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34年前、日本中が涙した“衝撃のラスト” 月9に革命を起こした恋愛ドラマの“名作”を振り返る

  • 2025.2.21

1991年、エンタメ界に旋風を巻き起こした作品

「34年前の今頃、何が流行していたか覚えてる?」

1990年代といえば、B'zや米米CLUBが音楽チャートを賑わせ、スーパーファミコンが発売された年。テレビでは『3年B組金八先生』が放送され、とんねるずのバラエティ番組『とんねるずのみなさんのおかげです』が大人気だった。

そんな中、日本中が恋愛ドラマに夢中になった。

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(C)SANKEI

『東京ラブストーリー』——1991年1月7日、フジテレビ系で放送スタート。このドラマがどれほどの影響を与え、なぜ今も語り継がれる名作となったのか。当時の社会背景とともに振り返ってみよう。

※この記事は『東京ラブストーリー』の放送内容を含みます

34年前、日本中が夢中になったドラマ——『東京ラブストーリー』とは?

「かんち、好き。あ、言っちゃった。悔しいな」(第1話「出会いと再会」)

この台詞、聞いたことがある人も多いはず。自由奔放なヒロイン・赤名リカが、自分の気持ちをストレートにぶつける名シーンだ。

『東京ラブストーリー』は、柴門ふみの漫画が原作。主演は織田裕二(永尾完治)、鈴木保奈美(赤名リカ)、江口洋介(三上健一)、有森也実(関口さとみ)。田舎から上京した完治、天真爛漫なリカ、幼馴染のさとみ、プレイボーイの三上が織りなす恋愛模様が、多くの視聴者の心を掴んだ。

なぜ『東京ラブストーリー』は社会現象になったのか?

放送開始とともに、20代〜30代を中心に大ヒット。登場人物の恋愛模様はもちろん、彼らのファッションやセリフまでが流行した。

『東京ラブストーリー』が放送された当時、日本の恋愛ドラマはまだ「大人向け」のものが少なく、学園ものやホームドラマが主流だった。そんな中、都会の若者のリアルな恋愛模様を描いた『東京ラブストーリー』は、視聴者にとって新鮮で強烈なインパクトを与えた。

特に話題となったのが、赤名リカのキャラクター像だった。

それまでの恋愛ドラマのヒロインは、控えめで従順な女性像が多かった。しかし、リカはまるで違った。自由奔放で感情表現が豊かで、好きな人には積極的にアプローチする。

「24時間好きって言ってて。仕事してても、友達と遊んでても、カンチの心全部で好きって言ってて。ちゃんと捕まえてて。私だけを見てて。でなきゃ、どこかへ行っちゃうよ」(第6話「赤い糸に結ばれて」)

このようなストレートな告白は、当時の視聴者にとって衝撃的だった。それまでのドラマにはない自由でまっすぐな女性像として話題となり、男性だけでなく、当時の女性たちにも強く印象を残した。

そして、「バイバイカンチ」と書かれたハンカチが駅のホームの柵に結ばれていたシーン(第11話「さよなら」)には、驚愕した視聴者が多いだろう。予想にもしなかった最終話の結末に、思わず涙したのではないだろうか。

実際にSNSでは、「リカがカンチとの時間を思い出して号泣するシーンは本当に我が身を見るようでこちらも涙止まらなくなる。」「最初の1話から2人は付き合うんだろうと思ってたのに最終回でそんな展開ある?」「リカとのハッピーエンドをちょっぴり期待しつつ観ていた」——このような意見が生まれるほど、強い余韻を残した。

最終回の視聴率は32.3%。90年代恋愛ドラマの伝説的作品となった。

『東京ラブストーリー』がドラマ業界に与えた影響

1991年の放送以降、『東京ラブストーリー』は日本の恋愛ドラマの方向性を決定づけた。

『東京ラブストーリー』の成功で、恋愛をテーマにしたドラマが次々と登場。『あすなろ白書』『ロングバケーション』など、90年代を代表する恋愛ドラマの流れを作ったと言っては過言でもなく、恋愛ドラマのスタンダードを確立したと言えるのではないだろうか。

また、それまでの月曜9時枠は、刑事ドラマや社会派作品が多かったが、『東京ラブストーリー』の成功で「月9=恋愛ドラマ」という図式が定着。「月9ドラマ」の黄金時代を築くきっかけとなっただろう。

そして、リカのファッションは当時の女性たちの憧れに。江ノ島やお台場のロケ地巡りをするファンも増え、ファッション・ロケ地巡りが流行した。

30年以上経っても色褪せない名作

1991年に放送された『東京ラブストーリー』は、2020年にリメイク版が制作され、再び話題になった。30年以上経っても、『東京ラブストーリー』はただのドラマではなく、日本の恋愛ドラマの象徴として語り継がれている。

そして今もなお、『東京ラブストーリー』の世界に心を奪われ続けているの人も多いのではないだろうか。

時代が変わっても、2人の恋は永遠に色褪せることはない。


※この記事は執筆時点の情報です。