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医師「放置すると危険」→『爪のボコボコ』は“体のSOS”かも…見逃してはいけない“5つの異変”とは?【医師が解説】

  • 2025.4.12
出典元:photoAC(※画像はイメージです)

最近、爪の表面に凹凸やスジが目立ってきた気がする…そんな変化に心当たりはありませんか?見た目の問題として軽く受け止めがちですが、実は爪には、体の内側で起きている不調が現れることがあります。特に「ボコボコした爪」は、栄養バランスの乱れや血行不良、さらには内臓の機能低下が関係しているケースも。もしかしたらその爪、放置すると危険かも…!今回は、ボコボコ爪に潜む可能性のある原因や、チェックしておきたいポイントを詳しくご紹介します。

爪の凹凸は、栄養・血流・内臓のトラブルのサインかも

爪は皮膚の一部であり、皮膚と同様に健康状態を映し出します。中でも、「縦スジが目立つ」「表面がデコボコしている」といった変化は、単なる加齢だけでなく、体の内側の不調が影響している可能性があります。

まず考えられるのは、鉄分や亜鉛、ビタミン類などの栄養不足です。これらは爪の形成に欠かせない成分で、不足すると爪の成長が滞り、凸凹になったり、薄く割れやすくなったりします。特に女性に多い鉄欠乏性貧血では、中央がくぼんでスプーンのような形になる「スプーンネイル」が見られることもあります。

また、爪の先まで栄養や酸素を届けるには、血行の良さが重要です。冷え性や運動不足が続くと、指先まで血液が届きにくくなり、爪の質が変わる原因になります。

さらに、肝臓・腎臓・消化器系の機能低下によっても、爪に変化が現れることがあります。これらの臓器は栄養素の代謝や老廃物の処理を担っており、その働きが鈍ると、末端の爪や髪などに影響が出やすくなるのです。

チェックすべき“爪のサイン”と日常の見直しポイント

出典元:photoAC(※画像はイメージです)

「爪のボコボコ」に気づいたら、まずは他のサインにも注目してみましょう。

  • 白っぽく濁って見える → 血流不良や肝機能の低下の可能性
  • 黄色く変色している → 爪の老化、または代謝機能のトラブル
  • 黒っぽい線が入っている → 血行不良や外的ダメージの蓄積
  • 全体的に爪が薄い・割れやすい →栄養不足や乾燥
  • 爪の中が緑色に変色→緑膿菌感染の疑い

こうした変化は、健康面の見直しが必要なサインかもしれません。

まずできることは、食生活の見直し。鉄分やビタミンB群、たんぱく質をしっかり摂ることで、爪の土台が整いやすくなります。レバー、卵、納豆、青魚など、バランスの良い食事を意識してみましょう。

次に、血行促進もポイント。適度な運動や、手指を温める習慣、爪の根元を軽くマッサージするだけでも、指先の血流が改善されやすくなります。

一方で、ネイルのしすぎや除光液の頻繁な使用、乾燥対策不足も、外的要因として爪にダメージを与えます。ハンドクリームでこまめに保湿し、必要に応じてネイルケアを休むことも大切です。

見過ごされがちな“爪の異変”にこそヒントがある

爪のボコボコや変色は、外見上の問題だけでなく、体の内側からのサインかもしれません。つい後回しにされがちな部位ですが、爪は毎日変化しており、その状態には体調のヒントが隠れています

「なんとなく調子が悪い」と感じるときこそ、顔色や肌だけでなく、爪もチェックしてみることをおすすめします。栄養状態、血行、生活習慣――すべてがつながって、爪の表面に現れてくるのです。

大切なのは、変化を見逃さず、無理なくできる範囲で生活を見直してみること。爪の状態が整えば、見た目の印象も健康も少しずつ変わってくるはずです。体からの小さな声に、気づける自分でいたいですね。


監修者:医療法人社団日進会 院長、理事長
平岩 亮一(ひらいわ りょういち)

 

1995年、埼玉医科大学医学部卒業。2017年、医療法人社団日進会開設、にっしん皮フ科・形成外科開業。今年で開業20周年。所属学会(日本形成外科学会他)。平成28年より【生体皮膜剤】【痒み防止剤】にて日本・アメリカフランスを含む13件の特許を取得し現在に至る。