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医師「なるべく避けてください」→ 更年期から増える『尿漏れ』…症状を悪化させる“3つのNG行動”とは?【医師が解説】

  • 2025.4.14
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

更年期に差し掛かると、体のさまざまな変化を感じることが多く、特に女性にとっては体調不良や精神的な不安がついて回ります。その中でも、よく聞かれるのが「尿もれ」の問題です。年齢とともに尿漏れが増えるというのはよくあることですが、実は日常のちょっとしたその習慣が悪化させる原因となっていることもあります。今回は、医師が警告する「尿もれを悪化させるNG行動」を3つご紹介します。これらを見直すことで、少しでも快適な生活を取り戻すためのヒントにしてみてください。

尿もれを悪化させるNG行動とは?

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

更年期に入るとホルモンバランスの乱れが体に大きな影響を与え、尿漏れなどの問題があらわれやすくなります。日常生活の中でつい無意識にしてしまっている行動が、実は症状を悪化させる原因となることがあるのです。次に、医師が指摘する「尿もれを悪化させるNG行動」を見ていきましょう。

1. 水分を極端に制限すること
「尿もれを防ぐために、水分を控えめにしている」という人は少なくないでしょう。しかし、水分を制限しすぎることは逆効果です。確かに、頻繁にトイレに行くことを避けるために水分を控えたくなるかもしれませんが、実際には尿道を乾燥させ、膀胱の機能を低下させる原因になります。また、脱水症状を引き起こし、尿路感染症のリスクも高まるため、なるべく避けてください。水分補給は適量を守り、こまめに飲むことが大切です。

医師コメント:
女性ホルモンの分泌低下・消失 が更年期以降に現れます。
そのため、女性のデリケートゾーンの変化が現れ、尿道、膀胱、膣、子宮、会陰部などの周囲組織が全体に薄くなり、尿路感染症を起こしやすくなります。また昨今の酷暑のため、女性ホルモンが低下する年代以降は尿路結石の罹患率も増加するため、極端な水分制限は下部尿路には悪影響が生じやすいです。

2. 激しい運動や過度な腹圧をかける行動
運動不足を解消しようと、無理に激しい運動を始めたり、重いものを持ち上げるなどして腹圧をかけすぎると、膀胱に負担がかかり、尿漏れを引き起こす原因になります。特に、腹筋を使う動きやジャンプなどが多い運動は、尿道を圧迫してしまうことがあるため注意が必要です。更年期の体には、適度な運動を選ぶことが重要です。ウォーキングやヨガなど、無理なくできる運動を取り入れて、体を整えていきましょう。

尿もれを引き起こす習慣とは?

次に、日常的に見過ごされがちな「習慣」の一つが、ストレスや精神的な負担です。これが尿もれにどのように影響するのかについて説明します。

3. ストレスを溜め込むこと
更年期に入ると、ホルモンの変化に伴って感情の起伏が激しくなることがあります。仕事や家庭、社会生活のストレスが積もり、心身に悪影響を与えることがありますが、実はストレスも尿もれを悪化させる一因となります。ストレスは交感神経を刺激し、膀胱の筋肉を緊張させるため、尿漏れを引き起こしやすくなります。リラックスできる時間を持つことや、深呼吸、瞑想などを取り入れることで、ストレスを軽減し、尿漏れの予防につながります。

これらのNG行動は、意識して改善することで症状の軽減や予防が期待できます。更年期を迎えるにあたって、生活習慣を見直すことが重要です。

まとめ

更年期に増える尿もれは、ホルモンバランスの変化だけでなく、日常生活の些細な習慣が影響していることがあります。

水分制限や激しい運動、ストレスを溜め込むことは、症状を悪化させる原因となります。

尿もれを防ぐためには、適切な水分補給や軽い運動、ストレス管理が重要です。これらを見直し、少しずつ改善することで、快適な生活を取り戻す手助けとなるでしょう。更年期の変化に適応するために、生活習慣を見直し、健康的な体作りを心がけましょう。


監修者:大嶺卓司(腎・泌尿器科おおねクリニック 院長)

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京都府立医科大学・大学院卒業。京都府立医科大学泌尿器科学教室元臨床教授。
“世の光であれ!(来院することで元気になれる希望の光のように)”、”守侍医として(患者さんの側に侍り、病から守る)”、”地域の健康ステーション”を基本理念として、泌尿器科専門医としての専門性を生かし、地域のかかりつけ医として貢献したいと考えています。

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