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「ハマり役というか本人そのもの」完全に重なる…!主人公のキャラクターに絶賛の声【火9ドラマ】

  • 2025.4.10

4月8日(火)より、フジテレビ系 火9ドラマ『人事の人見』がスタートした。舞台は、老舗文房具メーカー・日の出鉛筆。長い歴史を持つ企業の人事部に、主人公・人見廉(松田元太)が“人事のエキスパート”として配属される…という導入だが、ふたを開けてみれば人見は社会経験ゼロの、おバカでピュアすぎる青年だった。

それでも彼は、ただひたすら“人が好き”で、“人のことを見ていたい”という真っ直ぐな気持ちを持っている。知識もスキルも常識もないのに、なぜ彼の行動が周囲の人の心を少しずつ動かしていくのか? そんな“令和の無責任男”・人見廉が、会社という大きなシステムに少しずつ風穴を開けていく。

「人事部」が主役の時代へ。働き方の変革を映す舞台装置

これまで多くの“お仕事ドラマ”が放送されてきたが、舞台が“人事部”にフォーカスされるのは、新鮮な驚きをもって迎えられるのではないか。営業や開発といった注目部署とは異なり、縁の下の力持ちとも言えるのが人事部である。

その仕事は、採用活動から退職手続き、労働問題に至るまで、“人”に関するあらゆる側面をカバーする。職場の人間関係が複雑化し、退職代行というサービスまで登場する現代において、人事部は、従業員の心の声に耳を傾ける最前線なのである。

第1話の冒頭では、マーケティング部の若手社員・瀬沼(田中洸希)が、上司からのパワハラを理由に退職代行サービスを利用しようとするシーンから物語が動き始める。会議に呼ばれない、プレゼンから外される、飲み会に誘われないといった、目立たない形での仲間外れが、瀬沼の心を深く蝕んでいた。

しかし、その上司には「そんな些細なことで?」という認識のずれが見られる。問題は小さな誤解の積み重ねによって深刻化していたことが明らかになる。このような繊細な職場の“認識のズレ”を解消するためには、マニュアル通りの対応ではなく、“人を理解する力”が重要であるというのが、本作の核となるメッセージとして、早くも第1話から感じ取れるはずだ。

突拍子もないけど、なぜか心に届く

人見廉は、バックパッカーとして世界を放浪していた経験はあるが、会社勤めの経験はゼロ。エリートとして鳴り物入りで人事部に配属されたのに、敬語も使えず、名刺交換すらおぼつかない。そんな彼が、なぜか退職希望者の瀬沼と上司の関係を改善に導いてしまう。

やり方はまるでスマートじゃない。瀬沼の家に突然突撃したり、SNSで会社を告発する提案に共感してしまったり、彼の話をそのまま上司に伝えたり……。でも、彼のまっすぐな言葉や行動は、理屈や常識では解決できなかった“心のモヤモヤ”に風を通してくれる。人見は「問題を解決するプロ」ではない。でも「人を見つめる力」だけは誰にも負けない。

会社というシステムのなかで見落とされがちな“人の気持ち”に、ただ素直に目を向ける。その純度の高さが、人見廉というキャラクターの最大の魅力であり、現代社会で忘れられがちなものを思い出させてくれる。

松田元太の自然体な演技が作り出す“人見”のリアル

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(C)SANKEI

主人公・人見廉というキャラクターは、俳優・松田元太のために誂えられたと言っても過言ではない。脚本を手がけた冨坂友が、松田自身への綿密な取材を通じて創造した“当て書き”の人物であり、彼の持ち合わせる純粋さ、天真爛漫さ、そして誰からも好かれる人柄が、余すところなく活かされている。SNS上では「ハマり役というか本人そのもの」「役にめちゃくちゃ合ってる!」「見応えあり」といった絶賛の声が多数上がっている。

松田の演技は、技巧に凝ったものではなく、まるで“そこに生きている”かのように、人見という人物を自然体で体現している点が素晴らしい。彼の言い間違いでさえ愛嬌があり、予測不能な行動の端々にも、なぜか共感を覚えてしまう。バラエティ番組で見せる彼の飾らない無邪気さや真摯な姿勢が、演じるキャラクターと完全に重なり合っているのだ。

さらに、第1話にゲスト出演した瀬沼役の田中洸希の演技も見逃せない。劇中で披露されたラップシーンは、彼が所属するグループ・SUPER★DRAGONのメンバーとしての実力をまざまざと見せつけるものだった。その確かなスキルと演技力が融合した瞬間、第1話のクライマックスは熱い感動を生み出した

人見の魅力は、従来の“規格外のヒーロー像”とは一線を画す点にある。周囲を力でねじ伏せたり、理詰めで言い負かしたりするのではなく、“共に悩み、苦しむこと”を厭わない。その人間味こそが、彼の何よりの魅力であり、深みを生んでいる。能力の高さではなく、共感という心の繋がりを通じて、人々の関係性を変えていくのだ。

物語が展開していくなかで、人見の行動が必ずしも成功するとは限らないだろうし、時には周囲を混乱させることさえあるかもしれない。それでも、「一人ひとりの人間をしっかりと見て、真摯に向き合おう」とする彼の姿勢こそが、現代社会において切実に求められているのではないだろうか。

人見廉という唯一無二のキャラクターを通して、本作は“頑張りすぎて疲弊してしまったすべての人”に優しく寄り添う力を持つ。人事部という舞台設定を活かしながら、令和の職場のリアルな姿を描き出し、人々の心にそっと温かい光を灯してくれるようなドラマへと成長していくことを期待せずにはいられない。



ライター:北村有(Kitamura Yuu)
主にドラマや映画のレビュー、役者や監督インタビュー、書評コラムなどを担当するライター。可処分時間はドラマや映画鑑賞、読書に割いている。X(旧Twitter):@yuu_uu_