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旬の『牡蠣』は食中毒に注意!管理栄養士が教える3つのポイントと栄養素を解説

  • 2025.2.21
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

ぷりっとした食感と濃厚な旨味が魅力の牡蠣。寒い季節になると食卓に登場する機会も増えますよね。でも、美味しいだけではなく、栄養価も高いことをご存じですか?

今回は、牡蠣に含まれる栄養素の魅力と調理法、食中毒の注意点を管理栄養士である若山あみさんに詳しく教えていただきました。

牡蠣をより美味しく、安心して楽しむためのポイントをチェックしてみましょう!

質問1.「海のミルク」と言われる牡蠣には、どんな栄養素が含まれている?

---今が旬の牡蠣。海のミルクと呼ばれていますが、実際にどんな栄養素が含まれているのでしょうか?

「牡蠣はは、低カロリー・低脂質なヘルシー食材でありながら、食事から摂取する必要がある9種類の必須アミノ酸を全て含んでおり、良質なタンパク源にもなります」

---ヘルシーなのにタンパク質も含まれているなんて、嬉しいですね。他にはどんな栄養素が含まれているのでしょうか?

「新陳代謝やエネルギーの代謝をサポートしたり、免疫力の向上や味覚を正常に保つ働きのある『亜鉛』、赤血球をつくり全身に酸素を運ぶ役割を担い、貧血予防や疲労回復に欠かせない『鉄』、血液をつくり、神経機能を正常に保つなどの重要な機能がある『ビタミンB12』、肝臓の働きを活発にしたり、コレステロールの吸収を抑える、また血圧を正常に保つといった、健康維持に必要不可欠な『タウリン』など、さまざまな栄養素が豊富に含まれています」

---栄養素満点のスーパーフードですね!

質問2.牡蠣と一緒に食べるとより良い食材は?

 

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出典:photoAC(※画像はイメージです)

---牡蠣と一緒に食べるとより良い食材には、どんなものがありますか?

牡蠣に含まれる鉄や亜鉛は吸収率が低いため、ビタミンCやクエン酸を含む食材と組み合わせて摂取することがおすすめです。牡蠣を食べる際には、レモンが添えられている光景をよく目にしますが、レモンを絞って食べることで酸味が効くだけではなく、栄養面においても吸収率がアップするというメリットがあります」

---美味しいだけではなく、合理的な食べ方だったのですね!他にもおすすめの食材はありますでしょうか?

「ビタミンCやクエン酸を含む食材には、レモン以外にもすだち、かぼす、ブロッコリー、ほうれん草、キムチなどがあります。また、にんにくに含まれるアリシンという成分は、ビタミンB群の吸収を高める働きがあるため、牡蠣のガーリックバターソテーやアヒージョにするのもオススメです」

---にんにくも牡蠣との相性抜群ですよね。牡蠣のおすすめの調理法があれば教えてください!

「牡蠣に豊富に含まれるビタミンB群やタウリンは、水溶性のため、茹でたり煮たりすると栄養が流れ出てしまいます。そのため、加熱調理の場合は、煮汁も一緒に食べることができる鍋料理やスープ、もしくは水に触れないカキフライなどの揚げ物がオススメです」

---せっかくの栄養素を逃したくないですものね。

質問3.食中毒が心配…気をつけるポイントは?

---食中毒を気にする方も多いですが、具体的にどんな部分に気をつけたら良いのでしょうか?

「牡蠣の食中毒は、多くの場合「ノロウイルス」が原因です。生または加熱が不十分な状態で食べた場合、食後1〜2日のうちに嘔吐、腹痛、下痢などの症状が現れます」

---感染力が強く集団発生しやすいウイルスですよね…。牡蠣を食べる際の注意点はありますでしょうか?

牡蠣を食べる時の注意点は3つです。まず1つ目は、調理前後の手洗いを徹底すること。牡蠣に限らずですが、手洗いは衛生面に非常に重要です。牡蠣を下処理した手で他の食材に触れないようにしましょう」

---手洗いの徹底は本当に重要ですね!こまめな手洗いを習慣は、ノロウイルスに限らず、他のウイルスや食中毒の予防にも有効です。

「2つ目は、調理器具や調理台は清潔に保ち、牡蠣以外の食材の取り扱いにも気をつけてください。牡蠣と一緒に他の食材を調理する場合は、包丁やまな板は使い分けましょう。生野菜など加熱しないものは、牡蠣よりも先に切っておくと安心です。牡蠣を調理する際に使用した調理器具は、次亜塩素酸ナトリウムや熱湯で加熱し、消毒してください」

---これは気をつけていないと、うっかり同じ調理器具を使ってしまうかもしれません…。

「最後に、生食はできるだけ避け、十分に加熱することです。ノロウイルスは、中心温度85〜90℃、90秒間以上の加熱で感染力を失うといわれています。生焼け、生煮えにならないよう、しっかりと加熱してください。新鮮な牡蠣や生食用として販売されている牡蠣でも、ノロウイルスは一定数含まれていることがあるため、感染を避けたい場合は生食は控えましょう」

---生牡蠣の美味しさは格別ですが、絶対に食中毒は避けたいという場合は、しっかりと加熱することが重要ですね。

旬の牡蠣を美味しく、安全に楽しもう!

今回は、管理栄養士である若山あみさんに「牡蠣に含まれる栄養素の魅力と調理法、食中毒の注意点」を教えていただきました。

ヘルシーだけど栄養満点な「牡蠣」。その魅力をさらに引き出す食材や調理法、そして食中毒の予防策を知ったことで、さらに美味しく栄養を余すことなくいただけそうですね。ぜひ実践してみてはいかがでしょうか?

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監修者:若山あみ
愛知県尾張旭市「あさひの森内科消化器クリニック」にて管理栄養士として勤務。クリニックでは保険診療で栄養指導を行う傍ら、ダイエット外来も担当。クリニックには美容皮膚科美容内科もあり、日々、食と健康と美について探求している。
HP:https://sunrise-woods-clinic.com/