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32年前、日本中が心を踊らせた“伝説の名曲” “冬の歌姫”が国民に届けた90年代のトキメキ

  • 2025.4.13
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(C)SANKEI

1993年の冬、ゲレンデにはこの曲が流れていた

「32年前の今頃、どんな曲に胸を躍らせていたか覚えてる?」

1993年といえば、音楽はJ-POPの黄金時代。ZARD、B'z、CHAGE and ASKAなどがチャートを席巻し、テレビでは『高校教師』や『ひとつ屋根の下』など心を揺さぶるドラマが人気を博していた。
スキー場は若者たちの社交場としてにぎわい、“ウィンタースポーツ×恋愛”はカルチャーのど真ん中だった。

そんな時代、誰もが口ずさんだ“明るく前向きなラブソング”がある。
広瀬香美『ロマンスの神様』——1993年12月1日リリース
翌年の冬にかけて大ヒットを記録し、広瀬香美の代名詞ともなったこの曲は、なぜ今もなお冬の定番として愛され続けているのか。

「出会いを信じてる」——前向きすぎる歌詞が新しかった

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(C)SANKEI

広瀬香美といえば、伸びやかなハイトーンとキラキラしたメロディライン。
中でも『ロマンスの神様』は、その魅力を凝縮したような一曲だ。

ロマンスの神様 この人でしょうか

勢いのあるイントロから始まり、サビは誰もが一度は口ずさんだことがあるキャッチーさ。
それまでの「片想い」「失恋」を描いたラブソングとは一線を画し、“恋に勝ちにいく”積極的な女性像を提示した。

悩んだり、待ったりするのではなく、自分から出会いに行く。
そんなメッセージが、当時の若者たち、特に女性たちに強く刺さったのだ。

なぜ“冬”と“スキー”がここまで似合ったのか?

『ロマンスの神様』といえば、多くの人が思い出すのがスキー場の風景

当時は「ゲレンデが恋の舞台」だった時代。
スキー場では常に音楽が流れ、明るく恋心を後押しするこの曲は、まさに冬のサウンドトラックとなった。

さらに、スキー用品店「アルペン」のCMソングとしての起用が決定打に。
“冬×恋×音楽”のイメージが定着し、「広瀬香美=冬の女王」というブランドが生まれた。

“バブルの終わり”と“新しい女性像”の象徴

1993年から1994年は、バブルの熱気が残りつつも終焉が見えてきたタイミング。
恋愛観にも変化が訪れ、男性にリードされる恋よりも、女性が主体的に動く恋が新鮮に映っていた。

『ロマンスの神様』は、そんな時代のムードをいち早く捉えた楽曲だった。

理想の恋を夢見るだけではなく、ノリと勢いと前向きさで「掴みに行く」。
それは、のちの“自立する女性像”の先駆けとも言えるスタンスだった。

今も色褪せない、“恋を楽しむ”という感覚

令和となった今、恋愛のカタチはますます多様に。
それでも、『ロマンスの神様』を聴くと、どこか懐かしくて、無性にワクワクするのはなぜだろう。

きっとそれは、「恋を楽しんでいいんだよ」と教えてくれるから。
恋をしているときの高揚感、出会いを信じるあの気持ちを、31年経った今でも思い出させてくれる。

広瀬香美『ロマンスの神様』——それは、今も冬に流れるだけで、誰かの心を温かくする“永遠のウィンターアンセム”である。

32年経った今でも、あのイントロが流れるだけで——
恋も、青春も、ちょっとだけ信じてみたくなる。


※この記事は執筆時点の情報です。