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医師「症状がさらに悪化します」→更年期に増える『頻尿』…ついやりがちな“NG習慣”とは?【医師が警告】

  • 2025.2.26
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

更年期に入ると、「トイレが近くなった」「夜中に何度も目が覚める」という悩みを抱える女性が増えてきます。これらの症状は、女性ホルモンの変化と密接に関わっており、特に骨盤底筋群の衰えが影響を与えています。さらに、水分摂取を減らすことが解決策だと思われがちですが、実は逆効果になることも。この記事では、更年期の頻尿の原因やその改善方法について、専門医からのアドバイスを交えながら解説します。

更年期で起こる“頻尿”…そのメカニズムとは?

更年期に入ると、「頻尿」に悩む女性が増えてきます。実は、女性ホルモンの減少と深く関係しています。ホルモンの変化が体に与える影響は大きく、特に骨盤底筋群の衰えが影響を及ぼすのです。

医師コメント
女性ホルモンの低下とともに運動習慣がなければ全身の筋力が低下しますが、骨盤底筋群も男女ともに低下します。本来膀胱はある程度の尿を溜めることができる臓器ですが(本来なら300から400cc位は蓄尿できるはずです)、例えば尿もれの心配から、こまめにトイレに行く習慣の結果、十分な尿を溜めきれなくなる「縮こまり膀胱」(私が勝手にネーミングしました)になり、頻尿になる女性を多く見ています。

日常的に「尿もれ」を心配して、頻繁にトイレに行くことが習慣になっている女性も少なくありません。これが原因で、膀胱に十分な尿を溜めることができなくなり、「縮こまり膀胱」となってしまうことがあります。この状態が続くと、頻尿の症状がさらに悪化します。

医師アドバイス
頻尿を改善するためには、まず尿もれを改善することが大切です。そのために、骨盤底筋のトレーニングを行うことが非常に有効です。

骨盤底筋を鍛えることで、膀胱をしっかり支えることができ、頻尿や尿もれの予防につながります。簡単なエクササイズで、意識的に筋肉を鍛えることができるので、ぜひ実践してみてください。

"水分を減らすと頻尿が改善する”ってウソ?ホント?

「水を飲む量を減らすと頻尿が改善する」と思われがちですが、実は逆効果になることが多いんです。確かに、あまりに多く水分を摂ると、頻尿が悪化することもありますが、水分を減らすことが解決策になるわけではありません

医師コメント
水分補給した水だけではなくて、食事で摂るサラダやおかずや汁物の水分も考えて一日どれくらいの水分を摂っているか考えていますか?一日にどの程度の水分補給が適切かは年齢や体格、運動量の多少や、季節によっても変わります。水分を摂らなくても尿は作られます。頻尿になる原因として水分の取りすぎもありますが、頻回のトイレ習慣や、コーヒーだけではなくてお茶にも含まれているカフェイン摂取なども関係しています。

むしろ、水分不足の方が体に悪影響を与えるため、なるべく避けてください。例えば、食事から摂る水分(サラダやおかず、汁物など)も含めて、一日どれくらい水分を摂取しているかを意識することが大切です。

さらに、頻尿になる原因として、カフェインの摂取が関係していることもあります。コーヒーやお茶に含まれるカフェインには利尿作用があるため、これらを多く摂ることも頻尿の原因になります。適切な水分補給を心がけることで、尿の色や量を健康的に保つことができ、頻尿の改善にもつながります。

更年期でできる“頻尿対策”!日常生活でできる簡単な改善法とは?

更年期の頻尿を改善するために、日常生活でできることはたくさんあります。まず、骨盤底筋トレーニングはとても効果的。普段から意識して骨盤底筋を鍛えることが重要です。さらに、ストレスや不安を感じた時に深い呼吸を意識することで、副交感神経を活性化し、リラックスできることがわかっています。リラックスすることで、体の緊張もほぐれ、頻尿の症状が軽減することがあります。

医師アドバイス
更年期に限らず女性は普段から骨盤底筋を鍛えることを意識しましょう。胸だけの浅い呼吸でなく、横隔膜や肋骨を意識した腹式呼吸を身につけ日常の中で体幹筋を鍛えるのです。深く吸って、ゆっくり吐くことを意識するだけで目の前の不安は軽くなります。好きな音楽を聞く、良いアロマで落ち着くように深い呼吸は副交感神経を高めます。

また、日常生活でできる予防法としては、規則正しい生活習慣を守ることが大切です。適度な運動を取り入れたり、バランスの取れた食事を心がけることで、体調が整い、頻尿の予防にもつながります。

更年期のトイレ悩みは、規則正しい水分補給と腹式呼吸で解決!

更年期における頻尿やトイレの悩みは、ホルモンバランスの変化や骨盤底筋群の衰えが原因です。水分摂取を減らすのではなく、規則正しい水分補給やカフェイン摂取の見直しが大切です。また、骨盤底筋を鍛えることや、腹式呼吸を意識して日常生活に取り入れることで、頻尿の症状を改善することができます。

更年期の体調変化に対応するためには、少しずつ自分の体と向き合い、できることから実践していくことが大切です。毎日の積み重ねが、快適な日常生活に繋がるので、無理なく続けていきましょう。


監修医:沢岻美奈子女性医療クリニック理事長 沢岻美奈子先生

産婦人科専門医・女性ヘルスケア認定医。医療法人・沢岻美奈子女性医療クリニック理事長。神戸市内のクリニックにて「更年期で悩む女性を元気にしたい!」という思いで診療を行っている。幅広い世代の女性のかかりつけ婦人科医として、クリニックを受診する患者さんのリアルな声をインスタグラム「375taxi」やpodcast「女性と更年期の話」でも配信している。