「安安(やすやす)」や「更更(さらさら)」のように同じ漢字が2つ並ぶ言葉の一つである「兀兀」。
あまり見慣れない漢字ですが、実は日常でよく使う言葉なんです。
「志望校に合格するため、毎日兀兀と勉強に励んだ」
このような例文を見ると、何となく想像がつくかもしれませんね。
「兀兀」の読み方
それでは正解を発表。
「兀」という漢字は円周率のπ記号に似ていることから「ぱいぱい」と間違えて読まれることもあります。
しかし、実は正しくは「こつこつ」と読むんですよ。
「兀兀」の意味と使い方
「兀兀」には主に以下の意味があります。
[1] 〘形動ナリ・タリ〙 物事に専心するさま。絶えずつとめるさま。また、じっと動かないさま。ごつごつ。
[2] 〘副〙 (多く「と」を伴って用いる) たゆまず着実に物事をするさまを表わす語。地味ではあるが確実に一つ一つしていくさま
出典:『精選版 日本国語大辞典』(小学館)
「兀兀と勉強する」「兀兀と貯金をする」のように、地道に継続して何かに取り組むさまを表現するときに使います。
また、このような同じ漢字を重ねた熟語は「重言(じゅうげん)」や「畳語(じょうご)」と呼ばれることがあります。
畳語は意味を強めたり、事や物の複数を示したり、動作などの反復・継続を表したりするために使われ、擬声語や擬態語に多く見られます。
他にも「哀哀(あいあい)」「青青(あおあお)」「明明(あかあか)」など、様々な畳語が日本語には存在します。
まとめ
「兀兀」は「こつこつ」と読み、地道に努力を続けるさまを表す言葉です。
日常でよく使う「こつこつ」という言葉が、このような漢字で表されることを知ると、日本語の奥深さを感じますね。勉強やスキルの向上は一日では成果が出にくいものですが、毎日「兀兀」と取り組めば、いつか必ず成果になるものと信じて継続していきたいものですね。