掛け算は筆算で計算する人が多いかもしれませんが、5の倍数の掛け算であれば、少し工夫をするだけで簡単に暗算することができます。
この問題を通して、その方法を学びましょう。
問題
次の計算をしなさい。
25×0.6
小数が含まれているので、筆算は面倒になります。
ここでは、ある工夫をして筆算を使わずに計算していきます。
解説
答えは「15」です。
では、どのような工夫をして計算しているのでしょうか。次のポイントにまとめましたので、ご確認お願い致します。
ポイント
この問題のポイントは、「掛け算しやすい数に変えてから計算する」です。
具体的に言うと、25を二倍して50というキリのいい数にして計算するということです。
しかし、25を勝手に50にしていいわけではありません。25を二倍するのであれば、0.6は二分の一倍する必要があります。
つまり、掛け算においては以下のような法則が成り立ちます。
a×b
=(a×c)×(b×1/c)
ただし、c≠0
このように式を変形すると、以下のようになります。
25×0.6
=(25×2)×(0.6×1/2)
=50×0.3
あとは、「50×0.3」を計算するだけですが、「50=10×5」に変形してから計算すると、簡単に計算することができます。
50×0.3
=10×5×0.3
=10×0.3×5
=3×5
=15
掛け算では数の順番を入れ替えても同じ答えになるので、二行目から三行目は5と0.3の順番を入れ替えて計算しています。
これは、「10×0.3」が計算しやすいからですね。
別解
小数を整数の式に直してから計算する方法もご紹介します。
「0.6=6÷10」と変形して計算しても同じ答えを得ることができます。
25×0.6
=25×6÷10
=150÷10
=15
まとめ
何気ない筆算でも、工夫一つで簡単に計算できるようになります。
この問題は二倍したり二分の一倍したりしましたが、式の数によって臨機応変に掛ける数を考える必要があります。しかし、たくさん計算演習を積んでいれば、どの数を掛けると良いかわかるようになります。
計算は、一問や二問だけしてもあまり意味がありません。計算こそたくさん演習を積んで、理解度を深めていくことがとても大事になってきます。ぜひ、他の問題にも挑戦してみてくださいね!
※当メディアでご紹介する数学関連記事においては、複数の解法をもつものもございます。
あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。
文(編集):ニシケン
2年間、地方の学習塾に勤めて独立。現在はプロの家庭教師として働きながら、都内の難関私立中学や高校の予想問題や適性検査の執筆活動を行っている。どんな人が見てもわかりやすい解答解説作成を志す。
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