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『花粉症は一生治らない』これって本当?!→ 医師が明かす“真相”に知らなかった…!【専門医が解説】

  • 2025.2.19
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出典元:PIXTA

花粉症は、春の季節に多くの人々を悩ませるアレルギーです。鼻水やくしゃみ、目のかゆみなど、日常生活に大きな影響を与えます。花粉症の原因となる花粉は、天気や時間帯によって飛びやすさが変わるため、しっかりと対策を取ることが重要です。この記事では、花粉症の予防方法と治療法について、医師のアドバイスをもとにまとめました。

花粉症の人が日常生活で意識すべき“ポイント”とは?

花粉症の人が日常生活で最も重要なのは、「花粉情報」をチェックすることです。花粉が多く飛ぶ時期には、テレビやインターネットで飛散予測が発表されます。事前に確認しておくことで、症状がひどくなる前に対策を講じることができます。花粉症がひどい場合は、必要のない外出を控えることも検討しましょう。

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

また、花粉が飛びやすい時間帯や天気の変化も意識するとよいです。雨の日は花粉が地面に落ちるため、飛散量が減少しますが、雨上がりには地面に落ちた花粉が再び舞い上がることがあります。特に、朝と夕方は花粉が多く飛びやすい時間帯なので、通勤や通学時には注意が必要です。

医師アドバイス
花粉は雨が降れば地面に落ちます。そのため雨の日は飛ぶ量がへりますが、雨が上がった翌日は、山々など遠くから飛んでくる花粉に加えて、雨で地面に落ちたあと乾燥した花粉も巻き上げられるので、飛散する花粉はふえます。
また、一般に花粉は朝と夕方に多く飛ぶといわれています。日の出から時間とともに気温が上昇していくにつれて、花粉も目や鼻の高さに浮遊しやすくなることや、夕方にかけて気温が下がってくると、今度は上空にあった花粉が降りてくるといわれています。地域の地形や建造物などによって差はありますが、覚えておくとよいかもしれません。

花粉症の「完治」は難しい?現在の治療法と見込める効果とは?

花粉症が完全に治ることは難しいとされていますが、「アレルゲン免疫療法」を続けることによって症状を軽減することは可能です。アレルゲン免疫療法は、花粉症の原因となるアレルゲン(花粉)を少しずつ体に投与することで、免疫システムを調整し症状を和らげる方法です。特に「舌下免疫療法」という方法では、治療後に7〜8年ほど効果が続くことが報告されています。花粉症の完治には至らないものの、大幅に改善される可能性があります。

医師コメント
アレルゲン免疫療法を長期に行うことで,7-8年ほどの花粉症に対する効果持続期間が期待されることが報告されています。 この報告では、ハウスダストが原因のアレルギー性鼻炎の患者さんを対象としたアレルゲン免疫療法の効果を、長期にわたって調べています。舌下免疫療法を3年間頑張ったグループ、4年間頑張ったグループではそれぞれ7年間、8年間、通常の薬物療法のグループと比較して症状が和らぐ期間が続いたとされています。また悪化しても症状は治療前より軽く、舌下免疫療法を再開してすぐに改善したとされています。残念ながら完治とまでは言えませんが、長期間に症状を和らげる効果があるとわかっています。

一般的な花粉症治療法とは?

現在、最も効果的な花粉症の治療法はアレルゲン免疫療法とされています。この療法には、「皮下免疫療法」と「舌下免疫療法」の2種類があります。どちらも少量のアレルゲンを体に投与し、アレルギー反応を弱める方法です。皮下注射を使う方法と、舌の下に薬を置く方法があり、最近では舌下免疫療法が広く行われています。

医師コメント
日常診療で行われているアレルゲン免疫療法には、皮下免疫療法や舌下免疫療法が挙げられます。100年以上の歴史をもつ治療法で、原因となるアレルギー物質(アレルゲン)をごく少量投与し続けることで、アレルゲンに曝されたことによっておこる症状を和らげる治療方法です。一般的な飲み薬や点鼻薬などの薬物療法はいわゆる対症療法ですが、アレルゲン免疫療法はアレルギー性鼻炎の根本的な治療法として重要ないちづけになっています。 皮下注射を行う方法と、舌の下に少量の薬を投与する方法がありますが,後者が舌下免疫療法といわれ日常診療で広く行われます。

日常的な対策と医師との相談で花粉症を乗り切りましょう!

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

花粉症の症状を軽減するためには、日常生活での工夫が大切です。天気や花粉の飛散情報をチェックしたり、飛びやすい時間帯を避けることで症状を和らげることができます。また、アレルゲン免疫療法は完治には至らないものの、長期間にわたり症状を軽減する効果があるとされています。花粉症の季節を乗り切るためには、予防と治療をうまく組み合わせることが鍵です。


監修:医療法人社団博雅会 草ヶ谷医院
草ヶ谷 英樹先生

総合内科・呼吸器内科・アレルギーの専門医。長引く咳・喘息・肺気腫・睡眠時無呼吸症候群・アレルギーなど、専門的な診療を提供すべく日々奮闘しています。「静岡の呼吸器なら草ヶ谷医院」と呼ばれるよう、医療の質はもちろん、スタッフの接遇やおもてなしの向上にも意識して取り組んでいます。スタッフが心身ともに充実し、満たされた気持ちで働ける環境を目指し、定期的な勉強会や講習会を実施し、院内外の活動への参加も支援しています。