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なぜ「3000円」の野球グローブを“選んではいけない”のか 『ドラゴン桜』が教えるビジネスセンスの磨き方

  • 2025.4.23
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写真:photoAC(イメージ)

元暴走族の弁護士・桜木建二が、経営破綻状態の私立龍山高等学校を再建するために「5年後に東大合格者100人」という大胆な目標を掲げ、様々な受験テクニックや勉強法を教え合格へと導く三田紀房作の『ドラゴン桜』(講談社)。本作品は受験マンガの金字塔として知られています。

しかし、『ドラゴン桜』を単なる受験対策マンガと侮ることなかれ!

『ドラゴン桜』には、学生だけでなくビジネスパーソンの現場でも即実践可能かつ、“仕事に効く”本質が盛りだくさんなのです。

そこで本記事では、ビジネスパーソン必見の注目の話をピックアップしています。

目標を達成するためには「最高の道具を選べ」!(『ドラゴン桜』7巻・68限目より)

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『ドラゴン桜』(c)三田紀房/コルク
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『ドラゴン桜』(c)三田紀房/コルク

早い段階から模試を積極的に受けさせようとする桜木。学力にまだ不安がある東大コースの矢島と水野は「もっとがんばって自信をつけてから受けたい」と、桜木に相談します。ところが「実力をつけてから模試を受けることは間違い」だと、桜木は話し矢島と水野を玄関に呼び出し…。

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『ドラゴン桜』(c)三田紀房/コルク

桜木が2人を連れ出した先は、なぜかスポーツ用品店

そして野球のグローブ売り場で立ち止まり、桜木は矢島に親になったと仮定した話を持ち出し「これから野球を始めたいという子どもに3000円、6000円、1万円の3つのグローブのうち、お前はどのグローブを買ってやるか」と問います。

矢島は「3000円ので十分じゃん……」と店でいちばん安いグローブと与えると回答。しかし、桜木は…。

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『ドラゴン桜』(c)三田紀房/コルク

桜木は、「それだと野球がうまくならない」と言い切ります。

野球がうまくなりたいのなら、目標がすでに実現しているかのように行動することが大切だと説く桜木。つまり、甲子園に出場するような高校球児に自分がなっていると仮定して行動すべし、そうすることで目標を本当に実現できるということです。

そのために高価で質の良いグローブをはじめから買い与えることも、球場で一流のプレーを実際に見せることも、子どもの行動が追いついてくるのだそうです。つまり、目線を高く持つことが重要ということ!目線が高いと、それだけ持ち直せる可能性もあるのです。

実力が不釣り合いの中で早めに模試を受けるのも、1万円のグローブを買うようなものだと桜木は話します。しかし「結果が悪くても気にすることはない」と、二人の背中を優しくそっと押すのでした。

ビジネスにおける「拡張自我」に近い

この話はビジネスにおいても、今の自分には少し不釣り合いな高級なものを身につけたり使用したりすることで、自分に自信が持てるようになります。これは心理学的には「拡張自我」と呼ばれる概念です。

例えば、ワンランク上の高級筆記用具や型落ちではなく最新ハイスペックPCを手に入れることで“これを使いこなす自分”というイメージが生まれ、その道具に釣り合う自分自身を目指していこうという意欲も湧いてくるというものです。

これは単なる見栄や虚栄心ではないのです。


「ドラゴン桜」(c)三田紀房/コルク

※本記事はコンテンツの権利者に許諾を得た上で記事の制作・公開を行っています。

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『ドラゴン桜』第7巻・68話
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