数百点がお目見え。2025-26年秋冬コレクションの注目アクセサリーを総ざらい

2025.3.22

2025-26年秋冬コレクションは、不思議なシーズンだった。テーマは大きく分けて2つあり、それも「クラシカルな女性らしさへの回帰」と「型にはまった、無個性のファッションの終焉」と対極的。にもかかわらずコレクションは二極化せず、むしろ全体を通して、2つのテーマの融合からなる一体感があった。

例えば今季復活を果たしたハットは、エレガンスの権化とも言えるジョルジオアルマーニ（GIORIO ARMANI）やロロ・ピアーナ（LORO PIANA）から、突飛なデザインで知られるアナスイ（ANNA SUI）やアードリアン・アピオラッザ率いるモスキーノ（MOSCHINO）まで、あらゆるメゾンが展開。かつてはどの女性も日常的に被り、社会的地位や富の象徴だったハットは、今や周りと差をつけるアクセサリーとなり、古き良き時代の魅力と同時に、極めてモダンな個性を感じさせる。

「クラシカルな女性らしさ」はまた、ウエストが絞られたアワーグラスなシルエットとしても大々的に打ち出された。それに伴い、ベルトにコルセットが主要アクセサリーとして、至るコレクションに登場。超ロングなもの、2周に巻かれたもの、バックルに通してそのまま垂らしたもの。バリー（BALLY）は半開きのコルセットをウエストよりも低い位置でスタイリングし、女性の身体を締め付けるものではなく、解放するものとしてランウェイに送り出した。そしてシューズにあしらわれた可憐なリボンやレースのタイツを通して、女性らしさを再解釈するデザイナーもいた。

何かを象徴するものであればあるほど、私たちは新たな視点で再解釈したくなる。だからこそ、コルセットにリボンにレースなど、「フェミニン」の代名詞でもあるアイテムをブランドは今季、「自分らしさ」の象徴に生まれ変わらせ、結果として昔ながらの「女性らしさ」に回帰しながらも「無個性のファッション」に終止符を打った。カメやスパゲッティを模したバッグ、つま先が長く尖ったブーツ、ビビッドな柄のストッキング。シンプルでしとやかな服に華を添えた、エキセントリックなアクセサリーから、目が離せない。

トータルコーデが叶う個性派ハット