学校では一桁の掛け算は九九で答えられますが、二桁の掛け算は筆算することが多いでしょう。
しかし、掛け算の形によっては二桁の掛け算でも暗算できることがありますよ。今回の式も実はすぐに答えを出せるのですが、あなたは暗算方法に気付けるでしょうか?
問題
次の計算を暗算でしなさい。
36×25
※制限時間は5秒です。
解答
正解は、「900」です。
どうやって計算すれば、5秒以内に答えが出るか分かりましたか?
暗算の「ポイント」を、確認してみましょう。
ポイント
この問題のポイントは、「4×25を作ること」にあります。
「10の倍数を掛ける掛け算」は、たとえ桁数が大きくても答えを出すのは簡単です。
例えば、「678×100」の答えは67800です。このように10の倍数の掛け算では、10の倍数でない方の数の末尾に0を付けていくだけで答えが求められます。
そこで、複雑そうな掛け算を見たら、まず10の倍数を作り出せないかを考えましょう。
今回の式は「36×25」なので、一見10の倍数はないように見えます。
しかし、以下のように式を変形してみるとどうでしょうか。
36×25 ←36を9×4に分解する
=(9×4)×25
ここで、「4×25」に注目しましょう。25は100の4分の1なので、「4×25=100」が成り立ちます。
掛け算のみの式はどの部分から計算しても答えは変わりません(これを乗法の結合法則といいます)から、以下のように計算を進めていけば暗算するのも簡単です。
(9×4)×25
=9×(4×25) ←結合法則により4×25を先に計算できる
=9×100
=900
これで、正しい答えにすばやくたどり着けましたね。
まとめ
今回の問題では、「4×25=100」を利用して計算を簡単にしました。
簡単に掛け算をしたいときは、式の中に10の倍数を作り出せないか考えることがポイントになります。その際、「4×25」が100になることを覚えておくと便利ですよ。
今回の問題で掛け算を暗算するコツが分かったら、ぜひ他の問題にも挑戦してみてくださいね。
※当メディアでご紹介する数学関連記事においては、複数の解法をもつものもございます。 あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。
文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。
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