今回は、三桁の負の数の割り算を暗算できるかどうか試してみましょう。かなり難易度が高そうに見えるかもしれませんが、やり方次第では10秒以内に答えを出すことができますよ。
さて、どうやって計算したらよいでしょうか。
問題
次の計算を暗算でしなさい。
−769÷(−769)÷(−769)
※制限時間は10秒です。
解答
正解は、「−1/769」です。
この問題、小数で答えようとすると、そこで行き詰ってしまうので注意が必要です。
次の「ポイント」で、どうやったら素早く答えを出せるのか解説していきますね。
ポイント
この問題のポイントは、二つあります。
一つは「答えの符号の判定方法」、もう一つは「割り算の答えを分数で出す方法」です。
答えの符号の判定方法
まずは、この問題の答えの符号をどう判定すればよいのか考えます。
負の数が混じっている割り算では、次のルールに従って答えの符号を決めます。
<答えの符号の決め方(割り算編)>
・同符号どうしの割り算の答え→正の数(+)になる
例:+1÷(+1)=+1 −1÷(−1)=+1
・異符号どうしの掛け算・割り算の答え→負の数(−)になる
例:+1÷(−1)=−1 −1÷(+1)=−1
では、今回の問題を計算していきましょう。
−769÷(−769)÷(−769)
この式では、最初に同じ数どうしの割り算「−769÷(−769)」を行います。同符号どうしの割り算なので、答えは正の数の「+1」です。
−769÷(−769)÷(−769)
=+1÷(−769)
次の割り算は正の数÷負の数の形をしているので、異符号どうしの割り算になり、答えは負の数になります。
これで、この問題の答えが負の数になると分かりました。
+1÷(−769)
=−(1÷769) ←答えが負の数になるのでマイナス記号を先に出した
割り算の答えを分数で出す方法
では、「1÷769」はどう計算すればよいのでしょうか。
実は、「1÷769」を筆算で計算すると、答えはいつまでも割り切れない無限小数となります。
1÷769=0.00130039...
これでは、時間がいくらあっても答えを出せません。ましてや今回のように時間制限がある問題では、手を出してはいけない計算方法といえるでしょう。
そこで、割り算の答えを分数で表すことを考えます。
割り算の答えは、「割られる数/割る数」という分数で表せます。
例えば、「1÷2」の答えは1/2になります。「1÷2」の答えを小数で表すと0.5ですが、これは1の半分の数なので1/2と同じ数を表していますね。
1÷2=0.5=1/2
では、今回の問題も分数で答えてみましょう。
−(1÷769)
=−1/796 ←割られる数/割る数
分数形式で答えた後、約分をする場合もありますが、−1/769はこれ以上約分できないので、このまま答えとしましょう。
まとめ
今回の問題では、負の数の割り算の問題に挑戦しました。
ポイントとなる「答えの符号の判定方法」は、負の数の計算にはとても重要なルールです。また、割り算の答えを分数で出す方法は、難しく見える割り算の答えを簡単に出したいときに重宝です。二つのポイントは、ぜひおさえておきましょう。
引き続き、他の計算問題にも挑戦してみてくださいね。
※当メディアでご紹介する数学関連記事においては、複数の解法をもつものもございます。 あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。
文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。
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