして知られています。これは鉄欠乏性貧血などが背景にあることが多く、特に女性は月経や食事の影響で鉄分が不足しやすいため、注意が必要です。

また、爪がやたらと薄くなったり、すぐに割れるようになったと感じた場合は、ビタミンB群や亜鉛などの不足、あるいはホルモンバランスの乱れが影響している可能性もあります。特に40代以降の女性に多い更年期では、女性ホルモン(エストロゲン)の減少により、髪や肌だけでなく爪の状態にも影響が出てくることがあります。

加えて、ストレスによる自律神経の乱れや睡眠不足なども、爪の成長に悪影響を与えることがあります。血流が滞ると、指先への栄養供給がうまくいかず、爪の形や色が変わってしまうのです。

こんな爪の変化は見逃さないで!今すぐできるセルフチェック

日常的に気づきにくい「爪の形の変化」ですが、次のような状態が見られる場合は、体の不調やホルモンの乱れを疑ってみても良いかもしれません。

  • 反り返る・平らになる:鉄分不足、貧血、甲状腺機能低下など
  • やたらと割れやすい・薄くなる:栄養不足、エストロゲンの低下、乾燥
  • 爪の成長が遅い・形がいびつになる:血行不良、睡眠の質の低下、ストレス過多
  • 縦スジがくっきり増える:加齢に加え、ビタミンや水分の不足
  • 丸く膨らんだような形になる(ばち状爪):まれに心臓や肺の機能低下のサイン
  • 厚く肥大して色が変化した爪:爪白癬、緑膿菌の感染、歩き方による物理的障害

こうした変化が出ている場合は、まず生活習慣の見直しが大切です。バランスの良い食事を心がけ、鉄分やビタミン、たんぱく質をしっかりとること。また、睡眠の質を上げることも、ホルモンバランスを整えるうえで重要です。爪や爪の根元の皮膚を傷めないように気を付ける事や歩行時に爪先端に負荷をかけて物理的破損を防ぐことも感染症や変形を防ぐ上で大切です。

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

さらに、手や指先の血流をよくするマッサージやストレッチもおすすめです。簡単なハンドケアを毎日のルーティンに加えるだけでも、爪の成長環境は改善されやすくなります。

日常的なネイルケアも、見直すポイントです。過度なジェルネイルや除光液の使用は、爪の乾燥や形の崩れにつながることも。保湿クリームやネイルオイルで、爪とその周辺の保湿をしっかり行うことで、健康的な爪の土台を保てます。

爪の“形”は、体からのメッセージ

爪の形の変化は、私たちが気づかないうちに進んでいる体のアンバランスを教えてくれる大切なサインです。見た目の美しさだけでなく、健康状態を映し出す“指先の鏡”として、日常的にチェックする習慣を持つことは、自分の体と向き合うきっかけにもなります。

大きな変化が出てから慌てるのではなく、「いつもと違うかも?」という小さな気づきの段階で対処できれば、それだけ早く改善への道も見えてきます。

爪の形に表れる体の声に、耳を傾けてみませんか?指先のケアを通じて、心と体のバランスを整えることが、健康的な日々につながっていきます。


監修者:医療法人社団日進会 院長、理事長
平岩 亮一(ひらいわ りょういち)

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1995年、埼玉医科大学医学部卒業。2017年、医療法人社団日進会開設、にっしん皮フ科・形成外科開業。今年で開業20周年。所属学会(日本形成外科学会他)。平成28年より【生体皮膜剤】【痒み防止剤】にて日本・アメリカフランスを含む13件の特許を取得し現在に至る。