「魚を食べるときのマナーってどうだっけ…?」「魚をキレイに食べる自信がない…」そんな悩みを持つ方は意外と多いのではないでしょうか。
和食の美しい食べ方は、食事の所作やマナーを大切にする日本文化の表れで、特に「焼き魚の食べ方」には、その人の所作が表れやすいと言われています。
今回は、焼き魚を崩さずにキレイに食べるコツと、魚の骨の処理や食後のお皿の見た目が重要な理由についてご紹介します。
焼き魚を崩さずに食べるコツ
和食には、魚の食べ方に順番とマナーがありますよ。魚は、頭を左側に向けて、上身(上になる面)、下身(下になる面)の順番で食べ進めましょう。
食べ方のマナーも含め、焼き魚を崩さずに食べるコツをご紹介します。
1、まずは上身をお箸で優しく押す
はじめに、魚の上身をお箸で優しく押しましょう。そうすると、身と骨に隙間ができて魚の身と骨がグッと分けやすくなります。
2、ヒレを取り除く
食べる前に、まず尾ビレと腹ビレを取り除きます。外したヒレは、お皿の奥に置きます。
3、中骨に沿ってお箸を入れる
魚の中骨は、頭から尾っぽに向かって一直線につながっています。まずは、中骨に沿ってお箸を入れ、背側の身と腹側の身を切り離しましょう。この一手間でグッと食べやすくなりますよ!
4、上身の背側から食べ始める
まずは、頭の後ろから尾っぽに向かって、上身の背側から食べ始めます。食べ終わったら、同じように腹側の身も頭から尾っぽに向かって食べましょう。腹側には腹骨があります。骨が気になる人はお箸でできるだけ取り除いてから食べましょう。
もし、口の中に骨が入ってしまったときは、指で取り出すのはマナー違反です。手や懐紙で口元をおおってからお箸で取り除き、お皿の奥に置いてくださいね。
5、中骨を取り外す
ついやってしまいがちなのですが、上身を食べた後、下身を食べるために魚を裏返していませんか?コレはマナー違反なんです。
少し難しく感じるかもしれませんが、上身を食べ終えたら中骨の下にお箸を入れ、頭から尾っぽに向かってスライドさせて頭をつけたまま中骨を取り外します。このとき、指先で頭を持ってもいいのですが、懐紙を使って頭を持つと上品な印象になります。
6、背ビレの骨を取り除く
背ビレの根元にお箸を入れ、背ビレとその周りの小骨を取り除きます。次に、腹骨をお箸で取り除き、お皿の奥にまとめて置きましょう。骨を置いている上に懐紙を被せておくと見栄えが良いです。
7、下身を食べ進める
下身も上身と同じように頭から尾っぽに向かって、背側の身、腹側の身という順で食べます。すべてを食べ終わったあと、お皿の真ん中がキレイになっていたら、バッチリです!
魚の骨の処理や食後のお皿の見た目が重要な理由
和食では魚の骨は、お皿の奥にまとめて置きます。
「お皿の奥に骨をまとめて置く」には、理由があります。
お箸で食事をするとき、お箸を手前に動かす動作が多くありますよね。外した骨がお皿の手前にあると邪魔になります。外した骨を皿の奥に置くことでキレイに食べることができるのです。
他にも、お皿の上がキレイになるように食べることで、食材を大切にする心が伝わり、上品で美しい印象を与えることができます。
まとめ
焼き魚の食べ方も含め、和食を美しく食べられると所作に自信がつき、より美味しくお食事がいただけます。
また、骨をキレイにまとめた食べ終わりの美しいお皿は、作ってくださった方への心遣いを表すことができるのではないでしょうか。
この機会にぜひ、焼き魚の食べ方のマナーと順番を覚えてみてくださいね。
監修者:栗栖 佳子(株式会社 宙 代表取締役・ビジネスコーチ)
大学卒業後、人材サービス会社パソナで法人営業およびコーディネーターとして1万人以上の採用・面接・キャリアカウンセリング並びにスタッフや部下の人材育成に取り組む。2009年ビジネスコーチとして、株式会社 宙(sora)を設立。
【コミュニケーション次第で人が変わり、組織が変わり、人生が変わる!】をモットーに、コーチング、アンガーマネジメント、「1on1」マネジメント等、レゴブロックやインプロなど多彩なワークショップを取り入れながら社員や管理職の意識改革、組織風土改革の研修やセミナー、講演活動を年間120回以上行っている。また、3人の子どもを育てながら働いてきた経験から、ワーク&ライフマネジメント、リカレント研修、女性活躍推進アドバイザーとしてお互いの価値観にとらわれず、同感しなくても共感し合える組織作りを目指して活動中。
著書:才能を伸ばす人が使っているコミュニケーション 増補改訂版 ペンコム出版社