年齢を重ねるにつれて気になってくる白髪。食事やストレス、睡眠などの生活習慣が影響しているのはよく知られていますが、実は「毎日使っているシャンプー」が白髪を悪化させている可能性があることをご存じでしょうか?一部、危険と言われる製品もあり、何気なく選んでいるヘアケアが、逆に髪の老化を進めてしまっているケースもあるのです。今回は、白髪を悪化させる可能性があるヘアケアの落とし穴と、髪にやさしいシャンプーの選び方について解説します。
洗浄力の強すぎるシャンプーが頭皮環境を乱す
シャンプーは本来、髪と頭皮を清潔に保つためのものですが、選び方を間違えると逆効果になることがあります。
特に注意したいのが、洗浄力の強すぎるシャンプー。市販のシャンプーの中には、泡立ちが良く、スッキリ感が強い一方で、必要な皮脂まで取りすぎてしまう製品があります。
このようなシャンプーに多く含まれるのが「ラウレス硫酸ナトリウム」などのサルフェート系界面活性剤。洗浄力が非常に強いため、使い続けることで頭皮の乾燥や炎症を引き起こす恐れがあり、これが結果として毛根へのダメージや白髪の進行につながることもあるのです。
白髪の原因のひとつに「メラノサイト(髪の色素を作る細胞)」の機能低下がありますが、頭皮環境が悪化するとこの細胞が十分に働かなくなり、髪が黒く保たれなくなってしまいます。
つまり、刺激の強いシャンプーを長期的に使用していると、知らず知らずのうちに白髪が増える土壌を自ら作っている可能性があるのです。
白髪ケアに必要なのは“頭皮をいたわる選び方”
では、白髪を悪化させないためには、どんなシャンプーを選べばいいのでしょうか?
まず意識したいのが、「低刺激で頭皮を守る処方」です。成分表をチェックして、アミノ酸系やベタイン系の洗浄成分が使われているものを選ぶのがおすすめです。これらは頭皮や髪に優しく、必要な潤いを残しながら汚れだけを落とすことができます。
また、保湿成分や植物由来のエキスが配合されているものも頭皮ケアに効果的です。たとえば、セラミド、ヒアルロン酸、ホホバオイル、ローズマリーエキスなどが含まれたシャンプーは、乾燥を防ぎながら健やかな地肌を保つのに役立ちます。
さらに大切なのが、「何を避けるか」という視点です。前述の高級アルコール系成分のほかにも、シリコンや合成香料・着色料が多く含まれている製品は、敏感な人にとっては刺激になることがあります。特に地肌が弱い人や、すでに白髪が気になり始めている人は、なるべくナチュラルな処方のものを選ぶのが無難です。
そして見落としがちなのが、洗い方や頻度。どんなに良いシャンプーを使っていても、ゴシゴシ洗いすぎたり、必要以上に洗い流したりすると、頭皮への負担が大きくなります。指の腹でやさしくマッサージするように洗い、しっかりすすぐ。これだけでも頭皮環境は大きく変わってきます。
毎日のシャンプーが白髪の未来を左右する
白髪対策というと、栄養やストレスケアばかりに目が向きがちですが、実は「毎日使っているシャンプー」がその進行に深く関わっていることもあります。危険な製品を無意識に使い続けていると、頭皮の乾燥や炎症を招き、結果として白髪が増えるリスクを高めることになりかねません。
逆にいえば、今日からシャンプーの選び方を変えるだけでも、髪と頭皮の未来は大きく変わります。洗浄力よりもやさしさを重視し、成分をしっかり確認する習慣をつけてみましょう。ヘアケアは“毎日の積み重ね”がすべて。正しい選び方と使い方で、いつまでも健やかな髪を育てていきたいものです。
監修者:三村浩章(合同会社サステア CEO、ヘアメイククール 代表、滋賀県美容組合副理事長、シャンプーソムリエ)
シャンプーソムリエの資格を持つ現役美容師。
今までに向き合ったお客様の数延べ12万人以上。
高校卒業後、神戸のサロンに勤務。その後滋賀県彦根市にCOURを出店。
ヘアショー、各種セミナー、神コレのヘアメイク、雑誌のヘアメイク、メーカーのプロダクトの企画テストなどをこなす。
またシャンプーオタクが作った「サステア」をECサイトにて販売中